転がる五円玉 ~旅と城と山~

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冬のハンガリー温泉旅 その13 ~元日のセーチェニ温泉に突撃!~

あけましておめでとう!!外国での年明けは人生2回目です。

新年一発目はブダペストが誇る巨大温泉「セーチェニ温泉」に行きます。元旦なので朝はちょっとダラダラして(といってもツイッターみるくらい)10時に出発しました。

 

人通りも少ない清々しい朝です。相変わらずのいい天気。

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市電に乗ってオクタゴン駅に移動。八角形の交差点だから「オクタゴン」という名前のようです。信号の柱がしゃれてる。
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ここで地下鉄に乗り換えます。

が、この地下鉄はただの地下鉄ではなく、世界で3番目に古い1896年開業の地下鉄なのです。
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駅の入口もレトロな雰囲気ですね。早速降りてみましょう。

 

おお、浅っ!ホームがめっちゃ浅い。階段を降りたらすぐホームでした。銀座線よりも浅いかもしれません。他の地下鉄は旧ソ連らしくめちゃくちゃ深いのでギャップに驚きです。
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電車が丁度着いたので慌てて飛び乗りました。

中は意外と狭くてバスっぽい感じ。天井は普通の列車より低いですね。ちなみに写っているのは関係ない兄ちゃんです。すまん。
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つり革がやけにレトロです。本当に吊り「皮」ですね……。

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5分ほどで英雄広場駅に到着。
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外に出ると、すぐそこは英雄広場です。
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1896年に完成したこの広場は大天使ガブリエルを戴いた建国1000年記念碑と、ハンガリーの英雄たちの14体の像で構成されています。

柱のてっぺんにいるガブリエルがハンガリーを象徴する二重十字と聖イシュトバーンの王冠を持っています。
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柱の根本にはハンガリーを建国したアールパードと、それに従った部族の彫像があります。
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周囲の円柱の間にある聖イシュトバーンの像。新年の青空をバックに朝日を浴びる像が映えますねぇ。
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他の14体の像はどれも一級品の出来栄えなので全部見ても飽きません。

 

ちなみに、英雄広場ができた時はオーストリアハンガリー帝国の支配下だったので、この場にはハプスブルク家の皇帝の像が立っていました。が、ハンガリーが独立した際に取り壊されて、代わりにハンガリー人の王やハプスブルクへの反乱を指揮した貴族(テケリ・イムレなど)の像になっています。

ソ連崩壊時にレーニンの像が引き倒されたのは有名ですが、ここでも同じような事があったんですね。

 

英雄広場を通って公園の奥に行きます。ここはヴァローシュリゲット(市民公園)と呼ばれ、1.4km×0.9kmの大規模な都市公園です。

大規模なので中に城があったりもします。
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このゴシック風の城はヴァイタフニャッド城です。

一見古そうですが、1896年の建国千年祭に建てられたパビリオンの一つで、今では博物館になっているそうです。つまり、日本各地にあるコンクリートの天守閣と似たような感じの建物という事ですかね。

 

さて、木々が生い茂る公園を歩くこと5分。温泉が見えてきました。
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これがセーチェニ温泉です。でかい。
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建物も超立派です。温泉とは思えない大きさ。
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ネオ・バロック様式で教会というよりは古代の神殿を思わせるような雰囲気です。1913年開業、1927年に大改装され今の形になりました。

扉もでかい。高さ5mくらいは余裕でありそうです。
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エントランスも広い!!立派さが圧倒的です。他の温泉とは比べ物にならないくらいに!
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天井のフレスコ画もすごい。アポロンが馬車に乗っています。
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壁の隙間という隙間にモザイク画が飾ってあり豪華の一言。これは確かにすごい所です。入口の時点で来る価値はあります。
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まぁ見ての通り大混雑でチケットを買うのに15分ほど待ちました。今回はキラーイ温泉とは違い入場制限ではなく、単純にチケット売り場が捌き切れなかっただけっぽいです。

一人6000フォリントのチケットと、3人で使う1000フォリントのロッカー代を払って入場します。3人で7600円。立派なだけあって結構お高めですね。

 

毎度おなじみの腕に巻くキーを使ってロッカーに入場しました。
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こちらがそのロッカーです。
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あっ……思ったより狭い……。ここを3人で使うのはちょっと無理がありましたが、交代で使ってなんとか水着に着替えられました。

 

よっしゃあ!突撃するぜ!!
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まずは屋内のプールへ。
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うおお~すげ~。天井が広くて上品な雰囲気です。
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屋内にはプールがいくつもあって熱いプールはのんびり、ぬるいプールは泳ぎに主に使われているようです。日本でお馴染みの泡風呂や電気風呂などはありません。サイズ・深さ・温度がわずかに違っている程度です。
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セーチェニ温泉は2つの源泉を利用しており、それぞれ74℃と77℃と結構な高温です。基本的には塩素殺菌の上で循環ろ過されているようですが、若干ほんのりと温泉らしいにおいも感じます。

 

八角形の水風呂。どうやらこの近くにサウナがあるようなのですが……見つけられませんでした。残念。
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ここいらで外に向かう出口を見つけたので出てみます。
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うお~これはすごい。広い!

でも寒い!!!濡れた体を1月1日の寒風にさらすのはちょっと寒すぎる!!!他のハンガリー人は比較的平然と歩いています。どうなってんだこいつらの体は……。

なんとか一番近くのプールに到達しました。
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深さは1mくらいですが、半径50mくらいあるのでとてつもなく広いのです。市民が泳いだりはしゃいだりして過ごしています。
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ちょっと頭が寒いけれど結構快適です。新年の青空の下温泉に浸かるのはなんとも気持ちがいい。日本では冬にプールはやってないため非常に新鮮な気分です。
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ちなみに、この屋外プールは左右に1mほどのプールと真ん中に50mプールがあります。f:id:harimayatokubei:20201103131424p:plain

(Wikipediaより)

真ん中の50mプールは水泳帽着用必須でガチで泳ぐ人向けのようです。f:id:harimayatokubei:20201102210250j:image

結構広いのに10人くらいしか泳いでないません。元日からガチ泳ぎする人は流石に少ないのかな?

 

テクテク歩いて反対側のプールに来てみました。この移動の間は体は非常に寒いのですが、ゴム板が敷かれていて足はあまり冷たくはありません。
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こっちのプールの真ん中には謎の円形の仕切りがあります。別にジャグジーという訳でもなく謎。
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温度は若干こちらが高いので一息つきます。いや~西洋風の建物に囲まれた露天風呂も中々に乙なものです。ハンガリー人もいいセンスしていますねぇ。
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視界に入るもの全てが西洋風なので異国情緒満載です。ここまで異文化を全身で浴びられるシチュエーションはあんまりありません。
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ハンガリー人に混じって温泉に浸かりながら空を見上げると、海外旅行で緊張した体がほぐされていくようです。気持ちいい……。

 

 

さて、ちょっとまったりして最初のプールに戻ってきました。
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こっちは噴水があるのですが、壊れてブッシャアアアアアア!!と水が噴出しています。
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結構な威力なので顔面を当てるとバチバチバチッ!となって結構痛い。楽しいけど。

 

ふと時計を見ると屋外の温泉に来て既に1時間経っていました。思ったよりも楽しくて時間が経つのが早いですね。

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ちょっと名残惜しいけれどそろそろ出ます。

屋外は夜も楽しそうですね~。まぁ冬は寒すぎるので行くとしたら夏でしょうけど。
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隅っこにある出口から中に戻ります。
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見ての通り看板などは少ないのでその点は注意です。特に屋内は迷いがち。

 

最後に屋内プールで最も立派だと思われる所に来ました。
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ルネサンス風の円柱が立ち並んで神殿のような雰囲気になっています。ここだけ装飾のレベルが違います。もしかしたら一番初めにできた所かも?

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若干迷いましたが無事に最初来たプールまで戻ってこれました。
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ロッカーを交代で使って着替え完了。マッサージルームが立ち並ぶ廊下を通って退出します。
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都合2時間半ほど滞在していました。

この温泉は相当に楽しい!「欧州最大」の名に恥じないスーパー巨大な露天風呂は一見の価値ありです。とにかく巨大で屋内プールを転々としているだけで時間がみるみるすぎていきます。

それに、プールとして広大なのも良いのですが、何より周囲の景色が西洋風で異文化に骨の髄まで浸かっている感が素晴らしい。海外旅行の醍醐味を思う存分感じられます。非常におすすめ。ブダペスト滞在が短くても来るべきです。本当にいい所だった!

 

さて、プールではしゃいだので昼飯でも食べに行きますか……。

 

つづく

harimayatokubei.hatenablog.com

 

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