パノラマ&表銀座縦走 その3:殺生ヒュッテ~上高地
登山日 2022年8月13日
コースタイム
<殺生ヒュッテ>4時00分ー<槍沢大曲>5時45分ー<槍平小屋>6時35分ー<横尾山荘>8時05分ー<上高地(河童橋)>11時00分
合計7時間00分
この日の夜は満点の星空だったらしい。筆者カメラは相変わらず死んでるので、これは友人撮影。
起こしてくれや笑!と思うけれど寝ている人間を起こすのってめっちゃ勇気いるのよね。
朝になり今度こそ起床。既に周りの5割くらいのテントはゴソゴソしている感じ。昨日より結露も少なくて快眠できたわね。
上を見上げると、もう槍ヶ岳山頂に光がある。一体何時から待機しているんだ?既にあれだけいるなら、今から登っても頂上には立てなさそう。
出発する頃には槍ヶ岳小屋に向かって光の列が伸びていました。ここから槍を往復して上高地に下る人もいるのかな。んー、まぁ槍はまた来る機会もあるだろうし、今回は大人しく下ろう。
薄暗い中、槍沢を静かに下ってゆく。思ったより景色が良い。
昨日よりもだいぶ優しい緩い道を下っていく。
ふと気付けば槍から迫力を感じられないほども下ってしまった。
氷河地形の広々とした谷を歩くのはとても気持ちが良い。この2日間気を張りっぱなしだったのに、今日はとても穏やかな気分で歩けている。
正面はおそらく蝶ヶ岳。
稜線のモルゲンロートを振り返りつつ快調に下へ。確かに快調だけれど、暑くなる前に下り切りたいという想いが強かったかもしれない。
谷が急になったな、と思ったら槍平キャンプ場に到着。ここから小屋は意外と離れていて1㎞近くもあるらしい。森に囲まれた良さそうなキャンプ場である。昨日の渋滞さえなければここで寝れたんだがなぁ。
ここから先は北アルプスらしい岩稜帯ではなくいつもの山らしい道になる。
槍沢ロッジ到着。ここもすげぇ立派。やはりここも日本有数の登山ルートだという事を実感します。
後で知ったのですが風呂まであるらしい。もはやホテルじゃん。
小屋近くの広場には望遠鏡があり槍の穂先を覗けます。
おお、穂先の人も見えますね。絶好の天気だし相当混んでそう。
我々は下ってきたからいいものの、登りでこれを見るとあまりの遠さにゲンナリしてもおかしくはないな笑
ロッジを出発すると水力発電を発見。あのロッジの立派さはこういう所から来ているのかもしれませんね。
この辺りは緩い道をだらだら歩くだけの印象だったけど、やたら雰囲気が良い。
すごい。これぞザ・清流。やっぱり上高地周辺は何を取っても絵になりますね。
二の俣通過。良い道なんだがこの辺からちょい飽きはじめる。
槍見河原に到着。
その名の通りここからは槍の穂先が見える。でも思ったより見えないというか、本当に木の隙間から見える感じでした。これはこれでチラリズムを感じて良い。
沢水に足を漬けてクールダウン。今日は谷底を歩いているので昨日ほど暑くはないけど暑いものは暑いのよ。
歩いて歩いて屏風岩が見えてくるともうすぐ横尾ですね。2年前、涸沢から下ってきたことを思い出す光景。
横尾到着。涸沢と槍沢が合流するターミナル感が個人的には結構好きです。
登山としてはほぼここで終了だけど、上高地まではあと10㎞!勘弁してくれや~と言いつつちょっと早足で南へ進んでいきます。
徳澤~明神~と山小屋を通り過ぎていき、軽装備の親子連れやカップルが増えてくるといよいよ上高地が近い事を感じます。
終わりに近づくにつれ、登山者の領域が奪われていく感覚はここならでは。他の山域は最初から最後まで登山ムードしかないのでね。
そんな事を考えていると、ゴールがようやく見えてきた。
河童橋到着!これにて登山は終了!おつかれさまでした。
よく歩いたなあと感慨にふけるものの、結構暑いし今日中に京都まで帰ることを思い出したのでさっさとバスターミナルに向かいます。
今回はタクシーで脱出。しかしこの混雑よ。お盆はやっぱりすごいや。
駐車場に戻ると、ここ3日間は感じていなかった熱風を体が襲う!急に自分が汗臭くなったように思えたので温泉に直行。さわんどから30分くらいのせせらぎの湯に行きました。街道沿いではないので適度に空いててGOOD。
そこから1時間くらい運転して一の沢の車を回収。
ここでちょっとしたハプニングが。車周辺に蜂が群がっていてかなり険悪な雰囲気。とてもじゃないけど荷物を整理する雰囲気でもないので結局麓のセブンで解散しました。
京都に着いたのはそれから6時間後の午後8時。3日間を全力で使った遠征だった……満足満足。
感想
今回一番印象的だったのは登山道の整備状況ですね。日本随一の縦走路なので、登山口からかなり離れていても整備されつくしていました。東鎌尾根はいくつも梯子がありましたが、ガタついた場所は一か所も無く、木道の滑り止めも完璧で、登山者を安全に歩かせようという山小屋関係者の思いを感じられた点が良かった。
個人的には思ったより疲れてしまったのが反省点。特に東鎌尾根はしんどかった。何度止まろうと思ったことか。テント泊を何回かして体力も十分だと思ったんですがねぇ。アルプス中枢に行く際には地図をよく見てつらさを事前に把握しておくことが重要だと思いました。
景色については文句無し。危険箇所も殆どないし、快適な縦走でした。次に槍ヶ岳行くときは秋口にでも新穂高から行きたいですね!