斜里岳 6月中旬 ~プチ滝登りもあるぞ~
朝3時半に起床して出発。さ~斜里岳登るぞ~。
宿からはご覧の通り。快晴で実に登山日和だ。斜里岳もクッキリ見えている。こういう天気だからこそテンションは上がるってもんです。
登山口である清岳荘には5時に到着。駐車場は業者とおぼしきハイエースのみ。
・・・あれ、という事は斜里岳を登ろうとしているのは俺だけって事!?おいおい、登山初めて10年くらい経つけど誰もいない山に入るのは初めてだぞ……。ヒグマ出没地帯なのに入山者が他にいないのは結構怖いけれど、折角ここまで来て引き返す訳にはいかない。意を決して登山開始します。
最初からしばらくは林道歩きのみ。「ヒグマこえ~」とビビってるせいか、周囲の茂みからガサッ!という音が聞こえるたびに体がビクゥッ!!となる。実際は風による葉擦れでしかないのですが。
林道が終わるとご覧の通り。シーズン初めなのも相まって結構ヤブいです。幌尻岳を思い出すぜ……。
じきに道は沢を沿い始めた。
雪解け時期ながら水量はさほどでもなく普通に渡れます。ピンクテープも多く道迷いも大丈夫そうです。ヒグマを除けば怖い箇所は特にないなー。
30分歩いて二股に到着。意外と余裕な感じ。ここからが斜里岳名物、滝沿いの登り道らしいので気合を入れなおす。
相変わらずワイルドな道です。数mおきに渡渉してちょっと巻いてからまた渡渉するので、一般的な道という感じではない。
さて、そうこう言ってるといよいよ滝ゾーンです。まずは羽衣の滝。右側斜面を登っていきます。
この辺の岩は滑りにくい性質なので全く怖くありません。
とはいえこういう斜面のトラバースは怖い。滝に落ちたら一巻の終わりです。
滝沿いを登る。いいね~~!楽しい!適度な危険さで適度にエキサイティングです。
おそらく核心部である七重の滝に突入。これまでの滝よりも斜度がキツいし、灌木がせり出しており滝の中を歩くしかない。
後ろはこんな感じ。アッハッハァ~!!滑ったら終わりだ!!!
そこそこアクロバティックながら、岩は水中でも滑らないし突起も多いので普通に突破できました。沢水に鉄分が含まれてて岩に藻が全然付かないらしい。見た目よりも余裕だったな。
6時30分に上二股に到着。滝ゾーンは20分くらいで踏破できたかな?
ここから先は普通の登山道ですが、見通しが悪くヒグマが怖い地帯。ラジオ全開で歩きます。
この辺には僅かに残雪はあるけど全く気にならない程度。
ようやく稜線が見えてきた。写真は斜里岳ではなく1508mピークです。
馬の背に到着。ここからは快適な尾根歩きです。青空が最高に気持ちいいぜ!
急なガレ場をさっさか登ります。いままでの暗い谷沿いの道と違って解放感があって気持ちいい。間もなく頂上な雰囲気も相まってテンション上がってきました。
独立峰は山頂が割と遠くからも見えるのがいいなぁ、と思いながら登って午前7時ちょうど、出発から2時間で斜里岳登頂しました。
うお~。展望が、すごい!!
目の前にある網走平野とオホーツク海の海岸線もいいし、知床と太平洋も一望できます。これは清々しい。
背後には昨日訪れた摩周湖や硫黄山が広大な森林をバックに見えています。
360°の大展望。独立峰ならではの素晴らしい眺めです。
さてちょっと休憩……と思ったのですが、実は風が全然無いんですよね。初夏のこの時期に風が無いと、虫が多くなる。ちょっと座っただけでブンブンしてきて非常にウザい!
結局、ヒグマも怖いしおにぎり1個だけ食べて15分ほどで退散しました。もっとのんびりしたかった~。
山頂直下のザレ場から下山開始です。
馬の背を通過。この辺りではカスミザクラが満開のもよう。6月に花見も風流で良い。
7時45分に上二股に到着。ここからは上りと違う尾根沿いのルートを通ります。
始めは普通のトラバース道ですが
途中から網走平野を眺めながらの快適道になります。期待してなかったけど景色が良いので結構楽しい。
背後には豪快な斜里岳が眺められます。一見の価値はある景色だと思う。
尾根道をのんびり45分歩いて8時30分に熊見峠到着。展望は無いし明らかに熊が怖いので休憩はせず通過。
ここから一気に400m近く下ります。視界もなく結構辛い区間。
40分ほどで下二股着。ここから再び登り道と合流します。
無限の渡渉ゾーン。ここで登りの人と初めてすれ違いました。ちょっと安心感を得る。
えっちら歩いて林道まで戻ってきました。あとは500m歩けばゴールだ。
しかし、ここを歩いていると右側の茂みからガササッ!ガサッ!という明らかに動物っぽい音が!いや~心臓止まりましたね。1分ほど棒立ちしていると静かになったので良かったですが、鹿かヒグマか……怖かった。
9時45分、清岳荘到着でゴールです。合計4時間45分でサクッと行って帰ってこれました。
実は登りよりも下りの方が時間がかかっているんですよね。下りの方が距離が長いし、登りの滝ゾーンはテンション上がって爆速で登ったからでしょう。
清岳荘のベンチで一服。標高680mのここからでも結構景色いいねぇ。手前の森も美しい。
写真だと全然伝わらないのですが、森から聞こえるセミの鳴き声が雰囲気ありまくり。ヒーリングBGMみたいですごい落ち着きます。ヒグマの恐怖におびえっぱなしだったので、リラックスしすぎて思わず昼寝してしまいました。
30分ほど寝てからバイクに乗って下山。帰りの林道も森が美しい素晴らしい道です。
まだまだ午前中なので、この後は知床峠目指して走ります。
感想
ワイルドな登山道と爽やかな景色。北海道らしい体験がコンパクトにまとまっており非常に楽しい登山でした。
道中の「滝登り」も良い経験でしたが、展望がとにかく良い。オホーツク海と太平洋をどちらも眺められますし、後ろには北海道中央の山がそれこそ無限に見えます。これぞ北海道!という広大な景色です。
ただ、終始ヒグマへの警戒が必要なのは大きなマイナスですね。休憩中も神経が休まらず、脳内の3割くらいは注意を向けていたように思います。一人だと心細いのでできれば複数人でいきたいですね。
おわり