9月の大雪山→トムラウシ縦走 ~景色抜群の最高トレッキング~
秋だ!シルバーウイークだ!登山だ!
という訳で2021年のシルバーウイークは北海道に行ってきました。前半の目的は大雪山~トムラウシ山の縦走。後半は羅臼岳を狙います。
まずは秋晴れの関西国際空港から。実はこの時、台風崩れの温帯低気圧が直撃していたのですが、幸いにも定刻で飛び立ってくれました。
離陸から2時間後、降り立った釧路空港はまさかの土砂降り!うーむ、明日の天気が心配になってきたぞ。
しかも最高気温15℃と超寒い。大阪は30℃にも届くというのに……。
この日はレンタカーで帯広に移動してネットカフェに宿泊します。折角帯広に来たので夕食は豚丼!うんめぇ~~。タンパク質をしっかり摂って翌日に備えます。
ネットカフェで2時に起床。目的の旭岳ロープウェーまでは3時間の道のりです。漆黒の狩勝峠を越えて旭岳へひた走ります。
朝6時にロープウェイ山麓駅に到着。昨日の大雨で路面が濡れていますが、快晴です。気温は5℃とそこそこの寒さ。
シルバーウイークだけあって長蛇の列。駅舎内は暖かくて助かった。
30分ほど待って乗車完了。そして10分後、姿見駅に到着しました。
うおおおおッ晴れ!晴れ!晴れーーっ!太陽があったけーーー!!!
北海道まで遠征して見事に快晴の日を引き当てました。感無量です。俺はなんてツイてるんだ!!
のんびりはしていられません。目的地である忠別岳避難小屋までは20㎞もあります。サクサク準備をして、午前7時いざ出発。
歩き始めて10分ですが、既に景色が良い。
この景色の広がりは北海道でしか味わえない。この時点でかなり感動しています。
が、風が物凄く強くて中々景色を楽しむ余裕が無い。風速20m/s近いのではないでしょうか。岩稜帯だったら撤退するレベルの暴風です。
立っていると思わず倒れそうになるほどの風。私は結構ひるんでいますが、初心者っぽい人もガンガン進んでおり続いて登っていきます。
8時15分に斜面を登り切り金庫岩に到着しました。霧の向こうがすぐ山頂なのですが、、、見えない。暴風が山に当たって霧になっている感じです。
8時30分、旭岳登頂。喜びたい所ですが、風!風がやばい!!
ズババババババという音を立てて霧をまとった風が流れていきます。
黒岳方面もわずかに見えるものの、落ち着いて風景を眺めている場合ではない。時間もないしさっさと先に進みます。
東斜面を下っていきます。大展望だが雲がかかってるのが惜しい。
裏旭岳野営場に到着。風もゆるくここで初めて休憩をします。
9時30分に間宮岳分岐に到着。北西風がモロに当たってガスが全然晴れない……。あまり寒くはないけど風が強くてとてもつらい。
北海岳目指して東に進みます。森林限界を超えているのにフラットな斜面なのが奇妙。草の無い美ヶ原を歩いているようです。
しばらく歩いていると急に霧が切れた!
有毒温泉を中心にした御鉢平の景色が広がります。素直に感動。急峻なアルプスでは味わえない圧倒的な景観です。
日本離れしたトレイルを歩きます。左の緩いピークが北海岳らしい。
北海岳到着。晴れてはいるが吹き曝しで風も強くて休憩する気になれん。
南東に進路を取り白雲岳へ。相変わらずのフラットさです。展望は良いし歩きやすいし……本当にグレートな道です。
北海岳までは黒岳方面に行く人もいたので多少は人影もあったのですが、いよいよまばらになってきました。それもまた日本離れしていて良い。
白雲岳近くなると岩が出てきて景色に変化が出てきました。
苔が特に美しい。本州の山と違って森林限界に苔があるのが新鮮です。普通は木々の下じゃないと乾燥してここまで育たない気がする。
フラットな所もいいけどこういう岩地帯も独特の雰囲気でいい。
と思ったら白雲岳分岐でまたフラットになった。ここからCT70分で白雲岳まで行けますが流石にパス。
正面にポツンと見える白雲岳避難小屋へ。白雲岳で北風が遮られてようやく風が緩くなってきた。
11時15分、白雲岳避難小屋に到着です。
ここからの景色がまぁすごい。山の上でこんな大平原見たことない。
この景色を見ながらテント泊は羨ましい。うーん、1泊2日じゃなくて2泊にすればよかったかも。
4時間かかって10㎞歩きましたが、目的地である忠別岳避難小屋はまだ10㎞先です。休憩もほどほどにして出発します。
しばらくして後ろを眺めると白雲岳が良く見えます。紅葉とのグラデーションがgood。
ハイマツ帯をすぎると、平らな石が広がる道になりました。
登山道とは思えないほど歩きやすい最高の道。ニュージーランド(行ったことない)か、スイスのアルプス(行ったことない)かのような、とにかく森林主体の本州とは全く違う雰囲気です。いやぁ……すごいな……。
12時30分に高根ヶ原分岐に到着。ここから東に行く三笠新道がありますが、ヒグマ出没で通行止めされています。
台地が一気に切れ落ちる断崖絶壁。本当に日本なのかここはwww!?
それにしても崖下の紅葉が素晴らしい。
結構な大木のはずですが上から見るとミニチュアにしか見えない。
相変わらずの平らな道を平地と変わらない速度で歩きます。後ろの景色は旭岳と白雲岳で変化がない。
しかも私たちの他に誰もいないんですよね。1時間くらい歩いているけど本当に誰もいない。この縦走路は普通は2泊3日で行くので、午後1時過ぎのこの時間に忠別岳避難小屋を目指す人は殆どいないのでしょう。
良く晴れた空と穏やかな風、人の気配がしない楽園です。
白雲岳避難小屋から平坦地を歩くこと2時間、ようやくちょっとした登りになってきました。
後ろは相変わらずの壮大な景色。未だに6㎞先の白雲岳避難小屋が見えるのが信じられない。スケールが違いすぎる。
14時すぎに忠別沼到着。2時間半にもおよぶ平坦路、本当に素晴らしかった!ここからは忠別岳への登りです。
15時、忠別岳到着。ガスってるわ風は強いわでテンション下がる~。電波が入るのはここが最後っぽいので天気予報を見てから先に進みます。
低い雲が垂れ込める暗い道。
ここで3時間ぶりの人と遭遇。忠別岳避難小屋から来た人っぽいので混雑状況を聞くと、「ガラガラではないけど空いている」とのこと。連休真ん中だから心配したけど大丈夫そうでよかった。屋久島の限界避難小屋が頭をよぎった^q^。
分岐から10分くらいで三角形の小屋が見えてきました。いや~、、、遠かったな。ロープウェイに乗ったのが遠い昔のようだ。
16時に到着。避難小屋です。思ったよりはデカい。
1階はこんな感じ。確かにガラガラではないな。2階はもっと空いていたので2階に陣取りました。
雪渓で水を補給するなどしてしばしのんびり。
風は弱いけれど寒い……。明日も20㎞歩くのかァ、と思いボーッとしていたら日が暮れました。
夕食。やっぱり袋ラーメンは鉄板やね。
結局この日泊ったのは15人くらいで特に混雑しませんでした。流石に9月の北海道は冷える。おそらく5℃以下でしょう。19時すぎには就寝しました。
つづく