塩見岳 三伏峠小屋テント泊1泊2日
2022年の南アルプス初戦は塩見岳!南アルプス南部と言えば圧倒的な悪アクセスが有名ですが、塩見岳だけは鳥倉登山口からそれなりの距離感でアタックできます。
今回は8月上旬に三伏峠小屋1泊で登ってきました。初日はのんびり登山でテント泊、2泊目は空身で塩見岳に行ってくるというゆるふわテント泊プラン。体力無い私にはこれくらいがちょうどいいのよね~。
コースタイム
1日目
鳥倉登山口 8時30分発<ー3時間ー>三伏峠小屋 11時30分着
合計3時間
2日目
三伏峠小屋 3時00分発<-2時間->塩見小屋<-1時間->塩見岳<-3時間->三伏峠小屋<-2時間->鳥倉登山口 12時00分着
合計9時間
天候的には土曜日は曇り時々雨、日曜日は朝方晴れだが次第に曇り。土曜雨なのでテントで優雅に、とはいかなさそうだけど本番は日曜の塩見岳。ここで晴れれば全てOKとの思いで登山口に向かいました。
初日は三伏峠小屋まで標高差1000mを登るだけなので、比較的遅い時間に出発できます。しかし、それが裏目に出たのか朝8時30分の越路駐車場は既に車でいっぱい。おいおい、、、と思いつつ探したらギリギリねじ込める場所がありなんとか駐車。
まぁここから1㎞も戻れば第二駐車場があるので最悪そっち行ってもよかったかもしれませんがね。
準備をしてすぐに出発。30分ほど林道を歩いてから登山道に突入しましたが、特にいう事の無い森が続きます。
1時間ほど歩いたあたりから雨に。
思ったより雨が激しい。とはいえ登山道に危険箇所は特になく、淡々と歩いていると三伏峠に着きました。
これで今日の行程は完了!3時間しか歩いてないのでヌルゲーすぎる。もう2時間くらいは歩けるけどこの先にテント場が無いんだよなぁ。
テントの受付を済ませて昼食はカレー(1000円)を食す。当然ながら美味い。
テント場は三段になっていて既に上段は埋まっている模様。中段の良い感じの所に張りました。
見事にガスってるなぁ。晴れてたら三伏山まで散歩してもよかったんだけど
。おまけに午後1時くらいには結構な勢いで雨が降ってきてなんとテントが浸水!!どうやら水の通り道にテントを張ってしまったらしい。反省。
雨が止んだら水場へ。小屋の水は小屋泊の人しか使えず、テント泊は徒歩15分の水場に行かなきゃなりません。ちょっとダルい。この点を除けばいいテント場でした。適度に森林に囲まれてて風が穏やかなのがいいですね。
夕方、夕食の準備をしているとガスが晴れて青空が見えてきました。
湿ったテントを乾かすにはちょっと遅いけれど、青空を観れてテンション回復。明日への期待を胸にして19時就寝しました。
2日目。2時半起床。朝食をモソモソと食べてテントを撤収。朝露に濡れてテントが重い、のですが今回は小屋にデポします。もちろん小屋には許可済みです。
3時出発。10分も歩くと三伏山に到着。真っ暗で何も見えないし、星も見えない。少なくとも今は曇ってそう。
ここから暗い森を黙々と歩きます。基本平坦ながら緩やかなアップダウンが連続して地味に体力が削られる。
しかも暗いせいでどこまで歩いたかよく分からない。歩いても歩いても同じような道が続くのは結構精神的に辛い。しかもどうやらガスっているらしく塩見岳で展望が無さそうなのもテンションを下げてきます。あ~眠いしダルいし、、、なにやってんだか。
権右衛門沢源流を越えて急坂を登ると、いよいよ森林限界を超えました。東の空を見ると、おっ晴れてるじゃん!!どうやら歩いているうちにガスを抜けたようです。
少し歩くと塩見小屋に到着したのですが、御来光の良い感じのスポットは小屋泊の人に占領されてたので先に進みます。
日の出直前の空。いや~綺麗だなぁ~。こういう景色が見れるから登山は楽しいんですよね。
それにいよいよ山肌が見えてきた塩見岳が思ったより迫力がある。百名山では地味目な方だと思っていたのですが、間近で見ると百名山らしい重厚感を感じます。
日の出を浴びつつ山頂に向けて前進。めっちゃ気持ちいい。
あれが山頂かな、と思ったら天狗岩というピークでした。そこを越えると塩見岳山頂がすぐ近くに見えます。
思ったよりも岩がすごい。笠ヶ岳的な感じかと勝手に想像していたのですが、バリバリの岩稜帯です。奥穂くらいありそうに思える。
そして遂に午前6時、塩見岳西峰登頂。めっちゃ長いように感じたけど三伏峠から3時間で来れました!空身は速くて良い。
それにしても雲海に浮かぶ富士山が美しい。幻想的です。
西峰から徒歩1分程度で東峰に到着。3052mでこっちの方が最高峰です。雲はありますが、清々しい展望が四方に広がります。南には悪沢岳や赤石岳が、北には間ノ岳や北岳が見えており塩見岳が南アルプスの中心と呼ばれていることを実感しました。
昨日雨降ったせいか空気の清々しさが半端ではない。気持ち良すぎる。西峰に戻ってちょっと休憩。富士山が本当に綺麗で、これだけでも南アルプスに来る価値はあると実感しています。
20分ほど景色を堪能したので下山開始。塩見小屋が遥か下に見える斜面を下ります。
ちょいスリリングな鎖場。見た目よりは簡単です。
1時間ほどで塩見小屋に到着。小屋から人が登ってくるから思ったより時間がかかった。
小屋では特にやる事も無いのですぐに出発。ここから先は例のダラダラした樹林帯の稜線がひたすら続くことが分かっているのでちょっとゲンナリ。
展望も無いのでひたすら歩くのみ。長い樹林帯ほどしんどいものはない。森の良さが分かるにはあと10年はかかりそうです。
歩いて歩いて歩きまくって午前9時くらいに三伏山到着。あ~、もう疲れた!!やっぱり精神的に辛い!三伏山は展望は良いので丸い山容の塩見岳が良く見えます。周りののっぺりした山と比較して特に目立っている印象。
三伏峠小屋はもうすぐそこ。この辺から雲が湧いてきました。まぁここからは全く展望ないからガスってもOK。というかむしろ涼しくて良い。南アルプスは昼前から雲が湧くから早朝勝負になりますよね。
三伏峠小屋でデポった荷物を回収して下山します。
晴れたり曇ったりの樹林帯を淡々と歩きます。余談ながら緑色の芋虫が多くてちょっとキモかった。
12時ちょうどくらいに鳥倉登山口到着。駐車場は昨日よりも車が増えています。朝3時から9時間歩いたけれど思ったより疲れた印象。やっぱり塩見小屋から三伏峠小屋までの区間が辛かったなぁ。
この後は麓の鹿塩温泉で汗を流して下山しました。
登ってみて
予想通りの素晴らしい登山でした。塩見岳から見えるのは南アルプスに連なる百名山の面々、そして富士山のみ。市街地も殆ど見えない光景はまさに「深山」そのもの。南アルプスの深い所までサクッと行けるのは、このルートの一番良い所だと思います。
体力的には並くらいのハードさ。テント泊する場合は登山口~三伏峠小屋の区間しかテントを背負わないので初心者向きでもあります。でも歩きごたえ自体は十分にあるので、上級者でもある程度楽しめる。
三伏峠小屋から塩見小屋までの区間がもうちょっと眺望あれば本当に完璧なコースだった!でもその辺も含めて良かったのかなぁ、と終ってからは感じています。ま、結局は山頂で眺めが良かったら全て良し!!なのかもしれません。
おわり