マレーシア最高峰・キナバル山に登ってきた 難易度・費用などについて
本記事は2022年9月現在の状況です。
9月のシルバーウィークでマレーシア最高峰である標高4095mのキナバル山に登ってきました。
素晴らしい山です。とにかく岩盤の景色が壮大で、日本ではこの景色はまず見られません。技術的に難しい所もありません。全力でおすすめします。
ただ、そうは言っても4000mを超える海外登山なのでいろいろ注意する点はあるので、本記事を参考にして下さい。
※身も蓋もないですが、下記旅行会社のサイトの方が正確で充実しています。まずはこちらを読んでみることを強くおすすめします。
1.キナバル山の基礎知識
- キナバル山を登るには日本で北アルプスを登れるくらいの体力は必要
- 1泊2日で登るのが一般的。本記事では1泊2日で登る人向けに解説
- 日帰りはほぼ無理(許可されない)
- 雨季はあるが、一年を通じてあまり天気は変わらない模様。朝晴れて、午後雨降るルーチン。
- 登山代金は山小屋代など合わせた総額で65000円程度と高額
- 山小屋は3か月前までには予約すべし
2.キナバル山の技術レベル
キナバル山の標高差
1日目 Timphonゲート(1800m)→Panalaban(3300m)
標高差 登り1500m
山小屋泊
2日目 Panalaban(3300m)→キナバル山(4095m)→Timphonゲート(1800m)
標高差 登り800m 下り2300m
日本の山で例えると、剱岳早月尾根や富士山御殿場口に相当するくらいです。ある程度登山やってる人なら分かりますが、体力的には割とキツいです。
個人的には富士山(日帰り)よりはキツく、塩見岳(鳥倉からテント泊)・奥穂高岳(穂高岳山荘泊)と同じくらいに感じました。
富士山や奥穂高岳、白馬岳などを山小屋泊で歩けるくらいの体力は必要です。ただ、日本では初心者が富士山を登るように、現地の普通の(に見える)オバちゃんがキナバル山を登っていたりしました。なので、過度に不安になる必要はないと思います。必要なのはチャレンジ精神と根性です。
もっとも、現地にはキナバル山専門のポーターがいます。いくらか金を払えば、自分は一切の荷物を持たずに登ることも可能です。そう考えると難易度は上記の山より低いかもしれません。
技術的には低レベルです。登山道は整備されており、滑落などの危険箇所は皆無に近いです。ただ、道には岩が結構ゴロゴロしているので、靴はハイカットの登山靴が望ましいかと。スニーカーで登っている登山者もいましたが、私には無理かな。
一か所だけやや急斜面の岩場がありますが、高度感が無いので全く怖くありません。
また、標高4000mを超えるので高山病への対策も人によっては必要になります。私は余裕でしたが、現地では苦しそうな人も見ました。標高が近い富士山に登ってみれば、自分の高山病への耐性もある程度分かるかと思います。
とにかくキナバル山に行く前に富士山に登ってみることをおすすめします。距離はやや短いけれど、高度と難易度はほぼ同じ。どのルートでも良いので富士山を登れるのであれば、キナバル山も多分登れます。あとは気合と根性っすね。割とマジで。
3.気象条件・服装
山頂の気温は3℃前後まで下がります。風速は15m/s程度吹く日もあります。9月中旬の北アルプスとほぼ同等くらいの条件。
ただし、山小屋より下は日本の低山という感じで普通に暑いです。
標高を問わず昼頃になるとスコールになるので、雨具は必須です。登山前にガイドに確認されて、持ってないと登らせてくれません。登山用が望ましいですが、100均のポンチョでも最悪大丈夫そう。現地の登山客はそれで登っていたので。
なお、暴風などの荒天時は現地事務所の判断で山頂が閉鎖されることがあります。こうなっても返金などは一切ありません。月1回程度あるようですので、天に祈って下さい。下記サイトに2022年の山頂閉鎖日が記載されています。
4.個人手配での費用
キナバル山は日本の山と違って1日の入山者が厳格に管理されています。山小屋代やら入山料やら支払う必要があるので、合計すると6万円程度になります。
以下が詳しい内訳。
- 山小屋(ラバンラタ小屋・5食)1泊 1406MRY(45000円)
- キナバル公園入園料 15MRY(480円)
- 登山許可証代 207.5MRY(6640円)
- ガイド代(1グループあたり)230MRY(7360円)
- 保険代 17.5MRY(560円)
- 登頂証明書代 10MRY(320円)
我々は2人組だったのでガイド代は折半。また、それを踏まえて合計すると……
1893MRY(≒60576円)
1MRY=32円計算
改めて見ると高い。
このうち事前に予約の必要があるのは山小屋だけで、あとは現地の事務局で現金支払いです。
なお、山小屋やツアーの予約はできれば半年前、もしくは1か月前くらいにはやっておくべきです。我々は2か月前にその事に気付いて慌てて予約しました。キナバル山は人気ですぐ埋まりますのでご用心を。この辺のことは下記サイトに詳しい。
山小屋代に含まれる5食とは1日目の昼食(弁当)・夕食、2日目の夜食・朝食・昼食(下山後)です。
ちなみに、ラバンラタ小屋がなんでそんなに高いかというとステラ・サンクチュアリという現地の高級ホテルグループが運営しているから。例えるなら富士山の山小屋を帝国ホテルが運営している感じ。自然保護使われるならまだしも、企業に金が流れるのは釈然としないが、しょうがない。
~ツアーと個人手配どっちが安い?~
おそらく殆どの人はツアーでキナバル山登山をすると思われるので、費用の比較もします。ツアーは上記の山小屋泊等の他にコタキナバル→登山口の交通費も含まれているので、それも踏まえます。
- NCT自然と文化の旅 2150MRY(振込手数料込みで68800円)
- Borneo Trail Tours 1980MRY(振込手数料込みで64350円)
- 今回の我々 1893MRY+125MRY(交通費)=2018MRY(64576円)
NCTは日本語担当者のいるツアー会社、Borneo Trail Toursは英語のみ通じるツアー会社です。どちらも信頼はできそう。
結論を言うと、ツアー会社利用が最も安いです。個人手配は金額、手間の両面から得策ではありません。今回は素直にツアー会社使っても良かったな……と思いました。
~個人手配の利点~
とはいえ個人手配をする意味はあります。
ツアーではコタキナバルを早朝に出て登山口に9時ごろ着きますが、個人手配はもっと早くから動けます。我々は登山口近くの宿に前泊して、朝7時頃の人が少ない時間に登りはじめました。
まぁ利点と言ってもそんなもんですが、人が少ない登山道をマイペースに登れたのは良かったですね~。
~キナバル山に安く登る方法~
それでも個人手配で安くしたいんじゃあ!という方向けの解説。
まず思いつくのは日帰り登山。1日4組限定という噂だが、そもそも今はやってるかすら不明。もっとも、標高差2300mの4000m峰を日帰りするのはガチ健脚じゃないと無理。登山口のゲートが開くのが7時なので、日本の山のように午前2時からナイトハイクもできない。さらに、早朝以外はガスる山なので日帰り勢が登頂する昼頃には確実にガスっている。日帰りはお勧めしません。
次の手段は山小屋を安くすることです。
山小屋があるパナラバンにはいくつかの山小屋があります。一番大きくて有名なのがラバンラタ小屋。我々が泊った宿です。
他にも2つあり、LEMAING HOSTELはマレーシア人限定。PANALABAN HOSTELが外国人でも泊まれる宿です。
PANALABAN HOSTELは下記サイトから予約できます。
ですが、私が見た時点だと予約可能な3か月先まで全部Full。おそらく、現地の旅行会社がすぐに抑えているからです。
Mount Kinabalu Budget Tourとかで検索すると、この宿を使っているであろう安いツアーが出てきます。ラバンラタ小屋よりも500MYRくらい安いですね。
ただ、これも予約の空きが全然ないんですよねぇ。本当にツアー開催してるのか??
時間に余裕がある学生なんかは現地事務所に直接メールで問い合わせてもいいと思います。
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今回私が得た情報はこんなところです。個別に質問がある場合は、ツイッターにリプ送るかここにコメントをお願いします。