転がる五円玉 ~旅と城と山~

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雲仙普賢岳 4月下旬仁田峠より

1991年の噴火で有名な雲仙普賢岳ですが、実は登山する事も可能です。

今回は島原城と原城に行った翌日に雲仙仁田峠から登ってみました。

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晴れたーーー!!

いや~前日も晴れていたんですが、雲仙岳は雲を被っていたんですよね。標高は1483mしかありませんが、周囲を有明海に囲まれた独立峰なのでそういう事も多いのでしょう。

ところが見てくださいこの天気。仁田峠第二展望台からです。青空の下に豪快な雲仙岳がドドンと聳えています。この迫力はまさに火山!それもつい最近噴火した火山そのものです。

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ちなみに雲仙岳とはこの辺りの山々の総称で、正面の火山が平成新山、ちょっと左のギザギザした山が普賢岳です。雲仙普賢岳とは雲仙にある普賢岳という意味。

反対側を見ると有明海と天草の島々も遠望できます。海に近い独立峰ならではの景色。興奮が止まりません。

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展望台からちょっと車を走らせて仁田峠に到着しました。ちなみにここまでの道路は一方通行なので対向車を心配することなく走行できます。

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150mの標高差を稼ぐためにロープウェイを利用します。もちろん歩いていくこともできますが。あるものは利用する主義なのでね。

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ロープウェイの乗車人数は8人くらい。この時期にしては少ないのかな?まぁ密を避けて歩いていく登山者もいそうです。

後ろを振り返ると仁田峠と雲仙ゴルフ場が見えます。

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こんな所にもゴルフ場を作るとは昭和のゴルフブームはすごいなぁ、と思っていましたが、雲仙ゴルフ場は1913年(大正2年)開業の日本で2番目に古いゴルフ場のようです。

そもそも雲仙温泉自体が明治時代に上海・長崎の外国人保養地として賑わっていたとのこと。雲仙観光ホテルには当時の面影が残されています。今は地方の一温泉という感じですが、そういう時代もあったのですね。

 

ま、それはそうとロープウェイ終点に到着。正面は1333mの妙見岳です。

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ここからは左の国見岳と右の平成新山が眺められます。一見平行移動で行けそうだけど結構アップダウンはありそう。

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9時50分、いざ出発。まずは笹に囲まれた普通の道を歩きます。

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ほどなくして妙見神社に到着。お賽銭を入れて出発。

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白い花を咲かせるノリウツギと有明海。標高が低いとはいえ流石の高度感です。

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10時10分に国見岳との分岐に到着。このまま普賢岳まで周るのはちょっと勿体ないので登ってみます。

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おお……岩場出現。軽い登りかと思ったら意外とエキサイティングです。

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岩場・鎖場を通り10分で国見岳登頂。

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が、しかし……ガスった!!

いやマジかよ。これは悲しい。ついさっきまで晴れていたのに……。おそらくは昨日と同じように山頂だけ雲を被っているのでしょう。

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うーむ、そのうち雲が飛ぶことを祈るしかないかぁ。

休憩するほど疲れてもないのですぐに国見岳を下ります。岩場で軽く渋滞。

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元の道に戻って普賢岳へ。さっきまで軽いハイキングみたいな雰囲気でしたが、ガスったので一気に山らしくなりました。アルプス周辺の低山っぽい感じ。

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10時40分に鬼人谷口到着。紅葉茶屋を経由は普賢岳への近道ですが、今登ってもしょうがないので鳩穴分かれルートで行きます。

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登山者が減ってさらに山深い雰囲気に。これはこれで良い。

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このルートには風穴と呼ばれる蚕穴の遺構がいくつかあります。カイコの卵を5℃以下で冷蔵すると休眠状態となり出荷を繁忙期からズラせるので、九州中のカイコの卵がここに冷蔵されていたようです。

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このため山中にも関わらず穴や石垣が所々にあります。

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苔むして古代遺跡のような雰囲気を醸し出してます。しかし結構な山奥なのによく作ったなぁ。当時はそれほどカイコが儲かったんでしょう。

 

こういう遺跡はありますが、基本的には普通の山道です。ガスってテンションも上がらずダラダラと歩くこと 分。鳩穴分かれに到着すると一瞬だけ雲が切れました。

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おおっ、と思って下を見ると島原市も見えている!

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一瞬だけとはいえいい兆候です。ここまでテンションが地の底に落ちてものすごくダラダラと歩いていましたが、ギアを上げて一気に普賢岳まで登ります!

 

平成新山に最も接近する立峰の岩に到着。斜面に転がっている岩、一見小さそうですが普通にm級はありますね……。

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 普賢岳ももう近い。もうひと踏ん張り。

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一旦谷底に下ります。苔が多くてジメジメした雰囲気。ここは噴火以前からこういう雰囲気のようです。

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ここを登れば到着だ!

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 登頂!12時ちょうどでした。ちょっとガスがあるけどまぁいいでしょう。

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目の前には普賢岳がドドン。噴火前はあれが丸々無かったんだからすごいことです。

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こちらは先ほど登った国見岳方面。やっぱりこうしてみるとかなりアップダウンがありましたね。まぁ所詮は100mほどの上下なのであまり気になりませんでしたが。

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妙見岳方面です。尾根歩きでは分かりませんでしたが、かなり豪快な斜面です。

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有明海方面。うーむ、ガスは取れたけど霞んでしまったか……。

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有明海からの風を浴びながらしばし休憩。途中のんびり歩きすぎて全く疲れてないですね。ササッと行動食を食べて15分ほどで出発しました。

 

まずは紅葉茶屋に向けて急斜面を下ります。

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100mほど急斜面を下って紅葉茶屋跡に到着。

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若干下ってからは谷底を平行移動します。明るくて気持ちが良い。この山は植物の生育が良い気がします。火山灰土だからかな?

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!?倒れた鳥居を発見。どうやら噴火によるものでは無さそうですが……。

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よく整備された道をサクサク歩きます。

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妙見神社が見えてきました。12時45分、ゴールです。思ったよりも近かったな。

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ふう……こうして見ると平成新山は普賢岳からより横から遠くから見た方がいいですね。

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仁田峠は9割くらいの埋まり方です。

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一見すると穏やかな所ですが、この日は改造バイク集団が集会をしていて(左奥)ハチャメチャにうるさかったですね。まぁこういう晴れた日くらいは別に良いと思うけど、ムッとする人もいそうです。

 

雲仙普賢岳はお手軽登山にしては森が綺麗で良い雰囲気の登山を楽しめました。ただ、やはり体力的には簡単すぎたのと、火山の迫力を感じられたのが立峰の岩くらいだったので全体的に単調な登山だったのは否定できません。

雲仙岳は麓から眺めるのが基本的にはオススメです。

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これほどの風格を感じる山はそうそうないです。是非とも島原市方面からも眺めて見て下さい。

 

おわり