転がる五円玉

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ナミビア でレンタカー旅行 その7 ~砂と空の廃墟 コールマンスコップへ

9時間爆睡したのちに起床。そしてネット三昧。日本での休日と変わらん……。でもこれからナミブ砂漠へ突入するので多少はしょうがない。

 

10時前になって出発。本日最初の観光地はリューデリッツからわずか2㎞ほどの距離にあるコールマンスコップです。

宿を出て5分ほどでチケットオフィスがある大きい建物に到着しました。

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うおっ!風が強い!!

砂混じりの強風が吹き荒れており、10m先へ行くのも一苦労です。リューデリッツの海風と違って砂がバチバチ当たるので痛い。ゴーストタウンになったのも納得。

どうにか建物内に転がり込んでチケット(一人100NAD)を購入。このチケットオフィスがある建物は公会堂だったらしく、今は資料館としての役目を負っています。
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↑こんな感じで展示があります。これがまた結構詳しい。

およそ100年前に最盛期を迎えたダイヤモンド鉱山とその街並みの跡です。往時は400人が住んでおり、1年間で900000カラットものダイヤモンドを産出しました。

1908年にドイツ人が発見し、急速な成長を遂げたこの鉱山は莫大なダイヤモンドによりアフリカで最も裕福と讃えられるほどの富を手にしました。街には発電所・ジム・病院・ボーリング場・制氷工場といった近代的な設備が次々に建てられ空前の活況を呈したようです。

 しかし、1920年代に入るとダイヤモンドの生産は南アフリカとの国境付近に移り変わっていきました。採算性で敗北したコールマンスコップの鉱山は1930年に閉山され、徐々に住民が減っていき1960年代には完全に無人の街(ゴーストタウン)に成り果てたのでした。

この流れは夕張や三笠と言った北海道の炭鉱都市を彷彿とさせます。コールマンスコップは閉山からゴーストタウンとなるまで30年かかりました。夕張鉱山の閉山は1990年です。日本の炭鉱町も人がいなくなるまでそう遠くは無いのかもしれません。

 

昔の写真も飾ってあります。
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いやしかし現在の写真と見比べると、建物が気味が悪いくらいそっくり残ってますね。ちょっと信じがたいレベル。

 

30分も見ると飽きてきたので外へ行ってみます。

旧公会堂から少し高台に廃屋が何件か立っています。まずはあそこへ。
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いや~しかし写真だと全く伝わらないのですがとにかく風が強い。強い!写真を撮るのも一苦労です。
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玄関らしき所から中に入ると砂に埋もれた部屋に出ました。
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おぉお……これは中々すごい……。部屋の形はもとより、壁紙もきちんと残っています。

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風呂もあります。この砂漠のど真ん中で風呂に入るとは、どれほどの贅沢でしょうか。

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後で分かったのですが、ここは工場の監督役の家だったようです。道理で立派な訳だ。

2階へ上がってみます。

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元からそういうデザインなのか、それとも歪んでしまったのかは分かりませんが、奇妙な曲線を描く階段です。

ギシッギシッと嫌な音を立てますが、仮に割れても下は砂出し大丈夫・・・なはず。

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2階は砂が積もっていない分、一回よりも人の残滓・雰囲気を感じます。

ただ、なんというのか、この不思議な感じ。「昔の館」と言えば普通はおどろおどろしい感じですが、太陽と青空の元に建つこの家はあっけらかんとした軽快な雰囲気なのです。
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全く怖くない。代わりにかつての賑やかさが失われた家に対して寂しさを感じます。

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さて、この家はだいたい回ったので別の家に行ってみます。
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手前から3つ目の外見はそこそこ残っている家へ。

 

・・・・・・?あれ?玄関が埋まってる??

しょうがないので窓から侵入!
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うおお、これは中々ダイナミックに埋まっています。
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すごいwwwwこれはすごいwwww。前の家は「静かに……埋もれます……」って感じの静かな雰囲気でしたが、こっちは「埋もれてやるわい!!」という勢いを感じるのです。
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それにしても砂の積もり方が凄い。家の中に砂山ができたというより、砂山の中に家が生えたかのような不思議な積もり方をしています。

・・・・・・まぁ、ある意味後者の方が正しい認識でもありますね。

 

贅沢で頑丈な家はしっかり残っていますが、一部の家は完全に崩壊しています。
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むむ、しかし風がとにかく強い。

ぐおおお・・・・・・廃屋から出るとあっという間に砂塵にまみれてしまうのです。ドアの隙間から次に行く廃屋を見定めて、身をかがめながら小走りで移動しています。銃撃戦中の兵士みたいだ。

 

次に着いた廃屋は2階部分が完全に崩壊して天井には青空が見えていました。
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およそ家としての体を成していないのに、壁のペンキは驚くほぼ残っています。この瞬間私が爪を立ててガリガリと削ったら、100年近く残ってきたこのペンキは剥がれ落ちるでしょう。
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中々すごい。これはもう一種の奇跡ですね。

壁しかない廃屋ですが、全くの無風です。1m上はゴウゴウと音を立てて吹き荒れているというのに。
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ただ、風は防げても舞った砂は防げません。外では横殴りで吹き付ける砂が、ここでは真上から静かに落下しています。それはまるで雪のようで、静かに終わり続けるこの街を象徴するかのような光景でした。

 

さて、家屋を巡るのはこれくらい・・・・・・というか風が強すぎてこれ以上動けない!

次は公会堂の周辺にある工場跡地に向かいます。

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工場跡。流石に壁の厚さが民家とは段違いです。しかし天井は朽ち果てつつあり微かに光が差し込んでいます。
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この他にも工場をいくつか見ましたが代わり映えしないので割愛。

最後にこちら。
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これはダイヤモンドを運んだ軽便鉄道跡です。ゲージ幅は500mmくらいでしょうか。とにかく小さい。もはや遊園地の遊具です。しかし、これだけ砂まみれの土地で線路が埋まらないのでしょうかね。謎です。

 

と、いう訳でコールマンスコップ観光終了。滞在は1時間半くらいです。

ナミビア南部の一大観光地だけあって、非常に独特の静けさと寂寥感を持った土地でした。雰囲気がとにかく素晴らしい所です。建物自体も当然ながら時代がかっており、「100年前の欧州の家」の意匠や構造は大変興味深いものでした。

 

さて・・・・・・砂まみれになった体をチケットオフィスで落としてから出発します。いよいよナミブ砂漠の核心部へ突入しますが、1日では辿り着かないので途中にあるBettaという町まで行きます。

今回訪れたところ

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