ナミビア でレンタカー旅行 その9 ~ナミブ砂漠 昼間のDUNE45へ
朝5時……東の空がボンヤリ明るくなってきたような……こないような……。眠いような、眠くないような……。
しかし!何はともあれ寒い!!霜が降りるほどの極寒と成り果てた砂漠の世が開けました。日が昇って15分もすると気温がぐんぐん上がり始めたのでテントから這い出ていつも通り撤収準備をします。
ジュースとパンとジャムで軽く朝食を摂ってさっさと出発しました。
今日はいよいよナミブ砂漠の核心部へ向かいます。走行距離は130kmほどの予定。昨日一昨日と比べれば全然大したことはありません。
相変わらずのダートです。昨日までは地平線ばっかりの砂漠でしたが、所々に岩山が点在し始めました。
動物にもちょくちょく遭遇します。
こちらは動物ではなく。道をさらっている工事車両。こんな土地で延々と砂漠をさらい続けるのは精神が壊れそうですね……。
こんな感じで割と道中色々ありますが基本的には暇なのです。。。なので適当な岩山を見ては「あれはナミブ富士」「あれはナミブ筑波」とか名付ける遊びをしていました。
これはナミブ富士です。うん、暇なのです。
さて、退屈しつつも2時間ほど走り、11時30分にナミブ砂漠公園の入口にあたるセスリムに到着しました。
ナミブ砂漠国立公園はナミビア観光のハイライトとあってか、セスリムにはホテル、キャンプ場数軒、ガソリンスタンド、食堂、商店、があり旅行者の拠点となっています。ただ、地元民は誰も住んでおらず純粋に観光の拠点として発展した模様です。
ここでの注意点はナミブ砂漠公園ゲートの開門と閉門時刻。基本的に日の出開門、日没閉門となっています(季節によって変わるので要確認!)。このため、朝日と日没を見るにはゲート内にあるナミビア国立公園運営(Namiba Wildlife Resorts)のキャンプ場に泊まる必要があります。
要するにディズニーランドの園内にホテルがあって、そこに泊まると開園前閉園後も遊べる、みたいなもんです。
このため、ゲート内の公式キャンプ場はエラい人気なのです。シーズン中は半月前に完売するとかなんとか。今はシーズンオフなので、2日前に予約したら無事取れました。それでも当日には満場になっていた模様。あら恐ろしや。
さらに、ゲート内にキャンプ場はここしかないため市場原理が働かずボッタクリ価格となっています。お値段なんと一人当たり350NAD(=2800円)!!ひぇー!しかも今調べたら2020年は490NAD(=3920円)になっていました。実に分かりやすい殿様商売です。
三行でまとめると
- 門があって日の出に開いて日没に閉まる
- 門の中に公式のキャンプ場がある
- でも公式のキャンプ場しかないからバカ高い
と、いう訳でまずは国立公園のキャンプ場で入場料(一人80NAD)払って入場します。そしてキャンプでチェックイン。予約時にクレカ決済していたのですぐに入れました。
指定されたのはこの木の根元。テントサイトには水道、かまどのみがあります。むむむ、前日のキャンプ場の方が設備が良かったな……。
今日はここに泊まるので早速テント設営。昼間は風がないのですこぶる張りやすい。普段テント設営する夕方は風が強くて張りにくいのです。
5分でテントを張ってから昼食。キャンプ場にはレストランがあり、日本とほぼ同じくらいの物価で食事ができます。
飯のクオリティも申し分なし。なんかここ数日は昼食だけクオリティが高いですね。まぁ、一日に一食くらいはまともな物を食べないと精神が持たないという事でもあります。
さて、腹を満たしたのでいよいよナミブ砂漠の核心部に突入します。キャンプ場の端にあるナミブ砂漠への門を通り、一路西へ!
ウッヒョー舗装路だぁー!!キャンプ場から目的地のDUNE45までは約40㎞ほどです。ダートなら1時間近くかかりますが、舗装路なので20分ほどで着きました。
おお……すごい色彩。遠近感がまるでない。
砂山と青空だけを映すとベタ塗りしたような画になります。それほどまでに単純化された光景なのです。
本当に砂だけの山なのかと思って少し掘ってみましたが、本当に砂しかないのです。これはすごいぞ。
ひとしきり驚いたので砂山に登ってみます。
むむむ……遠近感の無さのせいで分からなかったのだが、意外と高い。それに砂地だから一歩登るごとに5㎝ずつ落ちていきます。これはつらい……。
しかも砂が音を吸収しているせいか、自分の呼吸と砂を踏みつける音意外何も聞こえません。
30分後、やっとこ頂上に着きました。wikpediaによると比高170mもあったようです。そりゃあ辛いわけだよ。
さて、DUNE45から南を見渡すと当然のように砂山が延々と続いています。
今見えている範囲ですら、おそらくは有史以来人類が立ち入っていない領域です。草木一本も生えない正真正銘の不毛の地。自分みたいなへっぽこ旅行者がこのような険しい土地に触れられるのも現代文明のおかげです。
頂上から南を見ると道路が通っている谷を望めます。
水が流れた跡が良く分かりますねぇ。この谷はラッパ状の形で西に行くにしたがって細くなっています。最深部にはデットフレイという有名な場所がありますが、それはまた明日。
ひとしきり写真を撮ってから下山開始。でも、ただ歩くだけじゃあ勿体ない。
こういう砂地はなぁ……走るんだよォ!
30分かかって登った場所を30秒で下る快感……!富士山の大砂走経験者ならよく分かるでしょう。スキー中級くらいの斜度ですが、足元がふかふかの砂なので適度にブレーキがかかってスイスイ降りられます。
下には枯木が一本だけ立っていました。この木はDUNE45のすぐ横にあるので他のブログとかでもよく登場していますね。
で、この木に4羽の鳥が留まっていました。これはアフリカ南部に生息するカラス科のムナジロガラスです。
普段日本で見ているカラスよりも精悍な印象。砂漠の枯木に留まっているせいかな。
ふう……登って降りて既に到着して1時間は経っています。写真だと伝わりませんが、ここは1㎜の日陰も無い灼熱の砂漠。喉がいい加減カラカラになってきたので、キャンプ地に戻ります。
戻る途中の道端で世界遺産の石碑を見つけました。
まぁただの石碑です。でも山が3つある形なのはなんでですかね?富山県の県章みたいだ。
さて、一旦キャンプに戻り夕食の支度などをして夕陽の時間にもう一度戻ってくる予定です。往復80㎞の道のりですが、舗装路なので泣けるぐらいに楽ちん。ダートだったらこうはいかなかっただろうな……。
つづく
今回のルート
harimayatokubei.hatenablog.com