転がる五円玉 ~旅と城と山~

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ナミビア でレンタカー旅行 その15 ~世界遺産の岩絵トゥウェイフェルフォンテンと化石の森~

相変わらず夜中に寒さで目が覚めたけれど、いい加減慣れた。朝5時頃に起床するも真っ暗なので1時間ほどテントでダラダラして起床。

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朝8時と聞いていたのですが、7時には係員がやってきて手続きをしてくれました。書類にサインをして晴れてスケルトンコーストを正式に通過。

今日は世界遺産であるトゥウェイフェルフォンテンを見物してさらに東へ向かいます。
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台形をした丘を眺めながら今日もダート走行。

が、途中で警察の検問に引っかかり全ての鞄の中身を見られました。どうやらウェルウィッチアの種子や動物の角などを無断で持ち出す輩がいるそう。

検査中に写真を撮ったら怒られたので検問後に撮影。
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いやしかし・・・・・・こんな何も無い荒野で検問を続けるとは恐れ入ります。
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引き続き丘陵が多い砂漠を進みます。

トゥウェイフェルフォンテンの近くまで来ると「Orugan Pipe」という看板が見えました。名前からして多分観光地です。この旅行は事前に知っている場所しか訪れていませんが、たまには突発的に立ち寄ってもいいだろう、と言う事で言ってみました。

 

・・・・・・看板に従って進むと小屋がある駐車場があります。やけにしょぼい。車を停めると係員が出てきて入場料を求めてきたので一人50NAD(=400円)払います。
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オルガンパイプはあっちだ、というので行ってみます。
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あ~、なるほど。柱状節理をオルガンパイプになぞらえているのですね。直径10cm、高さ2mほどの柱状節理が延々に続いています。
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まぁまぁ壮観ですが、高千穂峡の方がすごかったかもしれません。ちなみに柱状節理のでき方は以下のサイトに詳しいです。

柱状節理のでき方

 

えっ、これで終わり?と思うなかれ。実はオルガンパイプの近くには別の観光地「Burnt Mountain」があるのです。訳すと燃える山。これは期待大か!?

 

着きました。
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・・・・・・う~ん、これかぁ。絶妙にしょぼい。周囲が茶色の岩山ばかりの中で確かに焦げ茶色の岩が帯のようになっています。地質的には頁岩が貫入したマグマによって変成した変成岩らしい。

 

なんともいえないB級観光地感があったオルガンパイプとバーントマウンテンを離れて今度こそトゥウェイフェルフォンテンに向かいます。

10分ほどで到着。なんと屋根付きの駐車場があります。これはありがたい。f:id:harimayatokubei:20200527233452j:image

実はこの辺りでは高温が非常に辛かったのです。南アフリカからスケルトンコーストまで、最高でも35℃くらいだったのですが、現在の気温はなんと43℃!!屋外駐車場に車を放置すると5分で車内温度60℃を余裕で突破するのです。

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駐車場の近くには世界遺産の銘板が展示されています。どうやらニュージーランドで開かれた総会で決定したようですね。

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案内所に到着。入場料100NAD(=800円)を支払います。
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どうやら10人程度が集まったらガイド付きで見られるらしい。案内板を見たりして待つ。
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世界文化遺産 トゥウェイフェルフォンテンの概要

  • 岩絵は西暦1000年までに狩猟民族(サン族)によって描かれた
  • 最低でも2000年間は継続的に描かれたと思われる
  • 西暦1000年頃に北方から狩猟民族がやってきてサン族は南へ追われてしまった
  • トゥウェイフェルは疑わしい、フォンテンは泉を意味する
  • これは、ドイツ人開拓者が泉の存在を報告したものの周囲が不毛の砂漠で誰も相手にしなかったから

流石に世界遺産なので展示が充実していますな。

 

さて、15分ほどで集まったので黄色いシャツを着たガイドに連れられて出発します。
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まず見るのは家です。家・・・・・・!?
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1948年からにこの地に住んでいたデイビットさんの家です。上の説明に出てきたドイツ人開拓者とは彼の事です。デイビットさんは開拓に励みましたが、十分な水が摂れず結局は撤退してしまいました。

彼のすまいも今では廃墟です。しかし、この地を発見して地名の由来まで作ったので、このように案内されています。


ガイドは斜面の岩山に分け入っていきます。
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これのどこに岩絵があるんだ?と思ったら陰にありました!
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おー!凄い!高さ2mほどの岩をキャンパスに動物の絵が描かれています。これらの絵は子供に動物を教えるために使われたそう。
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上の写真はキリンですね。

下の写真では棒を持った人がシマウマを追いかけています。これも子供に狩りの仕方を教える為に使われたそうな。
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絵が描かれた岩は全部で20か所ほどあり、非常に濃密。岩自体に鉄分が含まれているので、表面は赤く、削ったところは白くなっているようです。
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この〇は何かというと泉を表しています。
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要するに地図のように使われてもいたらしい。

20分ほどで見学終了。いや~~意外と面白い。もちろんナミブ砂漠などに比べれば小ぢんまりとしていますが、この大自然の真っただ中に人が暮らしていた痕跡が残っていること自体が面白いですね。

 

ちなみにこの近くにはキャンプ場も数軒点在しており、観光地であることが伺えます。
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なお、看板の文字にある「!」は歯茎吸着音と言い、立派な文字です。カタカナで表すと「コッ」という感じ。誤植ではありません。

 

それはさておき次行くのは「petrified forest」。訳すと化石の森です。現在走っているC39号線沿いにある、という情報しか無いので看板を探しながら東へ進みます。

すると、トゥウェイフェルフォンテンから30分ほどの所でPetrified Forestと書かれたヘロヘロの看板を発見。看板がしょぼいのでちょっと疑いつつも脇道に逸れて3分ほども進むと……着きました。
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・・・・・・!?ここ!?

なんだかしょぼい。係員いないし……。でも、やけにファンキーな文字でPARKINGと書かれているので間違い無さそうです。

 

裏にある山へ道が続いていくので登っていくと……。
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おお!これだ!!木のような岩がゴロゴロ転がっています。
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一目見て「これは岩だな」という物から、「これは木じゃない!?」と騙されるほど木っぽいものまで様々です。大きさも色々あります。
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上の写真は中くらい、下の写真はかなり大きいものです。
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いや~面白い。あまりにも木のようなビジュアルですが、そこらの石で叩くとキン!キン!という音が響きます。それに持つと重い。ゲームでテクスチャバグに遭遇したような不思議な感覚です。

これは珪化木と言い、古代に何らかの形で土砂に埋もれた木が圧力で化石化したものです。主成分は2酸化ケイ素であり、硬度は6~7。元々は木だっとは思えないほど硬いのです。

この辺りは今でこそ砂漠ですが、大昔(恐竜がいたジュラ紀)くらいの時は今のアフリカ大陸と南米大陸でゴンドワナ超大陸を形成していました。

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その時は今のような砂漠ではなく、大木が生息する森林が広がっていたようです。それらの木が洪水で倒れ、洪水の土砂の中に埋もれ、近年の河川作用で地上に出てきて私たちが目にしているのです。

一本二本ではなく、大量の木があるので化石の森と言われているのでしょう。
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より詳しい解説は下記のブログさんが参考になります。

plaza.rakuten.co.jp

非常に面白い、興味深いスポットでした。「わぁ、木の化石だ~!」とのんきに驚くのもいいのですが、そこの背景にある大陸の移動まで思いを馳せると一気に壮大な気分になります。日本は地質的に新しい島なので、数億年前の地層とかに普通に観光していると接しないのですよね~。

ビジュアル的にも頭にも良い刺激になりました。ただ、読者も忘れているかもしれませんが、今の気温は41℃の灼熱です。20分も外にいたのでフラフラしながら駐車場に戻りました。

 

クーラーをガンガンにかけて体を冷やしつつ東へ。しかし、途中で「petrified forest」と書かれた看板がありました。どうやら、私たちが見た化石の森から15分ほどの距離に別の化石の森があるようなのです。

↓私たちが見た化石の森

goo.gl

↓国営のビジターセンターらしき化石の森

goo.gl

しかもこっちの方は屋根付きの駐車場もあるしビジターセンターもある様子。私たちが見ていたのは個人がやってるpetrified forestだったのか。まぁ、個人の所でも化石の森はしっかり見られたしスルーします。でもちょっと早とちりしたかな??

 

13時頃にコーリシャス(Khorixas)という町に到着。しょぼくれた町ですが、昔は南西アフリカ(現ナミビア)のバントゥースタンの一つであるダマラランドの首都でした。

ja.wikipedia.org

このバントゥースタンという制度は中々闇が深くて必見。

南アフリカ政府「黒人労働者をコキ使いたいけど法律が邪魔だ・・・・・・。」

南アフリカ政府「そうだ!南アフリカ国内に黒人の独立国を作れば、黒人は外国人労働者になるから国内法が適用されなくなるぞ!」

というかなり無茶苦茶な理屈で作られた謎国家です。何を言っているか分からねーと思うが(ry。

詳しくはWikipediaをどうぞ。

 

さて、昼時なのでレストランなど探します。が・・・・・・いかにも田舎の寒村といった風情で何もありません。しかも相変わらず気温は40℃をゆうに越えているので探すのも一苦労。

結局、OK FOODというスーパーでパンを購入して昼飯としました。

更に東へ。コーリシャスから東は舗装路なのでガンガン飛ばしていきます。
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東に進むにつれて周囲に緑が増えてきました。そして前方には積乱雲が。日本の夏っぽいなぁ~と思いながら進んでいると、雨雲はみるみる近づいて大雨に!!
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この旅行初の雨です。気温が急降下して30℃まで下がりました。本当の意味で恵みの雨です。

その後も東へ進み、15時頃にオウチョ(Outjo)に到着。人口8000人の町です。砂漠を越えて疲れたので中心にあるオウチョ・ベーカリーというカフェに突撃。
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急に文明的になって驚き。日本と言われても不思議ではないですね。
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ケーキやクッキーがたくさん売られています。今回はレモンケーキをチョイス。30NAD。
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う、美味い!!文明の味がします。でも日本で食べたら甘すぎると文句を言ってしまいそうな味。

 

オウチョ郊外にあるキャンプ場に泊まります。
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キャンプ場内の写真をなぜか撮り忘れていたので薪割りの写真を。ナミビアで今まで泊まったキャンプ場は全て砂漠でしたが、今回は初めて林に囲まれて芝生まであります。昨日のような壮大な風景はないものの、安心感はあります。

野鳥もすぐそばまで来ました。
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残念ながら名前は不明。

芝生の上にテント張るといつもと違う感じですね~。

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夕食もベンチで食べます。
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お察しのクオリティ。まぁ……食えればいいんですよ……食えれば。
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しかし、湿気が多いので虫も多い。特に蚊がやっかいでした。日本から持ってきた虫除けスプレーで刺されはしませんでしたが、今後は注意が必要ですね。

 

つづく

 

harimayatokubei.hatenablog.com

 

本日の行程