【鹿児島~屋久島】フェリーはいびすかすが思いのほか快適だった話
フェリーはいびすかすとは
①鹿児島〜屋久島間の最安移動手段
②鹿児島〜屋久島間で唯一の夜行船
③元貨物船
という貧乏人御用達の奇天烈フェリーである。
今回は屋久島登山のために鹿児島→屋久島を移動する事になったのでフェリーはいびすかすを利用しました。
何が凄いかって貨物船を改造している点ですね。ネットでは「魔改造フェリー」とか「動く簡易宿泊所」とか言われています。レストランや風呂は当然ありません。
社会人になったし別にここまでケチる必要は無いのですが、面白そうなので乗ってきました。
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まずは鹿児島までスカイマークで移動します。
13時50分に鹿児島空港到着。霧島山の方が良く見えます。いい天気。
バスに乗って15時前くらいに鹿児島中央駅到着しました。
しばらく鹿児島駅前を散策。
が……鹿児島中央駅について30分後の、15時48分発の路線バスに乗らねばなりません。
普通の屋久島行き航路は中央駅から1㎞くらいの立派な港から発着しています。しかし、フェリーはいびすかすは15㎞南の谷山港から発着しているのです。鉄道は無いので1日1本のこのバスで移動するしかないのです。
まぁ、金があればタクシーなのでしょうが、タクシー乗れる人はそもそもこの船乗らないよね。
そうして一時間ほどバスに揺られて着いたのがこちらの谷山港バス停。
待合室がコンテナだと!?赤文字と青文字でバスバスと書いてあるのが面白い。
バス停からは待合ターミナルとフェリーはいびすかすが見えます。
思ったよりも大きい船ですね!
さてさて、受付へ行きましょう……ってまるで工事事務所のようなビジュアルですね……。
中のカウンターで氏名住所などを記入し、鹿児島→屋久島の一人3900円分を払って受付完了です。
外の事務所的な雰囲気に反して中は至って普通です。クーラーも効いており快適。
待合室で1時間ぼーっとしているのも暇なので、徒歩10分くらいの場所にあるファミリーマートへ買い出しに行っていました。近所にはホームセンターなどもあり意外と色々調達できそうです。
さて、買い出しを終えて港に戻るといよいよ17時30分に乗船します。
中も飾りっ気皆無ですね。東南アジアの船でももう少し整えているような気がします。
客室へは資材置き場の横の階段を登ります。なおエレベーターはありません。
客室に到着しました。
おお~、意外と良いじゃない!!絨毯は他のフェリーの2等和室より柔らかいくらいです。テレビもしっかり映るし、クーラーも効いています。
一区画(4m×4m)に4人程度の混み具合です。ガラガラでもなく、ギュウギュウでもないですね。
荷物置き場もちゃんとあります。農作物とか置いてありそうな雰囲気ですね。
出航前にデッキに出てみました。ミッチリ積まれたコンテナの向こうに桜島が見えます。なんというか、我々客が完全に貨物のオマケであることがよく分かる光景です。
四角い窓が船室ですね。こうしてみるとビジュアルが完全に船員居住区のそれ。
日没と同時に出航しました。
出航後しばらくは穏やかな鹿児島湾を南下していきます。15分もすると暗くなってきたので中に戻りました。
ちなみに船内にはカップ麺の自動販売機があります。万が一お腹が減ってもこれで安心。
さて、船室でのんびりラグビーでも見ていたのですが、出航から3時間くらい経った頃でしょうか。体が勝手に寝返りを打ち始めたんですよね。
う~む、どうやら鹿児島湾を抜けて外洋に出たらしいな……。
しばらく冷静だったのですが、そのうち経験の無いような揺れに襲われ始め困惑し始めました。真っすぐ立てない……。仰向けに寝れない……。スタビライザーが無い船ってこんなに揺れるのかと驚きです。
「あと30分続いたら吐くな・・・・・・」と思い始めた辺りで、揺れが急に収まりました。どうやら種子島の西之表港に入ったようです。た、助かった。時刻は21時40分のことです。
種子島で半分以上の客が降りたので、船内は途端にガラガラになりました。残ったのは総勢20人くらい。4m×4mの区画に2人で大の字になって寝れます。最高~!
デッキの外から港を眺めると謎の廃材の山が積み重なっており、この船が貨物船だということを思い出しました。
22時超えて消灯されたので我々も就寝。
ふかふかの絨毯、ガンガン効いてるクーラー、ゴロゴロしても大丈夫な広さ、そして港に停泊だから全く揺れないので2等和室としては過去最高に快適です。これで風呂があれば完璧だった。
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寝ること8時間。朝6時に目が覚めると船は既に種子島を出航しており、太平洋を進んでいます。揺れに耐えつつ荷物をまとめていると、宮之浦港に到着しました。
下船します。
じめっとした空気が肌にまとわりつきます。いかにも南国っぽい。
曇天の下、フェリーはいびすかすを眺めます。
終わってみれば結構快適な船旅でした。ただ、今回の快適さはガラガラだったことが大きく、混んでいたらかなり辛い事になっていたかもしれません。スケジュール的にもロスは大きいので、余程の時間と余裕が無いと今後は使わないかもしれませんね。
この後登った屋久島は以下の記事で
harimayatokubei.hatenablog.com