ナミビア でレンタカー旅行 その17 ~エトーシャ国立公園・昼編 ビッグ5を狙え!~
宿の熱せられたトタン屋根は夜半を過ぎた頃にようやく冷めてきて、なんとか寝ることができました。
翌朝8時に起床。この時間に起きるのは久々ですなぁ。昨日話した日本人旅行者は5時台に出発したらしい。距離を走るようなので早出は賢明だと思います。
宿代に含まれているベーコンエッグをもそもそと食べて、我々も早々に出発しました。寝苦しかった点がアレでしたが、朝食はそこそこ美味いしネットが通じた点は良かった。虫もいなかったし。
それはさておき、オウチョから100kmほど北上します。今日も天気が良い。
そして着いたのが、エトーシャ国立公園。ナミビア北部にある大観光地です。
面積は22,270 km 2で、茨城・栃木・群馬県を合わせたよりも大きい。いわゆる砂漠気候だが夏にはまとまった雨が降るため、背の低い木が点在している。
ゾウやキリン、ライオンといった大型の哺乳類を初め、340種もの鳥類も生息している、アフリカを代表するサファリである。
どうやらナミビアで行くべき所を2つあげるとしたらナミブ砂漠とエトーシャというくらい有名な場所のようです。門からして立派ですね。
一人80NADを払って入場。ちなみに時間制限は無し。
このエトーシャ内にはライオンのような肉食獣もいるので、車から出られません(出たら罰金だとか)。このため、園内には頑丈な柵で囲われたセーフティエリアが5箇所設定されています。
門から一番近いのはオカクウエジョです。ここで地図を入手します。というのも、公道ではなく公園内なのでGoogleMapがあまり使えないのです。国立公園とはいえこれだけ広いと迷ったら一大事だし、そもそも電波があるかも分からない。
(非常に余談ですが、この地図はドイツ語も併記してあります。ナミビアは元ドイツ領だったのでドイツ人に人気が高い。医者が使うカルテはドイツ語なのですが、この地図にもKARTEと書いてあります。)
また、重要なのが水場の位置です。公園内には動物のために自然・人工を問わず水場が点在しており、動物も水場付近にいることが多い。このため、地図を見ながら水場をたどっていくのが基本的な方針となります。
60NADで購入。
水も購入したのでいざ出発!公園内はいつものダート道なので、少々走りにくい……。
見ての通り枯れ草が点々と生える荒涼とした土地です。こんな所に野生動物がいるのかぁ?と思ったら、さっそくいました。
いつものオリックスです。特に珍しくはない。
そのオリックスの右奥にいるのは、オグロヌー・・・・・・ですかね。ちょっと遠いので分かりにくいですが、牛っぽいシルエットのため分かりやすい。
確かに普通の道路際でみるよりも動物が多いような気がします。
さて、今回のエトーシャでのサファリはいわゆるビッグ5を見つけることを大きな目標としています。ビッグ5とはゾウ・サイ・バッファロー・ヒョウ・ライオンの総称でいずれもサバンナを象徴する大型の動物たちです(水曜どうでしょうで知った)。
「折角エトーシャまで来たなら、ビッグ5は見ないとねぇ~」というような風潮まであるらしい。まぁ、そんなことは気にせずのんびり巡るのもアリですが・・・・・・スタンプラリー的で楽しいし今回はビッグ5を目標として巡ります。
こんな感じで動物を探しつつ最初の水場まで来ました。
すごい動物の数です。うひゃー、シマウマまでいる!
しかし、大量のシマウマよりも遙かにインパクトのある動物もいたのです。
ゾウ。
いきなりサファリの女神は我々に微笑みました。ビッグ5の一角です。
それにしてもデカすぎんだろ・・・・・・。スケールの大きさが違う。幼児の中にボブサップがいるかのような巨大な存在感。ひとたび暴れたらこの車もひとたまりもないでしょう。
日本の動物園でゾウを見たことはありますが、他の動物と一緒に見たのはこれが初です。この群を抜く大きさは恐ろしさすら感じますが、一方で妙になじむ光景でもあります。
10分ほどゾウや他の動物を眺めて出発。遠くから見ても水場に多くの動物がいることが分かります。
東に進むと平原の中にポツンと木が立っていました。
陰の中をよく見るとヌーがぎっしり!それもそのはず、外気温は35℃を超えています。太陽は真上からカンカンに照っており、10分も外にいたら熱中症になりそうです。
この木の向こうにある水場に到着。
みなさんご存じシマウマとスプリングボックが沼地の水を飲んでいます。
その他にめぼしい動物はいないようなので、次の水場へ行きます。ちなみに、次の行き先を決める根拠はありません。素人の勘です。
サファリを巡には普通の観光と違って偶然に運良く動物と会えることを祈ってギャンブルに近い移動を繰り返さなければなりません。このため、かなりの根気が必要となります。RPGでレアドロップを引き当てるのに似ているので私は楽しいですが、、、向かない人もいそう。
20分くらいで到着。さっそく大型の動物がいました。
キリンです。
体がとにかく細い。折れてしまいそうな不安さがありますが、その割には無茶な姿勢をして水を飲んだりしています。
ちなみに、水場奥の灌木林には多くのキリンが佇んでいるようでした。やはりキリン的にも開けた水場は捕食者に見つかりやすい危険地帯なので、あまり出てこないのでしょう。
ただ、危険地帯と言えば、巨体のキリンよりも小さなスプリングボックの方が刈られやすそうな気がします。このスプリングボックは本当に多くて、上の写真にも10頭ほど写っていますし、
道端でもよく見かけます。上野公園の鳩並の数。wikipediaによると数万頭の群れをつくることもあるらしい。
動物によって生存戦略が全然違うことを実感します。
ゾウやキリンを見れてそこそこ満足しながら更に東へ向かってる途中、謎の車列と遭遇しました。
エトーシャ内は個人の車で巡れますが、左前のようなガイド付きの車も存在します。その車が停まっているということは・・・・・・貴重な動物がいるに違いない。
車を路肩に停めて周囲を軽く見るも、何もいない。ですが野生動物は隠れるのが上手いものです。3人がかりでくまなく周囲を観察します。
むむむ、20分ほど探したけれど見つからない……。う~む、どうしたものか。ガイド付きの車がまだ動いていないので、動物はまだ近くにいると思うのですが、ここまで見つからないのは予想外です。
諦めて車のサイドブレーキを解いたその時、友人が「なにかいる」と呟きました。木の根元に何か座っているらしい。
確かに何かいる・・・・・・?
と、思った次の瞬間。その動物がおもむろに動き出してこっちに来た!
うおっ、これはヒョウか!?チーターか!!?
大慌てで撮影。こんなチャンス滅多に無いことは分かっているので、息が詰まる、心臓が止まる……!
ヒョウ(後で調べたら模様的にヒョウだった)はそのまま視界の右に消えていきました。
時間にするとおよそ10秒たらずの出来事。しなやかで美しいながらも重厚感のある歩き方が印象的でした。ゾウがダンプカーなら、こっちはスポーツカー的な感じ。
いや~、しかし至近距離でヒョウを見れるとは思ってもいなかった幸運です。粘ってよかった。これでビッグ5のうち2つを制覇。わずか3時間でこれは大収穫です!
予想外の戦果に満足しながらも時刻は既に午後1時。エトーシャの中央にあり、今日の宿でもあるハラリキャンプ場で昼食を摂ることにしました。
エトーシャ・夜編につづく
harimayatokubei.hatenablog.com
(国立公園内なのでGoogleMapでルート出せませんでした~)