2019年ローマ旅行:パラティーノの丘 ~皇帝の宮殿~
フォロ・ロマーノの南にはパラティーノの丘があります。ローマの七丘で最古であり、帝政期には皇帝の宮殿が立ち並んでいた場所です。フォロ・ロマーノが市民の集会場であるなら、パラティーノの丘は政治の場であったようです。
フォロ・ロマーノと同じ敷地にあるので、ティトゥスの凱旋門を通りそのまま歩いて行けます。その名の通り丘の上にあるので登りが辛い。
豪快なレンガの壁がそこここに残っていますが、神殿とは違い装飾はあまりありません。目に付いたのはこちら。ドムス・アウグスタ―ナにある中庭です。
庭のデザインがハイセンスでいい感じ。歴代の皇帝もここから中庭を眺めていたのでしょう。
この辺りは割と自由に歩き回れるのですが、一部で床が陥没しかかっている場所もあります。赤い大理石を使っており当時の豪華さが伝わるようです。
こちらはスタディオンです。ドミティアヌス帝が作った宮殿内の競技場です。なぜ宮殿内に競技場があるのでしょうか。しかも結構な面積を取ってまで。
ただ小プリニウスによると競技場という名前ですが実際は庭園として使われていたようです。
宮殿の端っこからは細長いくぼ地を望めます。これはキルクス・マクシムス(戦車競技場)です。幸福度+5文化力+1
観客席は今では殆ど残っていません。当時は皇帝の宮殿から競技場とそれを埋め尽くす観客を一望できたことでしょう。
パラティーノの丘からはコロッセオを望むことができます。どっちを向いても重要な遺跡ばかりでここが古代ローマの中心地であったことが実感できます。
本当はもう少しじっくり見たかったのですが、時刻は既に15時。コロッセオの最終入場時間は16時なので向かうとします。
パラティーノの丘を降りてコロッセオ方面に向かうとジョジョで見覚えのある凱旋門が見えてきました。
これはコンスタンティヌスの凱旋門です。コンスタンティヌス帝が政敵のマクセンティウス帝を打ち破った記念として建立しました。
大変大きく立派な建築ですが、実はレリーフの殆どは過去のものです。例えば円形のレリーフはハドリアヌス帝時代のものだと言われています。当時のローマは衰退が始まっており、レリーフを作る職人が不足していたようです。
コンスタンティヌス帝がキリスト教において聖人(亜使途)とされたためか、この凱旋門は中世近世を通じて大きな改変を受けず今に至っています。
さていよいよコロッセオです。側面から見ると1階の天井が最も高く、徐々に低くなっている様子が分かります。
入口がよく分かりませんでしたが、列があったので並んでみました。すると、並んですぐに列が突然解散したではないですか。・・・・・・なんでだろう?
一瞬戸惑いましたが、私はこれでもコミケに10回は参加しています。列が解散した意図を察しました。
まさか……今日はこれで終わり!?!?
係員がイタリア語でなにやら叫んでいますが、どうやらそういう事らしいです。係員に詰め寄る人もいて異様な雰囲気に。それもそのはず、現在は15時15分で最終入場までは45分もあるのです。いくら列が長くとも全員入れるでしょう。
しかし、前述したように月の第1日曜日はフォロ・ロマーノとコロッセオの入場が無料です。今日はそのせいで普段以上の人が入っており、これ以上は危険と判断したとのこと。なんてこった……。
う~~~む、旅行でトラブルはつきものですがまさかこんな事になるとは。ローマ旅行の最後はコロッセオで締めようとしたのですがねぇ。非常に残念ですが、ローマにまた来る理由ができたので良しとしましょうか。
縁石に座ってコロッセオを眺めます。すっきりした青空が恨めしい。ミサンガ売りの黒人(知らない人はググるべし)に絡まれましたが、事情を話すと慰めてくれました。「またローマに来いよ!そして俺のミサンガ買ってくれよな!!」とのこと。いや買わねぇし……。
とまぁこんな感じでローマ旅行は終わりです。しかしローマは本当に凄い都市です。街を歩けば2000年前の遺跡があり、適当な教会に入れば文字通り豪華絢爛な装飾で彩ら手ています。古代からこの都市に投資されてきた金・労働・祈りが結集しており、とにかく濃かった。本気で観光するなら一か月は必要でしょう。コロッセオも行けなかったし必ずまた来ます。
おわり
今回訪れた場所
さて、空港に向かう前に一度宿に戻ってシャワーを浴びてすっきり。一日中歩き回ったのでかなり疲れました。
フィウミチーノ空港までのバスは駅前から出ています。
旅行者が多いのですぐに分かりますね。
バスは各社から10分おきとかで出ているので適当に行っても乗れます。しかし、道路一本挟んだら治安が悪そうな場所になるのでスリやひったくりには要注意の場所です。
無事に空港に着き、搭乗もできました。
さて日本に帰ろう、とはならず次なる目的地は南アフリカです。
この先の旅行は私の同人誌「南部アフリカ縦断 ケープタウン発ヴィクトリア大瀑布行き」にて。ただ次売るのはいつになるか分からないので、こちらのブログでも簡単に記事を挙げていこうと思います。こうご期待。
つづく