トランジットでモスクワ・赤の広場を観光【アエロフロート利用】
アエロフロートでイスタンブールまで飛ぶと、モスクワ→イスタンブールが1日に3便あるので割と自由にモスクワ滞在時間を設定できます。
そこで今回は最長となる20時間トランジットを選択。滞在時間は殆ど夜となりましたが、昼と夜の赤の広場を見れて満足です。
使った便はこちら
東京・成田13:20発→モスクワ・シュレメーチエヴォ17:35着
20時間5分乗り換え
モスクワ・シュレメーチエヴォ14:40発→イスタンブール・アタトゥルク国際 18:25着
モスクワヘ
モスクワ行きSU216は大型機のB777-300ERです。座席配置は3-4-3のよくあるパターン。
成田ー日光ー新潟の上空を通るので序盤は車窓が見事です。これは佐渡島。
機内食は2回出ました。どちらもそこそこの美味さ。
サラダにサーモンが入っているのがGOODです。
窓からはシベリアの大地を包む雲が延々と見えています。地球の自転の方向に飛ぶためず〜っと夕焼けでした。
定刻より30早くモスクワ・シュレメーチェボ空港に着きました。着陸はショックが一切無い完璧。流石はアエロフロート。写真の中央にあるのはモスクワオリンピック時に建てられたFターミナルです。如何にもブレジネフ期の建築って感じですね。
沖どめでした。
おぉお、寒い寒い。とはいえ0℃前後なので予想より暖かいです。トランジットなので荷物を受け取らずあっという間に入国完了。入国審査では「なぜトルコに行くのか?」とだけ質問されました。
空港からモスクワ中心部へ
シュレメーチェボ空港は暗い事で有名でしたが、今は実に普通です。ただ、首都の空港なのに人が少なくて活気を感じません。中国の地方空港のような雰囲気です。
アエロエクスプレスに乗ります。片道500ルーブル。30分に一本あるのでかなり使いやすいです。
40分ほどで地下鉄との接続駅であるベラルースカヤ駅に到着。全体的に薄暗いですが、人通りが多く不安感はありません。
地下鉄でクレムリンがある駅まで行きます。ちなみに地下鉄の切符(55ルーブル)はクレジットカードで買えました。
共産圏の総本山だけあって駅の装飾も重厚感があります。しかし微妙に暗い。
赤の広場(夜)
地下鉄の駅を出ると曇天に光が反射して空が明るくなっていました。この雪国特有の夜空は結構好きです。
駅の目の前には、赤の広場の入口であるヴァスクレセンスキー門があります。赤の広場はクレムリンに隣接しており入場は無料です。日本でいう皇居外苑に近い感じでしょうか。
赤の広場に着きました。右にはクレムリンとロシア大統領官邸が、後方には聖ワシイリイ聖堂が見えます。ちなみに左には特設のスケートリンクがあります。夜の20時ですが観光客も多く警備員もいて概ね安心できる雰囲気です。ロシア人の酔っ払いもいますがwwwww
ここで数々の軍事パレードが実施され、それをレーニン、スターリン、フルシチョフ、ブレジネフその他の最高権力者がそれを眺めていたかと思うと……大変胸熱です。
暗い広場を横切って聖ワシイリイ聖堂の間近に来ました。奇特なデザインでありながら、風景と調和しています。というか、周りの風景がこの聖堂に調和させられている感じすらあります。
ただ、国を代表する聖堂でありながら思ったより小さいです。それもそのはず、この聖堂が完成した1560年のロシアはまだまだ辺境の田舎国家でした。この小さい聖堂を建てるのが精一杯だった国が、激しい紆余曲折を経て世界を二分する超大国になった事が歴史の面白い所です。
近くまで行こうと思ったものの、海外特有の”近いのに横断歩道が無くて渡れない”状況になってしまったので諦めました。悲しい。
21時に近くなり人通りが減ってきたので宿に向かいます。今日の宿は赤の広場から徒歩15分くらいのアルバツカヤ駅近くにある Vinegret Hostelです。
ゲストハウスあるあるの「宿の入口が地味すぎて分からないトラップ」に引っかかりましたが、無事に辿り着きました。1泊1000円ですが至極快適です。冬場は外が静かなのも良いですね。
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赤の広場とその周辺
翌朝も曇りです。実に冬のロシアっぽい。
イスタンブール行きの便の出発が 14時40分であることを考慮すると、13時には空港に着く必要があります。となるとモスクワ中心部は12時には出なければなりません。クレムリンは10時に開くので、2時間くらいしか見れません。
時間制限がある中で見ても楽しめないし、モスクワはまた来ると思うので今回は外から眺めるだけにしました。
まずは救世主ハリストス大聖堂に行きます。最もドームが高い正教会の聖堂なのですが、外見が平凡なせいで知名度はありません。
とはいえ高さ103mは圧巻です。完成は1884年と、聖ワシイリイ聖堂から300年あまり経っており、ロシアという国家の成長が感じられます。ちなみに左下にはスターリン様式のロシア外務省が見えています。
大聖堂に架かる橋からは凍てついたモスクワ川とクレムリンが眺められ、それはそれは見事な景観を成しています。
モスクワ川沿いを歩いて赤の広場まで戻ってきました。昼でも分厚い雲に覆われて陰鬱な雰囲気をしています。イルミネーションがある分夜の方が華やかですね。
さて、前述したように赤の広場は色々なパレードが行われていました。下の写真は1941年、ドイツ軍が60kmに迫り来る中で実施されたパレードの写真です。
当然ですが、全く同じアングルから撮影可能です。
やってる事はアニメの聖地巡礼と変わりませんねwwww
しかし、ここを実在の兵士が歩き、その兵士はそのまま前線に送られた事を考えると、なんとも言えない気持ちになります。
広場の隅っこには聖カザン聖母聖堂があります。形が実に奇抜で、仏教のストゥーパのような感じです。
赤の広場の中では地味な存在で、観光客はあまりいません。中では地元の方が祈りを捧げていました。ちなみに、オリジナルは17世紀の建築ですが、「パレードの邪魔だから」という理由でスターリンによって破壊されています。現在の建物は1993年に再建されたものです。
次はこの写真。ボリショイ劇場前で演説するレーニンです。トロツキーが某グルジア人によって雑コラで消された事でも有名ですね。
これも往時とほぼ同じアングルから撮影可能です。こういう街並みが昔から全然変わらないのはヨーロッパの良いところですね。
この辺りからはロシア連邦下院議事堂が見えます。圧倒的威圧感。ちなみにGoogleMapには名前が表示されていません。
ボリショイ劇場から歩くこと10分、ルビャンカ広場に着きました。このベージュ色の建物が旧KGB本部です。
いやはや、泣く子も黙るKGB本部も単なる観光地になるとは……時の流れとは恐ろしいものです。
ちなみに、壁面にはKGB議長にして第6代ソ連最高指導者ユーリ・アンドロポフ氏の銘板があります。
この辺りは現在もロシアの公安上重要な地点なので警官が沢山いますが、怪しい行動をしなければ大丈夫です。
空港へ戻る
11時半を回ったのでちょっと早いですが空港へ向かいます。
下の写真はマヤコフスカヤ駅です。駅名の由来となったマヤコフスキーは革命詩人で多くのプロパガンダを作成しました。文化人にちなんだ駅だからか、ほかの駅と違って華やかです。
一昔前は地下鉄駅の撮影はできなかったようですが、今は全く問題ありません。
12時にベラルースカヤ駅に到着。次のアエロエクスプレスは12時30分なので、駅前の屋台でケバブを食べます。安くて美味い。
13時10分に空港駅に到着し、13時45分には出発ロビーに着きました。今回の私のパターンでは空港は別段混雑もせずにスムーズに移動できました。
アエロフロートのイスタンブール行きは搭乗率3割以下でガラガラでした。機内食もちょっとしょぼめ。
でもアエロフロートのロゴが入ったお菓子がキュートです。市販してくれれば買うのですが、誰か売っているの知りませんかね?
そうして乗ること3時間あまり。イスタンブールのアタトゥルク国際空港に到着しました。
つづく
今回の出費(2月24・25日)
水 120ルーブル
合計 1663ルーブル(≒2900円)
全てクレジットカード払い。モスクワはクレカの通用度が高いです。
harimayatokubei.hatenablog.com
※今回は実験的に中見出しをつけてみました。