転がる五円玉 ~旅と城と山~

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12月のくじゅう連山・牧ノ戸峠よりピストン

くじゅう連山は九州最北の百名山。「連山」と名がついているように幾つかの火山の集合体で、今回はそのうちの一つである久住山と中岳に登ってきました。

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羽田6時25分発、大分8時15分着で九州入り。大分空港の気温は8℃。九州といえども12月は流石に寒いですね~。事前情報によると雪は積もって無さそうなので秋山装備です。

レンタカーを借りて西に進むこと約二時間。くじゅう連山が良く見える長者原までやってきました。

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山が幾つもポンポンある様子は事前情報通りですね。いかにも火山っぽい感じ。

ちょっと霞みがちなのが残念。眺望はどうなることやら。

 

10時30分に標高1330mの牧ノ戸峠駐車場に到着です。

気温0℃とかなりの寒さですが、駐車場は8割埋まっています。流石は百名山ですね。

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さっさと準備をして10時45分に登山開始。5時間くらいで戻ってこれれば上出来でしょう。

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牧ノ戸~久住山は標高差450mしかありませんが、水平距離が4.5㎞もあります。コースタイムを巻けるかは微妙ですね……私は登りが早いタイプなので。

 

登山口からいきなり150mの登りを経て、沓掛山手前の展望台とやらに到着。

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阿蘇山が思ったよりも近くに見えています。下界はもやがかかっているけど上空はスッキリ晴れて良い感じの雰囲気。

この沓掛山周辺は岩が多く思ったよりも難路です。のんびりした稜線歩きを想像していたので意外。

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岩場を抜けると道幅が広い高原状の道になります。

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しかしまぁ路面がグッチャグッチャでひどいありさま。予想はしていたけれどやっぱり泥濘は萎えますねぇ。

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11時50分に扇ヶ鼻分岐に到着。低木が消えて一気に高山らしい景色になりました。

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右奥に見える山は星生山。修行の山で「法性(ホッショウ)」が転訛してこういう名前になったようです。

 

星生山の麓をのんびり進むと途中から岩場になりました。なんだかこの山は岩→高原→岩→高原と同じような流れが繰り返されますね。

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そしてこの岩場を超えるとくじゅう連山の核心部がドーン!!と見えます。

雲一つない青空。最高ですねぇ~~~!!

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右に見えるのが久住山で左が中岳だと思われます。まだまだ距離は長い……頑張らねば。

12時ちょうどに久住分かれにある久住山避難小屋に到着。久住山核心部の西の入口にあたり、10人ほどの登山客で賑わっています。

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小屋の裏からは硫黄岳三俣岳に囲まれた北千里ヶ浜の大展望が広がります。どっちに向いても火山だらけというかなり珍しい景観を呈しています。「連山」と名が付くだけの事はある。

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3分ほど休憩して出発。久住山までは標高差150m。あと一歩だ。

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いよいよ草木も少なくなってきた岩稜帯を登ります。山頂は近い。

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もうちょい……もうちょい……。

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着いたー!久住山登頂です!

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うおおおお展望スゲー!これは凄い。星生山やその向こうの黒岩山も良く見えています。

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南も凄い展望。遠くに見えるのは同じく百名山の祖母山ですね。f:id:harimayatokubei:20201219003445j:plain

もちろん阿蘇山もバッチリ。もやが濃いせいで雲海のような幻想的な光景です。

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既に12時30分なので昼食のお時間。いやぁ~どっち向いても素晴らしい景色。最高に贅沢な昼食です。

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ちなみに気温はおそらく0℃近いので、岩陰あたりは凍り付いています。次の週あたりには降雪してもおかしくないですね。

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もうちょっとゆっくりしたかったのですが、寒すぎるのと時間が怪しいので20分ほどで出発します。

次に向かうのは九州(本土)最高峰の中岳東千里ヶ浜経由で向かいます。

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久住山の東斜面から中岳東千里ヶ浜稲星山が見えます。夏場は緑が美しい所なのでしょうが、今は茶色のグラデーションが広がるばかりです。

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メインルートから外れたためか道が急にしょぼくなりました。草がいてぇ。

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東千里ヶ浜の入口に到着。ここを南に行くと別の登山口に出れたりします。

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平坦な東千里ヶ浜をテクテク……。草が濃い……。多くの人は久住山で引き返すためか、さっきまでとは打って変わって静かな道のりです。

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13時10分、稲星山との分岐に到着。

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中岳までは標高差100m。一気に登るぜ!

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うーむ、傾斜が結構あって思ったより疲れます。途中にはロープやハシゴが点在するくらいには急。まぁそこまで難しくはありませんがね。

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13時20分、中岳到着。

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西には久住山と御池が見えています。

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ま、それなりに展望は良いのですが……正直久住山からの解放感ある景色に比べたらだいぶしょぼいです。標高はちょっと高い(5m差)けれど山としての格はあちらが上でしょう。

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中岳を降りて西にある天狗ヶ城へ。北斜面なので岩が凍り付いています。

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天狗ヶ城到着。中岳より11m低いだけですが50mほどのアップダウンがありました。このように一つピーク登っては降りてを繰り返すので標高差の割には体力を食います。

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ここから良く見えるのが御池。なんとなく凍っているように見えますね。

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池のほとりまで降りてみました。試しに岩を投げて見るとスーッと滑っていきました。これは結構厚く張ってますね。

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というか、池に点々とある岩は登山者が投げたものでは……?みんな考えることは同じか……。

 

14時ちょうどに久住山避難小屋に戻ってきました。日没まであと3時間なので人が少ないです。私たちも早く帰らねば。

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行きも通った西千里浜です。緩やかな斜面を形成する星生山が美しいですねぇ。久住山の辺りとは全く違う雰囲気。

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と、こんな風に景色は結構良いのですが、足元は最悪です。あまたの登山者が通過したせいで往路より泥濘化に磨きがかかっています。これはひどい。

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西千里浜を超えるとあとは沓掛山を越えるだけなのですが、ここがまぁ長いこと長いこと。

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だらだらと緩い道が2㎞以上も続いて正直飽きます。

 

沓掛山を越えてようやく駐車場が見えてきました。うーん、長かったな……。

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15時11分に駐車場到着。まだ三時すぎなのに陽が既に傾いています。冬ですねぇ。

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この牧ノ戸峠は売店も併設しているので折角だしなにか食べます。

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選ばれたのはブルーベリージュース!なんか匂わせみたいな写真ですが男友達と来ているので全くそういう訳ではない(それはそれで悲しい)。

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大変濃厚な甘酸っぱい味を堪能出来て大変良かったですよ。牧ノ戸に来たら是非どうぞ。

今日の宿は豊後竹田にあるので国道442号で南へ。

 

途中に立ち寄ったスカイパークあざみ野からはくじゅう連山を一望できます。

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あの山々を端から端まで歩いたんですねぇ。うん……いい一日でした。

 

感想

くじゅう連山は九州を代表する百名山であり、火山がボコボコ立地する景色はかなり異様で一見の価値アリです。また、久住山から眺める阿蘇山と祖母山の解放感は素晴らしいの一言。そもそも樹林帯が殆ど無いため終始青空を眺めながらの爽快感あふれる登山でした。

ただ、標高差が無いわりには水平移動が多くダレる区間もあります。登山口は東西南北にあるので(今回は西から)、標高差がゴリゴリある登山口からはまた違った感想を持ったことでしょう。

また、12月なので草木は完全に枯れ果てていました……。これもまた夏場に来れば違った感想を持つと思います。でもめちゃくちゃ暑そうですよね~。実際はどうなんでしょう。

 

おわり

10月下旬・晩秋の大朝日岳へ ~ド派手な紅葉と魅惑の稜線~

大朝日岳は山形県にある標高1780mの山。日本百名山の一角で東北らしいなだらかで雄大な景色が特徴的です。

しかし標高が低いため夏場は死ぬほど暑いことでも有名。そのため今回は10月中旬に登ることにしました。あと一週間もしたら積雪するというギリギリのタイミング。晩秋の秋山はどんな景色を見せてくれるのか楽しみ!

ちなみにメンバーは登山初心者の友人1人と台湾人の登山野郎1人の計3人。日帰りも可能な山ですが、今回は無理せず古寺鉱泉から鳥原小屋泊で登頂することにしました。

 

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茨城から車を走らせること400㎞超。5時間半もかけてようやく登山道入り口である古寺鉱泉に到着です。うーむ、やっぱり東北は遠い!!

でも月山ICを降りてからわずか30分で着いた上に最後まで舗装されていたので運転自体は楽な部類だと思います。平ヶ岳や幌尻岳に比べたら楽勝すぎる。

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古寺鉱泉は古ぼけた一軒宿と聞いていましたが、なんだか立派な建物があります。

これはどうやら大江町朝日連峰古寺案内センターというらしく、今年開業したらしい。いわゆるビジターセンターではなく、宿として営業しているようです。(入口には宿泊者意外入らないようにとの張り紙が)

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大朝日岳は相当山深いので、前泊する人には有用だと思います。まぁ私たちは利用しませんが。

 

13時45分に出発。本日は尾根上にある鳥原小屋まで行きます。

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歩き始めて3分ほどで古寺鉱泉の建物が見えてきました。人の気配が無い……後で調べたら昨年まで営業していたようです。

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この古寺鉱泉で古寺山方面と鳥原山方面に分岐します。今回はもちろん鳥原山方面へ。

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大変地味な登りが続きます。

ゴリゴリ登って15時に畑場峰に到着。コースタイム9割なので普段より大分遅いですねぇ。まぁ時間はまだあるのでいいのですが。

 

15時20分に田代清水に到着。時期が時期なので水はチョロチョロとしか出ていません。微妙に水分補給します。

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この辺りから小朝日岳の姿がチラチラ見え始めました。紅葉が額縁のようで美しい。

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前方には目指すべき鳥原山も見えています。

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だんだん標高が上がってきて紅葉が映えてきました。

緑色の下草と黄色の樹木のコントラストが実に美しい。

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のんびり登りつつ16時10分、鳥原山下の湿原に到着。

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草紅葉は終わりかけですが……まだまだ美しい。この冬に入る直前の山というのは独特の美しさがありますよね。

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青空ならさぞかし映えたでしょう。曇り空が残念です。

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湿原の南西にある鳥居をくぐってから少々登ると……

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鳥原小屋がいきなり目の前に現れます。地図上では湿原のすぐ近くにあるような感じでしたが、実際には5分ほど歩きました。

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おお……思ったより立派でデカい。流石に管理人がいる小屋は違うなぁ。

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脇には神社の建物もあります。「霊山朝日嶽神社」・・・?薄くて読めないww。取り合えず手を合わせてお参りしておきます。

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なんと水洗トイレも完備。結構山深い所にあるのにこれは凄い。

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さてさて、小屋の中に入ってみましょう。私たちの他に先客はいるかな~??

ん……?

これは……?

(下の写真2人は友人)

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うおっ、だ、誰もいねぇ!!!!まさかの貸切!

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あれ、管理人さんがいると聞いていたのですが……。どうやら先週で下山してしまったようですね。

眺望はあまり無いし夕食にもまだ早いので寝袋に入ってゴロゴロします。暇つぶしにアニメ鑑賞会。

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17時になると外は夕暮れの様相を呈してきました。

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山頂方面がよく燃えています。明日は良い天気になりそう!

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ちなみにこの時の外は気温0℃近くでめちゃくちゃ寒いです。室内も2~3℃程度なのでとても暖かいとは言えないですね。

陽も沈んだしアルミ台の上で夕食の準備。

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まぁ夕食とは言ってもカップ麺です。それでも冷たいコンビニおにぎりよりは大分マシ。何と言っても外も室内も寒すぎる。ちょっとでも元気を出さねば。

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温かいカップ麺を食べて外の水道で歯磨きをして21時には就寝しました。割とギリギリの寒さなので寝袋に色々服を詰めておきます。カイロ持って来ればよかった……。 

 

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朝4時に起床……。うーん、寒すぎる。浅い眠りに終始した気がします。もう少し寒かったら眠れなかったかもしれない。

外に出て見ると満点の星空。凍てついた空気の向こうに冬の大三角が見えています。

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あ~綺麗だ……。と思う間も体の震えが止まりません!!

 

朝飯用のあんぱんをサッサと食べて4時20分に出発。

小屋を出てからもしばらくは真っ暗。鳥原山あたりからうっすら空が明るくなってきました。

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その後も小朝日岳を目指して尾根を上り下りが続きます。

 

徐々に徐々に空が明るくなり木々の紅葉も見え始めました。

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ゆっくりと一日が始まるこの時間を堪能できるのは小屋泊の特権ですね。

向こうの山肌が赤い。朝焼けか紅葉か……それとも両方?

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美しい景色が続きますが、この辺りは鎖場も多く結構体力を使います。

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小朝日岳に向けて最後の鎖場を登ります。朝日が眩しい!!

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ようやく6時20分に小朝日岳到着しました。意外と疲れた……。

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小朝日岳の山頂からは大朝日岳がドーン!!いやぁ~~とにかく素晴らしい!

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穏やかな海の波のような実に雄大な山容です。

ちょっと拡大すると右の尾根に大朝日小屋があるのが分かりますね。昨晩のあっちの小屋はたいそう混んだのだろうなぁ。

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反対側には月山が見えています。

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ちなみに小朝日岳の三角点には修学旅行で小学生が買いそうな剣が置いてありました。なぜw?

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20分ほど休憩して出発します。

 

まずは小朝日岳を下るのですが、結構な傾斜。100mほど一気に下って巻き道との分岐点に到着。

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さらにそこから100mほど下って熊越という鞍部に到着しました。

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この辺りはダケカンバが多く白い枝と青い空のコントラストが美しい。スッキリとした青空は晩秋特有のものです。晩秋の山の青空は独特の趣があるので一年の空で最も好きです。

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鞍部から100mほど登ると樹林帯を抜けて稜線に到達しました。

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この辺りが素晴らしいのなんの。緩やかな稜線の向こうに大朝日岳が見えます。

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実に東北らしい楽園のような稜線。これだから東北の山は良い……。

7時40分に銀玉泉との分岐に到着。

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泉自体は登山道のすぐ下にありました。稜線の上にあるのに昨日見た田代清水よりも水量が多いですね。

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それに心なしか美味い。多くの人が汲みに来るのも納得です。

さて、銀玉泉を過ぎると若干の登りがあります。

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ここを登りきると大朝日小屋は目の前。随分と歩いてきました。

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8時ちょうどに大朝日小屋到着。小屋の前では管理人(?)が掃除をしていました。もしかしたら今週が今季最後の駐在だったのかもしれませんね。

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小屋から山頂までは本当にあと少しなので休憩はせず登ります。

流石に標高1800mを超えたので道や岩が凍っています。でもアイゼンなどは必要なし。

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最後の気合で100m登りきると……山頂が見えてきました。

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8時20分、遂に大朝日岳(標高1870m)登頂!

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山頂はほどほどの広さがあり10人くらいなら余裕で休憩できそうです。ここで朝食兼昼食を食べます。風がちょっと吹いているけれど辛いほどではありません。

 

この大朝日岳は周囲から抜きんでた峰なので眺望はすこぶる良いです。

正面には雲海に包まれた山形盆地。

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右を見るとこれまで歩いてきた道にそっくりな平岩山~祝瓶山に続く稜線も見えます。

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手前のちょっととんがった山が東北のマッターホルンこと祝瓶山で、奥に見えるのが飯豊山地でしょう。流石にどれが飯豊山かは分からず。

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後ろの大朝日小屋方面を見るとこの通り。実に、実に雄大。本当に山奥まで来たことを実感します。

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山頂からの展望で個人的に好みなのが袖朝日岳方面の稜線です。大朝日らしくないゴツゴツとした迫力があります。

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拡大するとこの通り。山裾から紅葉している様子も美しい。

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山頂からの景色を眺めながら昼食を食べている1時間近くも経っていました。なんだか曇り気味になってきたし、そろそろ帰らないとまずいので9時30分に下山開始します。

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この辺りは鎖場も無いのでヒョイヒョイ余裕で下ります。

大朝日小屋付近から小朝日岳までの稜線です。こうして見ると小朝日岳がポッコリ出ているのがよく分かりますね。

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稜線の東にある谷を延々歩くと朝日鉱泉に辿り着きます。あっちからのコースはより深く朝日岳を楽しめるらしいのですが……ちょっと長すぎるかも。

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小朝日岳の下に着きました。紅葉が実に素晴らしいのですが、太陽が陰ってしまいあまり映えていません。

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しかし5分ほど待っていると雲が徐々に晴れてきました。

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よしっ!このまま晴れろ!晴れろ!!

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よっしゃー!晴れた!!

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ヤバい。美しすぎる……。8Kテレビのデモ映像のような繊細かつ艶やかな美しさです。

ここの紅葉は本当に凄い。間違いなく今年のベストオブ紅葉でした。

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帰りは鳥原山ではなく古寺山方面から下山します。もう一度小朝日岳に登頂しても古寺山には行けるのですが、200mも登るのは辛いので巻き道を使います。

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が、この巻き道が中々曲者でした。細かいアップダウンが多く歩きにくい。

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脇から見える古寺山の眺望が慰めになります。紅葉真っ盛りで美しいですね。

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10時半に巻き道の終点に到着しました。結構疲れました。それに小朝日岳の山頂が思ったより近くにあるので、巻き道を使わなくてもよかったかもしれません。眺望の分損した気分。

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古寺山はまだ先です。既に行動を初めて6時間経過しており疲労感が少々出てきました。

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微妙なアップダウンのある稜線を歩きます。中々趣があって良い。

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10時45分に古寺山に到着。

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ここからも大朝日岳の景色が素晴らしい。左から大朝日岳・西朝日岳・竜門岳です。

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5、6人は滞在できるスペースがあるので15分ほど休憩。

ここから先は樹林帯になるので大朝日岳ともお別れです。

名残惜しいけれど11時に出発。

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初めは稜線でしたがすぐに樹林帯になりました。

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地味な雰囲気ですが、紅葉が目に痛いほど鮮やかです。

おそらくあと数日で散ってしまうであろう紅葉の下、黙々と下山します。

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すれ違う人もおらずとても静か。晴れ晴れとした華やかな稜線も良いのですが、地味な山道もそれなりの魅力があります(でもすぐに飽きる)。

 

11時にハナヌキ峰分岐に到着。古寺鉱泉は右ですね。

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標高が下がってきたからか木々にも緑が増えてきました。

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11時30分に最後の水場である一服清水を通過。気温が低いせいで水には終始余裕があった登山でした。

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水場の周りだけ草が生き生きしてて、なんというか生命のパワーを感じます(適当)。

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樹林帯の道をひたすら、ひたすら、下山。ここの辺りは特に長い!

大朝日~小朝日の稜線よりも長いのに展望が無いのは堪えます。紅葉も無いしひたすら地味。

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いい加減飽き飽きした辺りで尾根線を離れて一気に下り始めました。ようやく終わりか!?

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おおっ、沢だ!という事はゴールは近い!

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12時20分、古寺鉱泉に到着。いやはや長かった……。

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澄んだ水を湛える古寺川を尻目に駐車場まで歩きます。

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おおっ、やっとゴールだ。でもここで転んで左に落ちたりすると下手したら死ぬので最後まで慎重に……。

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12時30分、古寺案内センターに到着しました。

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昨日出発してからちょうど24時間。久々に長い登山となりましたね。

駐車場は昨日より多くの車が止まっていました。ナンバーを見ると半分東北半分関東という感じ。ちなみに今回は宿に泊まっていないためGOTOは利用していません。

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荷物を置いたらすぐに出発。今から車を走らせても茨城に着くのは午後6時過ぎです。やはり山形の山は遠い。

結局途中の大井沢温泉でひとっ風呂浴びてから帰ったので茨城・つくばに着いたのは夜8時でした。土曜の早朝に出て帰ったのは日曜の夜。久々に土日を目いっぱい使った山行でした。

 

感想

大朝日岳は山形を代表する名山です。蔵王や鳥海山に比べると地味な印象もありますが、その雄大な稜線は一見の価値あり。特に大朝日岳からは4方向に稜線が伸びており山としての懐の深さを存分に感じられます。今回は最短ルートである古寺鉱泉からのアタックでしたが、以東岳方面から来るとこの山域の魅力をこれでもかと味わえることでしょう。まぁその分時間も距離も長いですが。

10月中旬という秋山としてはほぼ終わりの時期でしたが、好天に恵まれ中腹では大変素晴らしい紅葉にも巡り合えました。やっぱり東北の山は夏より秋ですね~。この時期特有の少々寂しいような雰囲気はどうにもクセになります。

全体的に危険個所はありませんが、歩く距離は結構あるのでそれなりの体力は必要でした。

個人的にはちょっと体力の衰えを実感しました。こりゃ意識的に鍛えないとだめかな~??

 

おわり