10月上旬 富士山登山 ~富士宮五合目から宝永山経由で
日時:10月5日
CT:富士宮五合目6時50分<->7時5分六合目<->7時40分新七合目<->8時30分八合目<->9時10分九合目<->10時10分浅間大社奥宮(富士宮口山頂)<->10時30分日本最高点剣ヶ峰11時<->11時15分御殿場口山頂<->12時10分砂走館<->12時40分宝永山<->13時45分富士宮五合目
富士登山の前に……静岡エコパスタジアムでラグビーW杯南アフリカ対イタリア戦を観てきました。
ラグビーの生試合はどないなもんじゃい!と鷹揚に観戦していたのですが、これがまた凄い。50mくらい離れているのに男たちがぶつかる音が聞こえてきます。迫力が半端ない。
結果的には自力で勝る南アフリカが圧勝。いやはや良い経験になりました。
夕食は静岡名物さわやかです。御殿場インター店じゃないので10分くらい待ったら席につけました。
ハンバーグを平らげたら東に車を進めて駿河健康ランドで仮眠。午前4時半に起床していざ出発。
富士宮のセブンから至るべき山頂を眺めます。最高の天気。最高の予感しかしない。
富士山スカイラインをもりもり走って午前6時に富士宮五合目駐車場に到着。うおお……駐車場なのに眺望が凄い。
標高が2380mなので既に金峰山山頂とほぼ同じ高さです。見上げると雲一つない青空と山頂付近が見えます。
今回の標準CTが登り5時間40分、下り3時間15分(宝永山経由)です。意外と余裕かもしれないですね。しかし標高差は圧巻の1500m超です。空気の薄さも相まって油断は禁物。
6時に着いたのですが高度順応を兼ねてゆっくり朝食タイム。ちょっとばかりダラダラして6時50分に出発です。
初めは階段もあるような道をのんびり登ります。7時5分に六合目雲海荘に到着。10月なのですが営業していました。ここまでは観光客も結構来るからでしょう。
富士宮口から山頂までは山小屋が七つもあるので安全!かとおもいきや、それは夏の話。既に六合目以外全ての山小屋が閉まっています。閉山した富士山は登山に慣れた人間しか来れない世界なのです。
しかも六合目から先の登山口には「通行禁止!」とのデカい看板まであります。これにはちょっとビビりましたが、脇を通って先へ進みます。
完璧な青空の元で快調に歩みを進めて7時40分に新七合目の御来光山荘に到着。
ご覧の通り多くの登山者がいます。天気も良いので危険な雰囲気は全くありません。
この先は礫ばっかりの坂道をひたすら進みます。非常に単調ですが、景色が良いので飽きません。
だんだん傾斜がきつくなり岩も多くなりました。結構ゴツゴツしているので登山靴じゃないと厳しい。
この富士宮コースは山頂までの最短コースなのですが、そのために傾斜がきついのです。息を整えて慎重に登っていきます。
8時30分に八合目の池田館に到着。ここの標高は3220mです。既に国内2位の北岳よりも高い。
五合目からは見えなかった箱根もばっりち見えています。
伊豆半島の先には伊豆諸島の島々が。おそらく三宅島あたりまで見えていますね。
下を見下ろすとこの通り。登山口から今まで通った道が全部見えるのは富士山ならではです。
見上げると山頂らしき小屋が見えています。
登りは既に半分超えました。ここがふんばり所です。
ここから先にも通行止の看板はありますが、特に通行止にはなっていません。まぁ本当に工事している期間もあるのでしょう。
少し登ったあたりに鳥居が立っています。
ここからは本格的に傾斜がきつくなります。そして標高も3000mを超えて息がしんどい。
頭痛などはないのですが、普段の8割くらいの速度でも息が上がります。そして、息が落ち着くまでの時間が普段の1.3倍くらいになっています。
見上げると九合目がすぐそこに見えます。う~む、辛いな!!
9時10分に九合目萬年雪山荘に到着。なんだかんだコースタイム6割はキープできています。腹が減ったので5分ほど休憩。
さぁ、道に鳥居が現れました。いよいよ富士山の核心部に突入です。
もはや登山道は岩だらけの斜面にロープが設置してあるだけです。下山中に転んだらエラいことになりそう。
9時40分に九合五勺の胸突山荘到着。ここに来ると名前の意味がよく分かります。とにかく息が辛い。
山頂まであと200mちょい。最期の踏ん張りどころ。空気が薄い状態にも慣れてきたので一定のペースでじりじり登ります。
お鉢直下の最後の急登。ここが一番辛かった。もうすぐなので多少息が乱れようと、とにかく気合で登ります。
遥か上に見えていた建物と鳥居が間近に見えます。もうちょい!!
そして遂に10時10分、富士宮コースの頂点である浅間大社奥宮に到着しました……。
ゼイゼイ……息が……息が荒い……。鼓動が早い!全力疾走した後みたいです。3分ほど休憩しているとようやく落ち着きました。
ここには浅間大社奥宮もありますが、当然閉まっています。
さて、神社の裏からは日本最高点の剣ヶ峰が見えています。ここから先はお鉢の縁を淡々と歩くのみ。日本最高の散歩道です。
火口が凄い。直径が1㎞近くもあるので想像よりも大きく迫力があります。
こうして見ると今にも崩れ落ちそうな場所に測候所が立っていることが分かります。あんな場所で100年近くもよく立っているものです。
ん〜しかし、この辺りを歩いているとふわふわした感じになってきます。他の山だと大地をふみしめてる感があるのですが、富士山のお鉢はビルの屋上のような隔絶された浮遊感です。DQ4の天空城っぽい感じ。
おそらく単調で景色の良かった登りから急に平坦で火口しか見えない景色になったからでしょう。他の山では徐々に景色が変わっていく所ですが富士山は一気に変化しました。この独特な雰囲気は癖になりそう。
そんな感じでふわふわ歩いているといつの間にか剣ヶ峰直下に着きました。白装束の行者が降りています。あの服装で登るのは大変そうだ……。
そして遂に10時30分、日本最高点剣ヶ峰到着!五合目から3時間40分でした。
南には今まで歩いてきたお鉢と山小屋、そして相模湾が見えています。三浦半島や伊豆大島まで見える絶好のコンディション!
うっすらと横浜も見えています。
測候所がじゃまで西側の展望が無いのですが、せっかくなので脇まで行って撮影。本栖湖や南アルプスが見えています。
ちなみに下の写真にある岩の先っちょが本当の日本最高点だったりします。折れそう。
流石に結構疲れたので測候所に身を寄せるようにして昼食休憩をとります。測候所がいい風避けになってる。
さて……山頂に着いて40分ほど経ったので下山開始。時刻は11時。
11時15分に御殿場口に着きました。ここから宝永山経由で下山します。
御殿場口と言えば砂走り!なのですが、残念ながら宝永山に行くとほんのちょっぴりしか体験できません。
さて御殿場口下山道を下ります。相川らず凄まじい高度感です。なるほど確かに雪山の富士山で転んだらノンストップで下まで行ってしまうでしょう。怖すぎる。
見ての通りジグザグに下っていきます。砂が微妙に滑るので歩きにくい!
12時に赤岩八号館到着。標高は3400mです。
いやはや大分下ってきました。
続いて12時15分に砂走館到着。砂だらけの斜面に建っているのがよく分かります。
そして砂走館から少し進むと……いよいよ始まりました。砂走です。
砂の上をジャンプするようにザックザックと進みます。速い!速い!本気で降りると時速30㎞くらいは出ているように思います。傾斜も結構あるのでそれくらいは出る。
しかし砂走とはいえ岩も結構あるので転んだら大怪我は必至でしょう。慎重に、しかし速度を上げて降りていきます。
10分ほど走ると宝永山への分岐に差し掛かりました。標高差200mをわずか10分で下った計算になります。ここで左に行くと御殿場口駐車場に行ってしまうので、右にそれます。
伊豆半島をバックに宝永山が見えてきました。
宝永山は本当に砂山なので山頂がどこかも明瞭ではない感じです。12時40分宝永山到着。
方位盤もこの通り。おそらく年々崩れているのでしょう。
宝永山からは宝永火口と山頂の豪快な姿を見れます。かなり凄いので一見の価値あり。
さて下山開始。砂混じりなので登りは大変そうです。山頂までは行かないけど宝永山まで登る人がかなり多い。ぶつからないよう注意して下ります。
宝永第一火口まで降りました。こうしてみると宝永山の南側は岩崖になっている事がよく分かります。標高2500mを切ったので植物も徐々に出てきました。
火口の縁はこのように土壌流出しています。そう遠くない将来に今の道も通れなくなるのでしょう。
緑豊かな登山道を進みます。ここまで来たらほぼゴール。空気も濃くなっているのでのんびり歩きます。
そして13時45分に富士宮五合目到着!歩き始めから7時間くらいで帰ってこれました。
若干雲が出てきたので山頂は見えません。非常にいいタイミングで登れたと思います。
靴に入った砂を落として下界へ戻ります。時間も早いので大和T渋滞もなくあっさりと帰れました。
まとめ
富士山は登りばっかりでつまらん、というのが登山者の間では通説です。確かに鎖場も無く単調な登りが続くので歩きという面ではつまらなかった。
しかし、眺望があまりにも圧倒的でした。北アルプスから三宅島まで見える眺望は正に日本一にふさわしいものです。また、山頂周辺の岩の造形や宝永山からの巨大で豪快な姿は一見の価値ありです。
さらにお鉢のふわふわとした高度感は他の山では得難い感覚でした。羊蹄山も似たような感じでしたがスケールが違いすぎる。
ただ、これらの良いポイントは晴れていたからです。曇り雨での富士登山は本当につまらんのでしょう。天気を見極めるのが富士登山のコツかもしれません。
おわり