1泊2日中央アルプス縦走 2日目:長い!長いぞ中央アルプス!!
朝4時30分に起床。
外を見ると……濃霧&強風!なんてこった、、、ロープウェイでエスケープかも?と覚悟しつつ準備をします。
5時15分。小屋の前で日の出を待っていると、徐々に空が白んできました。これは来るか?来るのか??
きたあああああああああ!!太陽が雲を吹き飛ばしてくれました!快晴です!
つい10分前までガスガスだったとは思えないほどのド快晴。これはもう行くしかないでしょう。中央アルプス縦走の開始です!
5時30分から行動開始。早速、宝剣岳に向かいます。地図では破線になっている難ルートで最初から緊張感が高まる。
うおお、ゴリゴリの岩場だ。長いし、高度感もそこそこあります。ただ、掴む場所は多いので難易度は高くなさそう。
スイスイ岩場を登っていると、宝剣岳山頂に着きました。えっ、もう到着!?山荘から10分も経っていません。案外あっけないな。
頂上からは今日歩く稜線が見渡せます。こうして見ると空木岳はものすごく遠いですね……。不安になってきたぞ。
正面には千畳敷カールと南アルプス全山、そして富士山も見えています。この光景だけでも今日登った甲斐があった。素晴らしい!
時間が惜しいので先を急ぎます。宝剣岳の南側もゴリゴリの岩場で、特に左右が崖のナイフリッジは高度感もあり緊張しました。
が、全体的には下りやすく20分ほどで三ノ沢分岐に到着。予想よりちょろかったですが、北アルプスと違って初心者も来やすい場所なので注意喚起で破線になっているのでしょう。
振り返ると宝剣岳が見えます。日陰側が急斜面になっていることがよく分かります。これは落ちたら助からない。
休憩もそこそこに出発(午前6時)。遥か遠くの空木岳を眺めながらの淡々とした歩行です。
8月下旬なので気温は結構高いものの、風が強めなので割と涼しいです。恐怖を感じるほどの風速ではないのでありがたい限り。
8時ちょうどに檜尾山に着きました。サラッと書いていますが途中で200m近い登り返しが2回あったせいで割と達成感あります。このコースはガッツリ目の登り返しが連続するので辛い……。
西側には檜尾避難小屋と南アルプスが見えています。本当に天気良い日です。来て良かった。
南には目指すべき空木岳が見えていますが、手前の稜線のアップダウンを見てゲンナリ。まぁここまで来たら行くしかない。
奥の山に雲がかかってるのが気になる。急がねば。
道中の稜線には穏やかではない箇所も結構あります。熊沢岳手前の岩場は結構な高さでした。
しかも登山道が全体的に怪しい。幌尻岳ほどではありませんが、ハイマツに隠れ気味で歩きにくいです。
10時20分、檜尾山から2時間ジャストで東川岳に到着しました。コースタイムは3時間20分なので6割ちょうどです。
カンカン照りですが、風のおかげで体力の消耗は少なく抑えられています。本当に風の冷却効果に助けられている。
この東川岳からは谷越に空木岳を望みます。すごい迫力。道中からだと稜線の向こうの大きな山、くらいにしか見えませんでしたが、ここからは圧倒的な貫禄があります。
これぞまさに百名山という姿を目の当たりにしてテンションアップ。まずは木曽殿山荘まで200mほど急斜面を降ります。
10時45分、木曽殿山荘に到着。空木岳までの道中では唯一の有人山小屋です。
風が吹き抜けて超涼しい。トイレをして出発。
さぁここからは最後の登り。350mを登り切れば空木岳山頂です。
しかし風が強くなってきた。南風なので南に進んでいる間は気にならなかったのですが、この稜線は東向きなので横から強風が当たります。更に風下は崖です。危険箇所はないものの精神が休まらない時間が続きます。
急斜面を登り切っても山頂はまだ。
うーむ、岩場が結構ガッツリしてるぞ。高度感もそこそこあるし、難易度も高めです。宝剣岳に匹敵するかも。空木岳に岩場の印象は無かったので驚きです。
が、ここを越えれば流石にもう近い。11時45分、空木岳登頂しました。
見よ、この快晴を!空木岳の名に相応しい空を!
来て良かった~~~~!!かなり疲れていますが、この景色を見たら疲れも吹き飛びます。北には歩いてきた中央アルプスを一望できるし、
東には伊那谷と南アルプスが一望できます。この爽快感あふれる大展望は流石の一言。日本百名山に相応しい光景です。
いや~、、、感動した。さて、昼飯でも食べようかな、と思ったのですが山頂は意外と座れそうな岩が少ない。風も強くて落ち着かないのでちょっと下の駒峰ヒュッテまで降ります。
100mほどの距離なのですぐに到着。小さめですが、非常に眺めの良さそうな小屋です。
しかも、ここのベンチが凄い。崖に張り出すようになっており中央アルプスを一望できます。下が崖なので高度感だけなら空木岳山頂よりあるかも!?
しかも風が強い!谷から猛烈な勢いで風が吹きあがってきます。風を避けるために来たのに泣。でも景色は良いのでゴミが飛ばないよう注意しながら昼食を食べました。
13時ちょうどに駒峰ヒュッテ出発。あとはもう下るだけですが、この下りが長いのです。標高差は2000m、距離は10㎞。文字だけでも恐ろしいほどの下りです。しかも殆ど樹林帯らしい。覚悟を決めて歩き出します。
小屋からすぐの駒石あたりまでは爽快な稜線歩きです。
が、標高2600mあたりからハイマツに吞まれはじめた。木曾駒ケ岳ともこれでお別れです。
始まったぞ……長い長い樹林帯が。
14時に迷い尾根到着。まだ400mしか下ってないだと……!?
しかもここからが大変だった。鎖場やナイフリッジ、滑ったら終わりのトラバース道などの難路が連発します。樹林帯だから地味ですが、結構な危険路です。
そんな難路も越えて15時にマセナギ到着。まだまだ標高2000mですが、気温は高くなっておりしんどさが増してきました。
上を眺めると爽やかな天気なのですがね、、、
黙々と歩いて16時にタカウチ場到着。辛い……もう無だ。無。無で歩かなきゃやってられない。
16時15分に林道終点に到着。まだ400m近く下りがありますが、足が限界に近い。
単に疲れただけでなく足が痛すぎて激痛になっています。一歩ごとにうめき声が出る始末。最後は急坂なのも痛みに拍車をかけます。
そして17時ちょうど、遂に駐車場に着きました。
おっ、、、、おっほぉ……。疲れたし、足いってぇ……。これはマジできつい。
体力的には余力あるのですが、足がおそろしく痛い。合計3000m近い下りで足が完全にイカれました。怪我をしてない事だけが幸いです。
車に乗って恒例の温泉へ。近くのこぶしの湯に行ったのですが、キャンプ場の客で場内満員!シャワーすら待つ状況に驚きました。あんまりコロナは気にしない方ですが、これはそういうレベルではなく不快です。
それでもなんだかんだ言って温泉に浸かれば足の痛みも取れました。帰りは高速を使って22時に京都着。いやはや、疲れた1日だった。
感想
非常に歩きごたえのある縦走でした。稜線部は常に展望もあって爽快だし岩場も緩急があり飽きなかったのですが、下山路が長いこと長いこと。展望が開けるところが一か所も無いのはメンタルにきました。
空木岳は地味100名山の印象でしたがとんでもない。東川岳からの天を突くような山容はまさしく100名山に相応しい貫禄でした。眺望も文句無しです。南アルプスの向こうから頭を覗かせる富士山の姿は、朝陽が登るかのような清々しい光景でした。
おわり
1泊2日中央アルプス縦走 宝剣山荘泊 1日目:木曾駒ケ岳へのんびり登山
2021年の8月下旬に1泊で中央アルプスの2座を縦走してきました!
本当は距離的に檜尾小屋に泊まりたかったけど、極狭の避難小屋なので駒ヶ根に近い宝剣小屋泊としました。
(2022年からはちょうど真ん中に檜尾小屋がリニューアルオープンしています。これまでは無人だったようですが、友人になり予約も必須になったらしい。2021年にあったら間違いなく使ってたな~)
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初日はロープウェイで登って木曾駒ケ岳まで歩くだけなので、登山にしてはめちゃくちゃ遅い11時集合です。
良く晴れた8月の土日なのでバスは案の定激混み!11時でこれだから朝はどれほど並んでいたのか、恐ろしいほどです。
30分ほどバスに乗ってからロープウェイに乗り換え。車内はこの通り満員で外を見る余裕なし。
千畳敷が近くなるとガスが出てきて車内には不穏な空気が漂いましたが……
着くとこの通り!うおー最高の天気だ!!
殆ど歩かずこの景色を見れるのは素晴らしい。でも、思ったほどのスケール感は無いですね。小ぢんまりとしている印象。
一気に標高2600mまで上げたので、高度順応がてら昼食。うーむ、結構暑い……。下界は35℃だそうです。
昼食を食べたので12時半頃に出発。乗越浄土まで登ります。標高差200mちょいなのであっという間ですね。
途中で振り向くとこの景色。千畳敷のラインで雲が消えており幻想的。
乗越浄土に到着。目の前に見える山が木曾駒ケ岳と思いきや、手前に見えてる中岳の向こうのようです。
その中岳に行くと木曾駒ケ岳が見えてきました。なんというか、思ったよりも貫禄が無いな。
登山道をゆるゆると登って14時ちょうどに木曾駒ケ岳到着。ロープウェイ降りてすぐの印象でしたが、意外と歩きました。
山頂からは中央アルプスが一望できます。宝剣岳がかっこいい。おそらく雲の向こうには明日目指す空木岳があるのでしょう。
南アルプスは雲に隠れている様子。まぁこれはこれで夏山っぽくいい景色です。
時間はたっぷりあるので山頂で1時間ほど休憩して宝剣山荘まで戻ります。帰りは中岳の巻き道を選択。地図では破線ですが、特に危険個所はなさそうでした。
宝剣山荘で受付をしたものの、私たちが案内された別館にはまだ入れないとのこと。どうやら入口にヘリが荷揚げでやってくるようです。
15時に受付をして、中に入れたのは結局16時半頃……。1時間半も外で待たされるとはなぁ。荷揚げの合間に中に入れてくれてもよかったと思うのですが。
山荘に入って休憩していると18時近くになっていました。天気もよさそうなので近くの中岳まで夕陽を見に行ってみます。
おっ、おお………これは中々いいじゃないか。
雲の向こうに御嶽山が見えている壮大な景色。
後ろには中央アルプスが見えています。こちらも美しい。
日没までただただ夕陽を眺めていました。木曾駒ケ岳の山頂には結構人がいるようですが、中岳は5人くらいしかおらず静かです。
18時30分、日没。ほかの皆さんは陽が沈んだらそそくさと戻っていきましたが、個人的には日没後15分くらいが一番空が綺麗だと思うのですよね。
黄昏時をじっくり堪能。
10分もすると本格的に暗くなってきたし寒いので山荘に戻ります。
宝剣山荘は微妙に電波が入らなくて暇なので20時には就寝。
明日のコースタイムは15時間と非常に長丁場です。天気が悪かったらロープウェイで下ってもいいな~と思いつつ寝ました。
つづく
harimayatokubei.hatenablog.com