小笠原旅行 その7 ~満天の星空でネオワイズ彗星と天の川を知る(と、ちょっとだけシュノーケリング)~
中央山まで結構遠かったような気もしましたが、10分くらいで大村に戻ってこれました。
今回はサクッと食べたいので中華料理「海遊」さんへ。
表ののぼりに「たんめん」と書かれていたのでたんめんを注文。800円。
味は普通においしい。ちょっとホッとする雰囲気の食堂でした。
さて、シュノーケルセットを借りれる場所を探します。まあどこかにはあると思います。
15分ほどで見つけました。黄色いハイビスカスが咲くパパヤマリンリゾートさんでシュノーケルセットをレンタル。24時間で2000円でした。
宿に戻って水着に着替えて準備完了。まずは道路で行ける最南端のビーチである小港海岸に行ってみます。
大村から10分ほどで駐車場に到着。この辺りは深い谷になっており、離島というよりは山奥っぽい所です。
ここから遊歩道を600mほど歩いたら海岸です。
左を流れる川は父島最大の八瀬川。ちょっと濁っていてあまり綺麗ではなさそうです。
んー、600mあるので地味に長いなぁ、と思ったら到着しました。終点には村営バス用のロータリーがあります。
ロータリーの奥を抜けるとようやく小港海岸に到着。
おお、広い。
ゆるい弧を描く父島随一のビーチです。遠浅で子供連れにも人気らしい。
まぁそんなことはともかく荷物を置いて水着になってサッサと海に入ります。もう我慢ならん……。とにかく暑い。白い砂浜は太陽に熱されてアチアチなのです。
シュノーケルセットをつけて海に入りましたが、ん~あったけぇ~。遠浅だからか水がものすごく暖かいです。ぬるい風呂並みですねこれは。
シュノーケルして海の中を見ても見えるのは砂ばかり。おがさわら丸で配っていたパンフレットによると、小港海岸は砂が多くサンゴ礁はほぼ無いとのことでした。ナンテコッタイ!
そういう訳で30分ほど適当に泳いでから出ました。
不完全燃焼気味なので、午前中も行った宮之浜に行ってみます。
ダメもとで潜ってみると……うおっ、こっちはすごい。色とりどりのサンゴが海底に敷き詰められており、その間に熱帯魚が何匹もいます。水中カメラ持っておけば良かった……!!
下記ブログさんの記事で海中の写真を見れます。
ここは水深も1m程度とごく浅いため初心者にもやさしいですね。むしろ浅すぎてサンゴを蹴ってしまわないか心配になるレベル。
1時間ほど泳いでかなり満足しました。ふぃ~。普段は海より山派ですが、ここまで美しい海を見ると海派になりそうです。いや、むしろ一時的に海派になってもいい……。
宿に一旦戻って普段着に着替えてからちょっと休憩。17時半ころに宿を出て夕陽を見にウェザーステーションに向かいます。
おっ、今日は夕陽がよく見えますね。雲も少なくスッキリした空です。
帰りのおがさわら丸は明日出航なので、続々と人が集まってきました。みんなのんびりして夕陽を眺めています。こういう雰囲気ってなんかいいよね。
18時25分、太陽は水平線に没していきました。
まろやかな黄昏時もまた趣深い。
と、そんな趣深い水平線に明らかに変な雲があります。
もしかして……と思って調べると、あの雲はどうやら噴火中の西之島の噴煙のようです。
父島から西之島まで130km。これは東京と富士山の距離とほぼ同等です。晴れていれば問題なく見えるような距離ですね。
実際昼間でも見えているようです。かなり鮮明で驚き。 ↓
なんだか遠い無人島の話だと思っていたんですが、こうして肉眼で見えるとちょっと感動です。大変珍しいものを見れてよかった。
さて、陽が沈んでからもだらだらしますが、これは黄昏時で感傷に浸るためではありません。
現在地球に接近中のネオワイズ彗星を見るのです。
明るさは3等級ほどなので小笠原なら余裕で見えるでしょう。
太陽が沈んで1時間後、ようやく夜空の星々が煌めき始めました。月の右にあるはず、と思い夜空を探すと、すぐに彗星を発見。下の写真ほぼ中央にあります。
周囲の恒星とは違いちょっと滲んでいるので10秒くらいで見つかりました。尾もバッチリ見えますね。
彗星の尾は太陽風によってガスや塵が長く伸びたものです。そのため太陽と反対側に伸びます。今日の彗星をよくよく見ると、水平線の下にある太陽と反対方向の上側に伸びていますね。
カメラで拡大するとこの通り。淡い緑色と尾がよく分かります。
展望台の下に打ち付ける波音を聞きながら彗星を眺めるというのも中々乙なものです。海風も心地よい(それにトイレもある)ので何時間でもここにいたい気分でしたが、腹が減ったので一旦展望台を降ります。
大村の中心街でレストラン探し。
居酒屋で乾杯するような気分でもないので波食波食という食堂に入ってみました。
1000円の冷やし中華を注文。
それと折角だしマグロの刺身(800円)も注文。
ま、それなりに美味しいのですが値段を考えると……。
小笠原の物価の高さを垣間見たような気がします(今更)。
夕食を食べたので再度ウェザーステーションへ。
西の空は月が沈む寸前でした。
ネオワイズ彗星もしっかり見えていますが、月も沈んだ小笠原の夜空の主役はやはり天の川でしょう。
予想通りによく見えています。素晴らしい!
中心に見えている明るい星は木星で、左下に見えているのは土星です。
実はこのウェザーステーションは、大村に近いし灯台の光も入るので父島の中では条件がよくない方なのです。実際上の写真には車のライトが写ってますね。
それでもこのレベル。肉眼では写真よりちょっと淡い感じですが、東京とは思えないレベルです。
(でも、実は離島の星空は水蒸気の影響を多々受けているため、北アルプスの山奥や北海道の方がよく見えていたりもします。あちらの星空がシャープなのに対して、こちらはちょっとボケている感じですね。)
ここでは1時間ほども写真を撮っていたと思います。私の他にも数人いたのですが、闇の中で「カシャ……………カシャ」とシャッター音だけが響きわたるのは中々奇妙な状況でした笑。
名残惜しいのですが、最後に駐車場から1枚撮影して星空撮影を終了しました。
満足満足。やはり田舎に来たら星を眺めなければ。
特に、広大な太平洋に橋のように架かる天の川は一見の価値ありです。彼女がいればそれなりのロマンティックな空気になったのでしょうが、今回は男2人です。ワハハ!ハ……ハハ……。
それはともかく、明日は午前中にマリンツアーで南島に上陸して、15時のおがさわら丸で東京に戻ります。ある意味一番忙しい日になるかも?星空に夢中になっていたらもう夜9時です。さっさと荷造りして寝なければ……。
つづく
今回訪れたところ