転がる五円玉 ~旅と城と山~

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幌尻岳 チロロ林道で日帰り ~絶景の深山。時間と体力には要注意~

幌尻岳……百名山の一角にして日高山脈の主峰。

メインとなるのは幌尻尻山荘から2泊3日での登山だろう。麓にある山荘を拠点にすれば1日あたり7時間ほどの行動時間で登頂できる。しかし、今年は無情にも新型コロナにより通年休業となってしまった。

しかし別のルートもある。その名もチロロ林道ルート。しかし、このルートは道中に山小屋もテント場も無いためほぼ強制的に日帰りを強いられる。

「なんだ日帰りなら簡単じゃないか」と思うなかれ。駐車場からのコースタイムは驚異の19時間!これはキツい。かなりキツい。百名山最難関に挙げる人も多い。だが、この山深さこそが幌尻岳最大の魅力でもあるのだ。

 

8月下旬の木曜日。いつも通り週末登山の予定だったが、本州は生憎の雨。晴れの地域は、と思い天気予報を見ると、北海道だけが晴れの予報。

頭の中の悪魔がささやく、「北海道行っちゃいなよ〜」と。それもよかろう。利尻山にも登ってみたいから。だが、一人では寂しいので室蘭住みの友人に声をかけてみたら、すぐに返事が返ってきた。

「利尻は流石に遠い」

むむ、確かに……では大雪山はどうだ

「いや大雪山は行っているので……幌尻に行かないか」

……!?幌尻だと!?そういう険しい山はもっと準備をして行くべきでは?

いやでも、ほぼ確実に晴れるタイミングで険しい山に挑むのはアリっちゃアリか……、、、航空券は往復で2万。

 

うーん、ヨシ!行こう。金曜夜に飛んで、土曜に登って、日曜に帰る。我ながら完璧なプランではないか。

と、いう訳で木曜に航空券を取り、仕事を終えた金曜夜に新千歳へ飛んだのであった。

 

前段がいつもより長くなって申し訳ない。しかし、本編はもっともっと長いのである。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

成田17時55分発の便で19時40分新千歳空港に到着。21時頃に室蘭より出陣した友人・田中と合流しました。

まずは千歳のセブンイレブンにて食事を調達。この先にもコンビニはあるのですが、営業している確証が無かったのでここで寄っておきます。

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装備を確認して一路幌尻岳へ。

 

しかし……どうにもテンションが上がらない……。それは幌尻岳がCT19時間もあるからでしょう。この後にめちゃくちゃキツい登山が待っているのに、テンション上げるのは流石に難しい。

私としては4年前の飯豊山日帰りピストンが最強に辛かったのですが、それでもCT15.5時間でした。今回は19時間……。いや~キツイっす……。

 

そんな不安はともかく22時30分に道の駅樹海ロード日高に到着。
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1時間ほど仮眠します。

こういう時は登山口の駐車場で仮眠がセオリーですが、今回の登山口はヒグマ多発地帯なので道の駅で仮眠としました。

 

~~~~仮眠~~~~

 

0時0分に起床!おはようございます!!

1時間ちょいしか寝られなくても結構回復するものです。昨晩は「行きたくねぇ~」などウダウダ言っていましたが、流石に覚悟が決まりました。

 

行くぞ……!
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深夜の国道274号を爆走します。

途中で脇道に入ります。
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更に途中からはダート道に。これが結構長い!

思ったよりも時間がかかって午前1時に駐車場到着です。道の駅からちょうど1時間ですね。

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当然ながら真っ暗なのでよく分かりませんが……15台は停まっている様子。CT19時間に挑む大馬鹿野郎同志がこんなにいるのは心強いですね。

隙間にねじこんで駐車完了。なお、電波はありません。

 

周りの車はまだ寝静まっているか、それともテント泊をしているかで私たち以外誰も動いていません。

午前1時15分に出発。まずはゲートを超えて3km弱の林道歩きからスタート。
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林道を30分ほどで踏破して1時50分に取水場到着しました。
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ここからは普通の登山道になります。

初めはちょっとヤブい普通の登山道でしたが……ものの15分もすると川縁の岩を歩かされたり(もはや道ではない)、アホみたいにデカい雑草をかき分けて進む状態になります。

 

取水施設から30分ほどで二の沢出会いに到着。

ここからが更に凄まじい。全部で6回の渡渉があるのです。水深は5㎝くらいなので普通の登山靴なら余裕です。が、問題は道の分かりにくさ。単に対岸に渡るだけではなく、ちょっと上流寄りに登山道があったりして、大いに迷います。

それに沢のへりにある岩の上を歩く場所では、登山道入り口のピンクリボンを見過ごすと永遠に沢の中を歩く羽目になります。

足場が悪い中で常に周囲を確認して、ちょっとでも怪しいと思ったら戻ってピンクリボンを探す……。深夜にこの作業は結構辛いものがあります。しかも5分おきくらいに怪しい箇所があるし。

 

が、そんな難易度高めの沢沿い登山道も1時間ほどで終わりました。唐突に沢を離れたと思ったら、あとは稜線まで一直線。標高差700mの急登が始まります。

この急登はルートこそ一直線ですが、踊り場が全くなのがとにかく辛い。途中にあるトッタの泉という水場に2m×2mくらいの平らな地面があるのですが、そこがほぼ唯一の休憩地点です。

他には腰を下ろすベンチも場所も一切ありません。ここまで強烈な登りは経験したこと無いですね……。

 

そんな登りを文字通り黙々と登ること3時間半。気が付いたら空が薄っすらと明るくなりめ、周囲の木々が小さくなってきました。

そして遂に4時15分、稜線のヌカビラ岳に到着です。
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おお……これが日高山脈奥地の景色か……。ブログではアッサリ登ったような感じですが、既に1200m登っています。普通の山だったら山頂に着いているレベル。

南を向くと幌尻岳が見えています。
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思ったより遠くなさそう。朝焼けが綺麗だぁ。

 

ここからは一部ヤブもあるものの、快適な稜線歩きとなります。なお、駐車場から不通だった電波はここで復活しました。

北戸蔦別岳の手前でヌカビラ岳方面を振り返ります。既に日の出はすぎておりヘッドライトは要りません。
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午前5時に北戸蔦別岳に到着。山頂はやや広々としており、テントが3張ほど張られていました。幌尻岳はテント泊禁止ではないので、テント泊もアリですね。ただ、水場はトッタの泉のみで、トイレも無いのでその点が辛そうです。

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南を眺めると、左に戸蔦別岳が、右に幌尻岳が見えます。
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他の山ならあるであろう巻き道は幌尻岳には一切ありません。愚直に稜線とピークを経由して最奥部までつき進みます。

10分ほど休憩して出発。

 

先ほどのように快適な稜線歩きと思いきや、今度はハイマツゾーン。道に覆いかぶさるようにハイマツが生えているため、足を踏ん張って進む必要があります。踏ん張りが弱いと見事に弾き返されます。マジで。

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ここからの先は上の写真のようなハイマツゾーンが4割、岩だらけで細かい上り下りが連続するエリアが4割、歩くだけの普通の登山道が2割くらいになりました。つまり他の山よりも進むのに時間がかかるという事です。

 

100mほど下った鞍部から戸蔦別岳と幌尻岳を眺めます。うーん、まだまだ結構遠いですが、足が割と疲れてきたのでペースをゆっくり目にしなければ……。
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6時に戸蔦別岳に到着。切り立った山なので直前の急登が中々辛かったです。
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南西には七つ沼カールと幌尻岳の見事な景色が望めます。
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非常に野性味を感じる美しい光景です。幌尻岳のハイライトと言われるだけの事はある。

しかし、ここからは一旦300m下って、その後400m登るという地獄のような登り返しがあります。ジェットコースターのようだ……。

 

正直言って既に1500m近く登っており相当足にきています。でも、ここで引き返す訳には行きません。15分休憩して出発。

 

まずは300mの急坂を一気に下ります。相変わらずのハイマツゾーンですが、下りは枝も下を向いているので簡単です。

問題は登り。枝が下を向いているので、力を込めて上がらないと弾かれます。
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いやしかしこの300mの登り返しが本当に辛い。足の疲労は既にピークに達しています。まだ復路もあるのに先が思いやられる。

ちなみにここで一人に追い抜かれました。出発して他の登山者に遭遇したのは初です。

 

なんとか7時15分に急登を登り終え、「肩」に到着しました。あとは100mほどの登りをゆるゆると登ればゴールです。
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ここら辺の道はハイマツもヤブもあまり無く、本当に登りやすい。いわゆるビクトリーロードというやつです。

 

そして7時55分。

遂に幌尻岳山頂に辿り着きました。f:id:harimayatokubei:20201021000753j:image

アア……長かった……長すぎた……。登り始めて7時間弱が既に経過しています。距離にして12.2km、登距離は1900mほどです。
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意外にも山頂には10人ほどの人がいました。一人はさっき抜かされた人ですが、他はテント泊組でしょう。

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北西には北カールと呼ばれる緩やかな谷が広がっています。穏やかでなんとも美しい光景。
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そしてよくよく見ると、左奥には弧を描いている海外線も見えます。すごい展望の良さですね。

 

南にはこれまで歩いた稜線が一望できます。一番左の茶色い岩がポツポツあるのがヌカビラ岳で、そこから右に北戸蔦別岳、戸蔦別岳と続きます。よくこんな長い道を歩ききれたものです。
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東を見ると十勝平野の畑がわずかに見えています。また、左奥には雲から顔を出すように山が見えていますね。あれはおそらく雌阿寒岳です。
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最後に南を見ると日高山脈の山々が永遠に連なっています。真ん中にあるのがカムイエクウチカウシ山と思われます。一等三角点の200名山ですが、難易度は幌尻岳を超えるらしい。
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高曇り気味とはいえ、視界はバッチリ得られているので山頂からの爽快感はかなりのもの。ここまで山深いのに太平洋や遥か数百キロ先の山まで見えるのは驚きの一言。

 

こんな感じで一通り周囲を眺めてからお待ちかねの昼食です。今回は長い時間動くのでおにぎり5個を買ってきました。
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ちなみに写っているのは私ではありませんwww。

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おにぎり5個とカロリーメイト、ビーフジャーキーをあっという間に完食しました。

 

いつもなら食事後出発ですが、今日は既に疲労感があるので回復もかねてもう少しゆっくりします。登り7時間弱なので、下りも7時間かかるとして、日没までに戻るには10時には出れば大丈夫という計算。

現在時刻は8時20分なのでまだまだ余裕はあります。下る覚悟が出来たら下りましょう。

 

という訳で山頂でのんびり。周りの皆さんも滞在時間が長いですね。まぁ、山頂までの長さを考えると当然かもしれません。

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ちなみに電波もバッチリ通じています。

 

8時半近くになると雲が薄くなり光が濃くなり始めました。
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北カールのハイマツが黄緑色に輝いて更に美しい。

 

さて、そろそろ山頂に到着して40分が経ちます。足も大分回復したので、、、そろそろ下りますか……。

まずは尾根の終わりである肩まで移動です。
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この稜線もビクトリーロードと表現しましたが、所々でハイマツに行く手を阻まれれます。でもそこまで障害ではありません。
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基本はこういう稜線道です。東北の山っぽい感じ。
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午前9時すぎに肩に到着。いよいよ、戸蔦別岳への登り返しです。相変わらず七つ沼カールはすごい迫力。
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相変わらずのハイマツ帯をドンドコ進みます。
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ここは鞍部付近も結構アップダウンがあり難路と言っていいでしょう。七つ沼カール側はかなり切り立っており、足を滑らしたら中々ヤバい場所です。
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そんな鞍部を超えていよいよ戸蔦別岳の直下に到着。ここから200m登ります。
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普通の山だったらとっくに下山している距離ですが、ここでようやく全行程の6割といった所です。既に足が痛い……。気合いだ。気合いで登ります。

 

10時に戸蔦別岳到着しました。ハイマツが非常に辛かった……。こんなに辛い登りは初めてです。相当力をこめないと上に上がれません。
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山頂から振り替えって七つ沼カールを眺めます。もうあそこまで降りなくていいんだぁ(感涙)。
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と思いきや、まだまだ北戸蔦別岳に向けて150m下って100m登ります。
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初めはジグザグに下り……その後はまたしてもハイマツ帯に突入。
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ここもハイマツと岩稜帯が断続的に続き歩きにくい道。中々スピードが出ず焦ります。
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北戸蔦別岳の直下まで来ました。ちなみにここですれ違った方は北戸蔦別岳にテントを張ってきた模様。

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北戸蔦別岳への登り。またまたハイマツです。ですが、ここを超えればハイマツは無い!頑張れ俺!!
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11時に北戸蔦別岳到着。
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ううう、疲れた……。足がしびれてジンジンしています。

幌尻岳方面を眺めます。それにしてもよく戻ってきたものだ。既に頂上を出て2時間半も経っているとは信じられない。
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ヌカビラ岳方面はすっきりした青空です。
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北東の尾根には1967峰やピパイロ岳が見えます。あれらの峰々を超えて十勝平野側に降りる猛者もいるらしい。凄すぎるだろ……。
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15分ほど休憩して出発。

この辺りの谷も名前はありませんが緩やかでカール状になっています。
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ちょっと下ってから北戸蔦別岳を撮影。疲れているせいか、レンズフードがズレて四隅が暗くなっていますね。
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この辺の道も結構穏やかで歩きやすいです。
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まぁ時々ヤブに突入しますがそれはご愛嬌。
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8月下旬だというのに花が咲いています。ハイマツさえなければ楽園の稜線なのですがねぇ。

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11時50分にヌカビラ岳到着。稜線の終点に着きました。
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幌尻岳の姿を眺めるのもここで最後になります。左にあるスラッとした戸蔦別岳と異なり、右にある幌尻岳は軍艦のような重厚感のある山容です。流石は日本百名山の一角だけありますね。

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さて、ここから怒涛の下りが開始。足がもつれそうなレベルの坂をどんどん下っていきます。
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既に足の痛みは限界に近いですが、上がったり下がったりだった稜線と違って下りのみなので気分は楽です。

12時40分にトッタの泉に到達。2L持参した水は500ml近くありますが、折角なので飲みました。

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不通に美味い。ちなみに、トッタの泉周辺の広場は地図だとビバーク可能と書いてありますが……いささか狭くないですかね。
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まぁそれはそうとトッタの泉を通過して更に下ります。

そして13時20分に遂に下りきって谷底に出ました。
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ここからが鬼の渡渉ゾーン。幾度となく沢を超えていきます。
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沢を超え、沢を歩き、沢を超え……ああ、疲れた。この辺りは本当にキツかった。たかだか1.5kmほどで全体の行程の1割にも満たないのですが、そもそもが長すぎるので全く着かないのです。歩いても歩いても着かない。

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そんな沢沿いの道を歩くこと50分。14時10分に取水場に到着しました。
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あ、足が……もう限界……。砂利に思わず座り込んだらジーンとしびれてしまいました。最早足ではなく棒。足が棒になるという表現を身に染みて感じています。

 

しかし、ここまで来たらあと一歩。5分ほどで立ちあがり林道を歩きます。
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しかしこの林道が、
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長い。ひたすら長い!
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泣きたくなるくらい長いのです。せめてここを車で通れたら2時間は短縮できるのですが。なんとかならないのでしょうか。

 

半分ヤケクソになって歌なんかを歌いながら歩いて歩いて、遂にゴールが見えました。
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14時55分、駐車場到着。
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うーん(白目)。足が本当の意味で限界です。

登り始めて13時間40分で帰ってきました。予想通りのペースでその点は良かった。

 

駐車場はほぼ満車と言っていい状況です。
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いやしかし本当に限界オブ限界。人生でも最強レベルに辛いですねぇ。足が痛い……ッ!

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車に乗って一安心。すると、急に眠くなってきました。そういえば昨晩は1時間睡眠で登り続けていたんだった。アドレナリンが切れた模様……。

 

・・・・・・

 

30分後に運転中の友人に叩き起こされると既に林道は抜けていました。
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今回は助手席なので経路を案内して温泉に到着。

晩夏の北海道は実に爽快であまり汗だくにはなりませんでしたが、それでも温泉には入りたいものです。
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温泉を出て夕方17時頃に千歳に到着。明日朝の飛行機で成田に戻るので友人・田中とはここで解散します。運転乙。
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宿の部屋に入って服を脱ぐとびっくり。足があざだらけです。ハイマツ帯の激しさを物語っていますね。
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18時に就寝して8時に起床。帰りの飛行機に座った瞬間眠ってしまい、着いたらCAさんに「成田着きましたので降りて下さい」と言われるなどありましたが、無事に帰宅できました。

 

とまぁこんな感じで幌尻岳でした。本文でも散々書いた通り、死ぬほど足が辛かったです。距離・登距離もさることながら、渡渉やハイマツに永遠に苦しめられ、スピードが中々出ない点もかなり辛かった。また、渡渉地帯はルートチョイスが難しい箇所もあります。総じて、初心者には全く向かない山だと思います。

ただ、日高山脈という日本でも有数の山深い地域に、日帰りで突入できるのは大いに魅力です。緩やかな北カールや七つ沼カールは人工物が一切無く、まさに野生動物の楽園といった風情。山容も日本百名山にふさわしい豪快さで、北海道まで来て登るだけの価値は間違いなくあります。

十分な体力とスキルとある程度の覚悟があれば、この山は唯一無二の体験と光景を存分に見せてくれるでしょう。できれば稜線で1泊したい。ですが、あの登りをテント持って行くのは中々しんどい。それにヒグマ怖すぎなんですよね……。

 

おわり