ザンビア旅行 その27 ~ルナ・レインボー(とリビングストン博物館)~
ヴィクトリア滝を出てリビングストンの街に向かいます。いくらジンバブエ側より人が少ないとはいえ、ヴィクトリア滝は世界的観光地。滝の出口付近にはタクシーが何台も停まっていました。
なんとなく良さげな運転手と交渉。結果、1台9ドルでリビングストン市内の宿まで向かうことに。
サバンナ的な道路を淡々と走る。
15分ほどで本日の宿に到着。ホテルではなく、一泊3000円くらいの個人宿です。まぁ、今さらドミトリーに泊まるのはちょっと辛いのと、かといって高級ホテルに泊まる金はないためこのようになりました。
まぁ、今さらドミトリーに泊まるのもちょっとそぐわないと思ったのです。昨晩のような立派な設備のホテルではありませんが、クーラーも入るので及第点。
とりあえずまずはシャワー。昨日と同じく滝のしぶきでびしょ濡れです。2日連続で浴びたせいか臭いが中々取れない・・・・・・。
シャワーを浴びて1時間ほど休憩すると12時くらいになりました。腹も減ったので街の中心部に繰り出します。
徒歩10分くらいで到着。ヴィクトリアフォールズの街と違って、観光客が少なく落ち着いた印象です。思ったより清潔で、なんだかアメリカ西部の街っぽい。
新しい国に来てまずやることは両替。普段はATMから引き出しますが、手元の現金のドルがあまりそうなので、現金で両替します。
上の写真がレートです。これがまた色々と興味深い。例えば、
5ー20ドル札では1ドル=10.5クワチャですが、
50-100ドル札では1ドル=11.83クワチャ
となっています。つまり、大きい札の方が若干レートが良いのです。
また、ユーロよりも英ポンドの方が上にあります。これはザンビアが旧英領だからでしょう。
さて、それはそうと1万円分くらいのクワチャ(1クワチャ≓10円)を入手したので昼飯にします。このクソ暑い中歩き回るのも辛いので両替屋のすぐ横にあったピザ屋にしました。
100クワチャ≒1000円のピザを注文。
・・・・・・普通に美味い。WIFIまで飛んでるし、意外にも快適です。アフリカの進化を実感します。
昼飯も食べたのでチョロっと観光。市内中心部にあるリビングストン博物館に行きます。
ロマネスク様式のわりかし目立つ建物。
この博物館は、この街の名の由来にもなったデイビット・リビングストン(1813-1873)を記念しています。なんでも、1934年開館でザンビア国内で最も規模の大きい博物館らしい(JICA資料より)。
5ドル払って入場。
中の展示はザンビアに関する総合的なものと、リビングストン氏個人へのものが大半。個人的に特に興味深いのは先住民族の武具です。
例えばこれ。
投石具です。まぁこれ自体はそんなに凄いものではありませんが、写真が撮られるようなつい最近まで使っているのが驚き。それにCivilization6のアイコンそのままで感動しました。
また、皮の盾と槍も展示してあります。
これ、なんか見覚えがあるなぁ、と思ったら、、、
エスワティニ(旧スワジランド)の国旗に描かれた盾と槍じゃないですか!!まさかこんな所で実物を見れるとは!感動です。
他にも第一次世界大戦時の大砲や、リビングストンの装備品・直筆の手紙などもありました。まじめに見ると2時間くらいはかかりそう。
ただ、冷房の効きが悪かったので私たちは1時間ほどで退散しました。ちょっと残念。
博物館を出てから徒歩で宿に帰還。そして2時間ほど昼寝。
ちょっと、いや実はかなり疲れています。本当はリビングストンの他の観光地も行こうとしていたのですがね・・・・・・。連日の酷暑が非常に体にこたえています。スワコップムント以降、宿でのんびりする時間も殆ど無かったのも原因でしょう。
しかし、今夜の観光だけは外せません。その名は、ルナ・レインボー。ヴィクトリア滝の水しぶきに月光が反射してできる「月虹」です。
当然ながら十分に明るい月光がないと出現しません。また、そもそも滝の水量が多い3月~8月しか見れません。
このため、2019年にルナ・レインボーが出るのは以下の日程となります。
3月~8月の満月と前後2日間、年間わずか30日だけなのです。ちなみに、上の日程表は昼間に訪れたザンビア側ヴィクトリア滝の事務所に貼ってありました。
今日(2019年3月22日)はまさに満月1日後。これはもう全くの偶然。というのも、3月25日の卒業式から逆算して旅程を組み立てたら、たまたま満月とヴィクトリア滝の観光が被ったのです。
(実はジンバブエ側でも見れるので昨日行くこともできたのですが、サファリ→国境越え→昼間の観光で極度に疲れていたのでパスしていました。)
18時から24時までルナ・レインボーのためにオープンするというので、18時頃に宿を出発して滝に向かいます。既に夜なので、昼間乗ったタクシーの運転手に宿まで迎えに来てもらいました。
多少は明るいリビングストン市内を抜けたら完全に漆黒の闇です。15分ほど走って昼間も来たザンビア側ヴィクトリア滝エントランスに到着。
当たり前ですが夜なので暗い。貴重品は気をつけた方がよさそうな感じ。ただ、周囲にいるのは外国人だけなので、そこまで怖い雰囲気ではないです。
一人25ドル支払って入場します。
おぉ……中は思ったより暗い……ですね。というか真っ暗。そもそも滝周辺を夜歩くことは想定されていないからでしょう。懐中電灯持っててよかった。
入口から3分ほど歩いて、横から滝を見るスポットに到着。50人くらいは見物客がいます。
現在時刻は18時30分頃。ようやく月が上がり始めました。
なんとか人をかき分けて最前列に到着。ルナ・レインボーを待ちます。なお、奥に見える光はビクトリアフォールズの街です。
~~~~30分後~~~~
あれ……まだ見えない。月も大分上がってきて、そろそろ見えても良い頃だと思うのですが……。
と、思ったその時、視界の中央にうっすらと縦に線がある事に気が付きました。
お!?……多分、あれです。非常にうっすらとですが、写真中央に虹がかかっています。
そして、月が上がって月光が増すと、虹もどんどん濃くなってきました。
す、すごい……。これは思ったよりも良い光景です。昼間の虹より上品で儚い雰囲気。
ん~~~しかし、このルナ・レインボーは綺麗なのですが……
男友達と見るものじゃねぇ~~~!!
恋人と見るものですよ、これは。こういう神秘的な雰囲気のものは!!いやまぁ、素晴らしい光景なので文句はありませんが・・・・・・。
ちなみに、これらの写真は露出20秒、ISO800で手すりに一眼レフを手で固定して撮影しています。三脚があればもっと良い写真が撮れるかもしれませんが、かなり人が多いので三脚を広げるのは至難でしょう。
さて、1時間ほど経ったので、このスポットを離れて奥に行きます。
昼間も歩いた道をソロリソロリと歩いて奥へ。真っ暗な中さまよい、滝を正面から見れるスポットに着きました。
!!
虹が二重に見える……!!
しかし、外側の虹はとてつもなく薄いのです。一眼レフを手持ち露出10秒という人間の限界に挑戦してようやく撮影できるレベル。
肉眼でも下の写真程度にしか見えていません。
手持ち30秒露光でなんとか写ります。しかもAFが合わないのでピントも手動調整。ピンボケと手ブレは勘弁して下さい。
さて、上の写真にも写るように、例の凄まじい水しぶきを浴びる橋まで来ました。橋を渡るべきか、否か?ここが日本なら安心して渡ったかもしれませんが、ここはザンビア。滑って転落とか……ないよね?
正直言って、月明かりだけの中、水と風が渦巻く橋を越えるのはかなり怖いのです。しかし、自分の内なる声がささやく。
「せっかくここまで来たんだから、行きなよ」
うーむ……行くか!うおおおおおおお!!!
橋の上では案の定の水しぶきを上から下から浴びます。それに下を見ると水が落ちる轟音だけが響く漆黒の闇でした。とても写真を撮る余裕は無い!
なんとか渡り切って撮れたのが下の写真。
なにがなんだか分からん……。それにこの位置だとなぜか虹が見えませんでした。でも、月光に照らされるヴィクトリア滝は豪快ながらも厳かな雰囲気で、一見の価値はありました。
さて・・・・・・・一番奥まで見たので帰りますか。
入口に戻ったのは夜8時30分。その場でタクシーを拾って15ドルで宿まで送ってもらいました。着いたのは夜9時前。昼寝したとはいえ、滝に2回も行ったのでかなり疲れました。
でも、明日はもう飛行機に乗って帰るだけ。この旅行もいよいよ終わりか……と、普通なら感傷的になる場面ですが、あまりにも極端に疲れていたのでシャワーを浴びてすぐに寝ました。アフリカの観光は疲れるのよ~。
つづく
harimayatokubei.hatenablog.com