近鉄全線乗り潰しの旅 後編
↓前編はこちら
harimayatokubei.hatenablog.com
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朝6時半に起床。9時間寝たのですこぶる快調です。ささっと準備をしてチェックアウトし、たまたま宿の近くにあったうどん屋へ。
コンビニのおにぎりという手はありましたが、やっぱり温かい汁物は体力が持ちます。コンビニ飯は避けられるなら避けた方が良いというのは、これまでの旅行での経験ですね。
南大阪線 大阪阿部野橋~橿原神宮前
大阪阿部野橋 8時4分
天王寺から歩いて5分、大阪南のターミナルである大阪阿部野橋駅に到着しました。
流石に近鉄最大の乗降人数を誇るだけあって改札の数が多い。でも人は少ない。ちなみにこの直上に日本最高を誇るあべのハルカスがあります。
本日最初の列車は河内長野行準急です。
なお、近鉄南大阪線やその周辺の路線はその経緯からレール幅がJRと同じ1067mmだったりします。意識してみると割と軌道幅の差は分かるものです。
あべのハルカスを見ながら一路南へ。しかしこうして見ると周囲に高層ビルが無いですねぇ。東京スカイツリーと同じような景観です。
道明寺 +16.3 313.4/501.1km8時22分着
道明寺線 道明寺~柏原
藤井寺という微妙に間違えそうな駅が手前にありましたが無事に下車。
川のすぐ近くにあるらしく空が広い駅です。
8時34分発の柏原行で行きます。2両編成。
柏原 +2.2 315.6/501.1km 8時38分着
ものの4分で到着。
てっきり個別の駅舎があるのかと思いきや、完全にJR柏原駅を間借りしていますね。
柏原8時41分発、道明寺8時45分着。ここで南大阪線に乗り換えて、8時52分発河内長野行普通で古市駅へ。
長野線 古市~河内長野
河内長野行きなので自動的に長野線に入ります。宅地と畑作地が混在する典型的郊外的な風景を眺めていると、突如として摩訶不思議な塔が見えてきました。
なんだあれ……(絶句)
調べたらあれはPL教の大平和祈念塔というようです。花火大会が有名らしい。
普通の住宅街に突然これが表れる強烈な違和感。六本木とかなら違和感は無かったかも?
河内長野 +14.5 330.1/501.1km 9時15分着
そんな普通(時々異常)な風景を眺めていると終点の河内長野駅に着きました。
改札のすぐそばに地元のお菓子屋があります。ローカルな雰囲気があって良い。河内長野は南海と近鉄が通っており、
と、南海の方が圧倒的に早い。このせいか河内長野駅の利用者数は南海の方が近鉄の2倍強あるようです(Wikipediaより)。
すぐに折り返すので9時19分発大阪阿部野橋行きに乗車。古市で下車します。
南大阪線
9時38分発の吉野行きで一路西へ。すぐに急斜面の山が接近する地帯に入ったものの、すぐに通過して奈良盆地入り。田園地帯を快走して御所線が分岐する尺土駅に到着しました。
尺土 +14.0 344.1/501.1km 9時49分着
特に特筆する事のない普通の駅です。空が広い。
御所線 尺土~近鉄御所
御所(ごせ)線の2両編成がやってきました。
乗客は1車両10人くらい。盲腸線の日曜の昼間にしては人がいると思う。
近鉄御所 +5.2 349.3/501.1km 10時4分着
10分ほどで近鉄御所に到着しました。
駅舎や駅前の時計から昭和な感じが漂っています。尺土は「大都市の近郊」的な雰囲気だったのですが、ここは完全に田舎です。
ここも7分ですぐに折り返します。10時11分発尺土行きに乗車。
尺土では4分で10時22分発の急行吉野行きと接続しています。上りだけではなく下りとも接続しているのはすごい。
吉野線 橿原神宮前~吉野
山間を縫うように走るので、カーブが多く全然速度が出ません。それにいつの間にか単線になっており、列車交換にも時間がかかります。昨日の鳥羽線あたりと似た雰囲気を感じる。
吉野川を超えたら狭い谷に入って、終点の吉野に到着しました。
吉野 +32.6 381.9/501.1km 11時22分着
寒い!すぐにわかる程度には平地より寒いです。
観光地だけあって駅舎もそこそこ立派。
谷底にあるため、駅を出ると3方向を崖に囲まれています。桜が有名な辺りにはロープウェイで登れるようですが、時間が無いので今回はパス。
土産物屋も開いてはいますが客は殆どいない様子です。まぁ桜咲く前の土日なんて普段からそんなものでしょう。
駅前を軽く見てからホームに戻ると、観光特急「青の交響曲」が入線していました。わりかし特徴ある車体なので撮影する人も多いですね。
そんな青の交響曲をしり目に、私たちが次乗るのは大阪阿部野橋行き11時34分発特急です。上の写真で左に写ってるやつ。なんと2両編成です!
そして車内もガラガラ。吉野線内の小さい駅にも止まるため、都市間高速輸送というよりは快適に移動する手段という感じですかね。実際、カーブが多いので速度は相変わらず遅く、列車交換でも長時間止まりますが快適であんまり気になりませんでした。(急行は列車交換のたびにドアが数分全開になってかなり寒かった。)
橿原神宮前 12時13分着
40分ほど乗車して樫原神宮前駅に到着。南大阪線と橿原線が交わる駅なので、駅ナカっぽい飲食店も数店あります。
駅ナカを通過して橿原線のホームへ。12時20分発京都行きです。いよいよ今回のゴールである京都の名前が出てきましたが、まだ先は長い。
大和八木 +3.3 385.2/501.1km 12時25分着
5分で昨日も通過した大和八木駅に到着。大阪上本町行き大阪線区間準急で大阪方面に行きます。
河内山本には13時10分着。ここで盲腸線である信貴線に乗り換えます。
信貴線 河内山本~信貴山口
信貴山口 +26.5 411.7/501.1km 13時17分着
2両編成に揺られること5分で終点の信貴駅に到着。完璧なまでのコの字形ホームです。
西信貴ケーブル 信貴山口~高安山
さてさて、本日もやってまいりました山登り。信貴山口で接続する13時45分発高安山行きで高安山に向かいます。
今回は山の上に遊園地があるわけでもないので、車体も大人しめな感じ。
信貴線とは接続しているので乗ったらすぐに発車しました。
天井がクリアになっており、本当に解放感があります。
そして少し登るとこの大展望!
大阪市内が一望できます。これは結構良い眺め!
生駒鋼索線と違い、途中駅は無く7分で終点の高安山に到着しました。
しかしこの駅は随分と急ですね……。ホームの階段も普通の駅くらいあります。
高安山 +1.3 413/501.1km 13時52分着
高安山の駅舎はロープウェイのような雰囲気。ハイキング客とおぼしき人影がそこここにあるため、昨日の生駒山上よりは賑わってます。
ちなみにこの駅前から出るバスに乗ると信貴山まで行けます。折角だからここもフリー切符の範囲内に入れてくれれば良かったのに。
さーてと。下る列車までは40分も時間があるので折角だし少々周囲を散策します。
が、歩き始めて10分後、パラパラと雨が降ってきたな~、と思ったら次の瞬間アラレが降ってきました。
・・・・・・。マジで勘弁してくれ。なんで歩き始めた瞬間降るの?しかもアラレ。
傘を持っていなかったので小走りで駅まで帰還しました。うおおお、寒い寒い。
駅前のベンチで暇を潰すこと10分、発車まで5分になったので乗車しようとしたら、なんか雲が急に晴れてきました。そこで駅のすぐ横にある展望台へ行ってみると、
良い景色です。太陽に照らされた家々が美しい。
慌ててホームに戻り、14時25分発で下山。行きと違ってハイキング客が結構いたので、座りそびれました。
信貴山口 14時32分着
信貴山口駅に着いて外に出ると20分前の雨が嘘のように晴れ上がっています。本当になんで山に行った瞬間だけ雨が降ったのか。ツイてない。
信貴山口駅の駅前は小さな商店があるだけで住宅街が広がっています。のどかだ。
じきにやってきた河内山本行きで大阪線に戻ります。
大阪線
布施 +7.0 420.0/501.1km 14時56分着
河内山本→布施と移動して、昨日ぶりの奈良線で生駒へ。生駒山トンネルに入る直前に結構標高を稼ぐため、石切駅周辺からも良い景色が望めました。
ここで気が付いたのですが、大阪って山のへりまで住宅が建っているのですね……。平野が足りてない事がよく分かります。
奈良線
生駒 +13.4 433.4/501.1km 15時15分着
生駒線 王寺~生駒
昨日は三回も通過した生駒駅に到着。奈良盆地の西を通る生駒線に乗ります。王寺行き15時24分発。
車両数的にも乗客数的にも幹線とローカル線の中間みたいな雰囲気。奈良盆地の西を通るとはいえ、矢田山という丘陵地帯と生駒山の間を通るため、里山的な風景が続きます。
王寺 +12.4 445.8/501.1km 15時49分着
25分で終点王寺駅に到着。小綺麗な駅前でいかにも郊外都市という感じ。
この王寺駅から真っすぐ歩いた先に、新王寺駅があります。その距離わずか150m。
繋がりそうで繋がっていない線路、として地味に有名な場所です。そもそも王寺駅と新王寺駅は別々の会社で、どちらも近鉄が吸収したためこんな奇妙な状態になったようです。それに駅前をぶった切って線路を繋げてもたいして意味が無さそうな区間でもありますねぇ。
田原本線 新王寺~西田原本
新王寺駅はこれまたコの字形のシンプルな構造。
やってきたのは深緑の電車です。どうやら2018年の田原本線100周年を記念した塗装らしい。
15時55分発西田原本行きで東へ行きます。ちなみに、田原本線は「たはらほんせん」ではなく「たはらもとせん」です。俺は勘違いしていました。ややこしい。
特段大きな駅も無くのんびりとした田園風景が広がる路線です。のんびりゆらゆら平野を走る電車……。これはこれでいい雰囲気です。大阪から1時間圏内とは思えない。
西田原本 +12.4 455.9/501.1km 16時13分着
18分で終点の西田原本に到着。写真に見える駅前ロータリーを1分ほど歩くと橿原線田原本駅に乗り継げます。
つまりこの田原本線は起点も終点も別名の駅が近いという中々面白い路線なのです。別会社だった頃の名残がここまで色濃く残っている路線もそうそう無いのではないでしょうか。
橿原線
さて……日も傾いてきましたが、いよいよラストスパート!16時19分発急行京都行きです。
編成の長さ、乗客の多さ、速度、どれを取っても今まで乗ったローカル線とは段違い!高速で一路京都を目指します。
京都線 大和西大寺~京都
奈良線と交差する大和西大寺で京都線入り。とは言っても列車は同じです。木津川や宇治川を超えると、瓦屋根が多い古都らしい町並みになってきました。
京都 +45.2 501.1/501.1km 17時18分着
そして17時18分。近鉄京都駅に到着!ゴールです!!近鉄全線完乗達成!!
おお、人が多い……。マジで多い。西部池袋駅くらいいそう。いや~やっぱりデカい駅は違うなぁ。
さて、完走した感想ですが、今回の旅行で近畿日本鉄道という会社の歴史の深さを存分に感じられました。大都市の巨大な駅から、山間のローカルな無人駅、平野をのんびり走る列車、ここまで多種多様な路線を有した私鉄は類を見ないと思います。線路幅ですら違っていたし。それもこれも、時には線路を敷設したり会社を吸収したりして、近畿圏の足を支え続けた長い歴史があってこそでしょう。
それに、河内長野や王寺といった観光ではあまり訪れる機会のない駅に降り立てたのも良かった。それらのベットタウンに面した駅は、同じように見えてやっぱり少しづつ個性があるものです。それらのちょっとした違いを感じ取るのも面白かった。
今回乗れなかった特急列車などにもいつか乗ってみたいと思います。
さて、それはそうと茨城へ戻らねば。金券ショップで値下がりした回数券を購入して、1両に2人しかいないガラガラののぞみで東京駅へ。
日曜の21時だというのにびっくりするぐらいガラガラです。いやーこれはすごい。壮観。まぁ……コロナ騒ぎが終わらない限りは新幹線に乗ることもないでしょう。多分。
おわり