南アフリカでレンタカー旅行 その3 ~ナマクワランドを越える
昨晩は9時頃には就寝して、朝5時に起床しました。未だに時差ボケを引きずっており若干辛い。(こちらの朝5時は日本時間の12時)
バナナをもそもそと食べてから出発。まだ日の出すぎで薄暗いですねぇ。
さて、本日はただただ進むのみ。昨日はアガラス岬で観光しましたが本日は全くありません。一気に南アフリカを突き抜けてナミビアに突入します。走行距離はなんと 700km。東京→神戸間に匹敵します。果たして日没までに間に合うのか!?
出発して間もなく、クラヴェール周辺では川沿いの渓谷を淡々と走っていきます。アフリカというよりは中国の西にありそうな光景です。
そこでふと左を見ると、斑点のような奇妙な模様があります。
これはもしや、フェアリーサークルでは?
草が円状に枯れる不思議な現象として知られています。ナミビア特有だと思っていたのですが、ここで見られるとは。
川沿いを離れてバンラインストブルを超えるとひたすら大平原です。既にケッペンの気候区分では砂漠ですね。
脅威の150km/hで走行します。なんにせ舗装状態が良く、警察もいない。上の写真に写る左のトラックは近そうに見えますが1㎞以上離れています。
このあたりはナマ族(ナマクワ人)が住んでいるのでナマクワランドと呼ばれています。現在もナマ族は遊牧生活を営んでいるようですが、あまりに広すぎ、そして人口密度が低すぎるため会うことは容易ではありません。
ちなみに、雨期には乾燥した大地に花が咲き誇ることで有名です。が、今はバリバリの乾期です。大地には枯れかかった草と縮こまる多肉植物しかありません。
途中にはCAPE NAMIBIA ROUTEという看板がちょくちょくあります。
なんというかこの国道7号線がナミビアへ向かう道だと証明するものはこれだけなのです。仮に道を間違えていたら気付かず100㎞くらいは進んでしまいそう。それくらい同質的で何もない大地です。
さらに北へ進んでいると国道を跨ぐ橋が見えてきました。
これは鉄鉱石線です。その名の通り、南アフリカの内陸で産出した鉄鉱石を大西洋岸まで輸送しています。驚くべきはその編成。全長4.2km、最大351両という大陸でもそうそうお目にかかれないほどの超超大編成がこの砂漠を駆け抜けるのです。
正直言って数時間待ってでもこの目で是非とも見たかった!でも時間が足りない……。非常に残念ですが仕方がありません。線路を一瞬で潜り抜けたら、あっという間にはるか後方になってしまいました。
走ること1時間、だんだん晴れてきました。それと共に植生も薄くなって本格的な砂漠に近づいてきたことを実感します。
出発から2時間、スプリングボックに到着。人口1万3000人のこの地方最大の街です。半径500㎞以内にここより大きい街はありません。
小さい街ですが行政機関や銀行・スーパー・KFCまであり、都市としての機能を有していることがよく分かります。人通りも多く活気がある雰囲気。
この街のスーパーで物資を補給。こんな内陸の町で新鮮な肉や野菜にありつけるのはかなり凄いですね・・・・・・。文明万歳。
昼飯も考えたのですが、まだ午前10時なのでパス。この先の景色が良い所で食べようと思います。
スプリングボックを出ると車はますます少なくなりました。
「前にトラックがいるな」と思ってからすれ違うまで5分はかかります。互いに時速100km/hで近づいているとして、17km以上は離れている計算。自分たちとトラックの間17kmは全くの無人です。驚異的な閑散状況。もちろん人家などはありません。
信じがたいほどに人がいない地域に突入したことをひしひしと感じます。ちなみにこの辺もストリートビューは完備されているのでネット上でこの人のいなさを追体験することが可能です。Googleすげぇな・・・・・・。
1時間ほど走ったのでPAエリア(座標は29°02'18.6"S 17°50'13.8"E)で昼食を摂ります。午前中に頑張ったので、今日の行程の6割は既に走破してあります。やったぜ。
この国道7号線には10kmおきぐらいにこうしたPAエリアがあります。東屋とゴミ箱があって結構快適。この辺の道路脇は岩がゴロゴロしている砂漠なので、普通の車が入ったらすぐにパンクしそうです。こうしたPAエリアが無かったら50kmおきにある町か、路上でしか休憩ができません。このため、PAエリアのおかげで心理的にかなり楽になっています。
道路の真ん中でパノラマ撮影。数時間前まで岩山や渓谷・灌木林などあったのですが、さらに荒涼とした風景になってきました。
本当にとんでもない所に来てしまった・・・・・・。こうなると陸と言うよりは海に近いような存在感です。道路はさしずめ長い橋でしょうか・・・・・・。
さて、それはそうと昼食。今回はスプリングボックで購入したピザ。安定して美味しい。
気温は33℃とかなりの暑さですが、乾燥しているため日陰に入ってしまえばへっちゃらです。むしろ風が心地よいくらい。
ここで運転手を交代して出発。国境まであと50kmくらいです。
昼飯から30分もすると、まっすぐ進むことしか知らなかった国道7号線が蛇行し始めました。
下り終えると道を遮るように門が出現しました。
看板を見ると……
南アフリカの国境のようです。遂に南アフリカの終点にたどり着いたのです!疲れた~~!!あまりに長い距離を運転しすぎて体がフワフワ浮いている感覚が続いています。
このイミグレの特徴は車での通過を前提としている点でしょう。国道をそのまま走っていると駐車場が現れます。
このPAみたいな駐車場の目の前がイミグレになっています。超便利。室内はクーラーがガンガン効いてて快適です。
出国カードをサクサク記入してあっさり出国スタンプが押されました。まぁどこの国も出国は緩いものです。税関も車の中とトランクルームを軽く見られただけで終了。
南アフリカーナミビア国境となっているオレンジ川を通過。この乾燥地帯を流れている割にはかなりの水量です。見た感じ川の水を使った灌漑農業も行われているよう。
緑が眩しい。やっぱり水がないと生きた心地がしないですねぇ。
さていよいよナミビア入国です。
ナミビア……国名の語源が「何もない所」という驚異の国。既にかなりの「何もなさ」を体感していますが、果たしてどれほど何もないのか?この目で見させて貰おう……。
(ちなみにストリートビューもこの先はありません)
今回の行程
harimayatokubei.hatenablog.com
つづく