2019年ローマ旅行:皇帝たちのフォルムとトッレ・アルジェンティーナ広場 ~カエサル終焉の地~
トラヤヌスのフォルムとカエサルのフォルムは遺跡の近くまで行くことができます。今回私は下図の赤い線に沿ってそれらの遺跡を見ました。
さて、皇帝たちのフォルムの一番北にはトラヤヌスの円柱が鎮座しています。最早廃墟となったフォルムと違いほぼ完全な形で残っているので一見の価値ありです。
この円柱も大きい!台座込みで高さ38m、直径3.8mです。一つの石ではなく、20個の円柱を組み上げています。
一番上のブロックは53.3tもあります。どうやって上げたのか、興味深いですね。
この円柱にはトラヤヌス帝のダキア戦争の様子がレリーフで描かれています。昨日見たマルクス・アウレリアヌスの円柱の元祖ですね。
下のレリーフは要塞を建築している様子でしょうか。2000年前のものなのに現在の私が見てもすぐに意味が取れるのは驚きです。
ちなみに真ん中をよく見ると大理石の継ぎ目が入っています。
ここからはトラヤヌスの市場も良く見えます。上部に建物が増築されたのが分かりやすい。
道路の下を潜ってカエサルのフォルムの方へ行きます。道路下は如何にも古代遺跡という感じの雰囲気。
ローマの古写真が展示されていたりします。上の方にトラヤヌスの円柱がありますね。
びっくりなのですが、これを見る限り皇帝たちのフォルムは大半がアパートで覆われていたようです。
カエサルのフォルムに着きました。ここも例にもれず遺構は殆どありません。奥の茶と白の円柱はフォルムの中心だったウェヌス・ゲネトリクス神殿の跡です。
こちらがその柱です。カエサルのフォルムはその名の通りカエサルが作ったのですが、何回か火災の被害に遭って倒壊しています。そのため現在の柱はディオクレティアヌス帝が作ったものです。
この他に構造物と呼べるものは殆ど残っていませんでした。人が少なくのんびり見学できるのでオススメです。
フォリ・インペリアリ通りに戻ってきました。ここにはフォルムを作った皇帝の銅像が置かれています。
こちらはアウグストゥスですね。アウグストゥスと言えばこのポーズ!非常に分かりやすい。
続いてトラヤヌス。……ローマ皇帝は手を挙げるポーズが好きなのか?
背後にはトラヤヌスの市場が見えています。
ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世記念堂の前に来ました。北を向いているためド逆光。ローマは渋い遺跡が多いので、こうした新しい時代の建築は正直浮いています。
屋上からはローマが一望できるらしいのですが、正直どうでもいいので次の遺跡に行きます。ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世記念堂から徒歩5分程度西に行くと、遺跡が並ぶちょっとした広場に出ました。
ここはトッレ・アルジェンティーナ広場です。なぜわざわざ来たかというと、ここがカエサルが暗殺されたまさにその地だからです。
広場にはいくつかの神殿がありますが、紀元前4世紀~1世紀という古い時代に建てられたものだからいずれも皇帝のフォルムの神殿より小ぶりです。
カエサルが殺された場所は円形の神殿の後ろだったようです。ローマ帝国を創り、世界史の大転換点となった英雄カエサルですら、生身の人間であった事を思い知らされます。
……ほぼ2062年前にカエサルが死んだ場所に立っているかと思うと不思議な気分です。もしかしたらカエサルの吐いた息がこの辺をまだ漂っているかも……スゥ~ハァ~、ん?そういえばブルータスの息も漂っているかもしれないな、オエッ!
ちなみにこの広場は野良猫のコロニーとして知られています。というかそっちの方が有名かもしれません。しかし何故かこの時は一匹も見かけませんでした。謎だ……。
つづく
harimayatokubei.hatenablog.com