アクタウ~コングラード~ブハラ その2 地獄の列車と地平線編
列車は14時くらいに緩やかに発車しました。あっという間に町は終わり、あとはひたすら砂漠状の土地を走ります。速度は40km/hくらいでしょうか、チンタラ走ってるなぁという感想です。ちなみにこの段階ではコングラードに到着する時間は知りません!
さて、車窓にも全く変化が無いのですぐに飽きます。
その後はiPadに入れたゲーム(Fate/StayNight)や映画をやります。もちろんコンセントなんぞないので極力画面は暗くしたままです。
乗車1時間ー
毛布と布団が配布されました。基本的にゴロゴロするしかないので乗客は昼間であっても敷いています。
車窓からは謎の白い地層が見えます。
乗車2時間ー
ウズベキスタンの入国係員がやってきて簡易的な入国管理を始めました。突然の出来事でかなり驚いたのですが、どうやら国境での時間短縮目的のようです。
ウズベキスタンは外貨の持ち込みに非常に厳しいことで有名です。私達は外国人なのでドル・日本円・カザフスタンテンゲを全て提示させられ、ウズベキスタンスムで換算した値を報告しました。
さらっと書きましたが30分くらいかかりましたね・・・。
乗車4時間ー
昼寝をしてふと気がつくと夕暮れになっていました。
驚くべきことに線路は完璧に直線で360度地平線です。
線路がまっすぐすぎて先で繋がっているようにみえますね。
遠くで馬が草を食んでいます。おそらく野良馬ではなく遊牧民の馬でしょう。
こうして沈む夕陽を見ていると海と区別がつきませんね。
こうした風景は日本では北海道であっても決して見られないものです。このあたりの住民は見慣れているのかもしれませんが、私にとっては何故か感動的な風景でした。
ひとしきり外を眺めてから夕食です!
プラスチックの入れ物には下の乗客がくれたハンバーグなどが入っています。
もそもそと食べますが色々とひもじいですね・・・ベットがとにかく狭いのでだんだん欝になってきます。
食べ終わったらしばらくゲームをして寝ました。
乗車12時間後ー
午前一時に突然叩きおこされました。どうやらカザフスタンの出国審査が始まるようです。ベットで寝ていることは許されず、下のベットに座るよう命令されます。
まず初めにパスポートを回収されます。次に出国のための書類を書かされます。全てロシア語で万事休すかと思われましたが、地球の歩き方を参考にしてなんとか書ききりました。
荷物検査などは特に無かったと記憶しています。私の入国審査は5分程度で終了したのですが、車両全員の審査が完了するまで寝ることは許されません。iPadを見ることすら許されません。
30分ほどボケーっとしていると審査が終わったようで乗客がベットを出して寝始めました。ふと窓の外を見ると明かりがちらちら見えます。どうやら時刻表的にはベイネウという街に私達はいるようです。
非常に暗い街ですが、この辺では一番人が多いところなのでしょう。また、位置的にはロシアーウズベキスタンを繋ぐ大幹線とアクタウーアスタナを結ぶカザフスタンを東西に結ぶ路線が合流するところです。そのため、結構多くの旅人がこの付近を通っているはずです。
乗車14時間後ー
次にウズベキスタン側の入国審査が始まりました。カードに記入やパスポートチェックがあったのですが、正直ほとんど記憶がありません。
審査中に夜が白け始めたのはよく覚えています。
乗車20時間後ー
朝10時ごろに目が覚めると周りの乗客は朝ごはんを食べ始めていました。朝食の内容はプロフという炊き込みご飯です。昨晩の夕食に引き続き下の乗客に分けてもらいました。感謝です。
両替屋が乗ってきたので両替をします。1ドル=6800スムのレートで100ドル分両替しました。このレートは後にブハラで両替したときより2%程度悪いだけでした。ド辺境の地であることを考慮すると妥当でしょう。
昨日の夜は暇で暇でしょうがなかったですが、色々と吹っ切れたためか精神的に余裕が出てきました。到着まで6時間もあるのに「もうすぐ着くな~」とか思っていました。
乗車26時間後ー
とうとう我々の目的地であるコングラードが近づいてきました。周りの乗客も化粧をして到着に備えています。
乗客が「アムダリヤ!」と言うので撮った川。本当にアムダリヤ川どうかは不明。
ひたすらに荒野を走るため、本当にコングラードが近づいているのか分かりませんでしたが、列車は序々に速度を落としていきます。
そして、4時過ぎにコングラードに着きました。
小笠原までの22時間フェリーに乗ったことがあるのですが、フェリーはかなり自由に動けるのに対して、列車はほとんど自分のベットから動けなかったので、その開放感たるや素晴らしかったですね。
この後、我々はさらに東のブハラに向けて移動を開始します・・・。
harimayatokubei.hatenablog.com
つづく