冬のハンガリー温泉旅 その6 ~ケストヘイ観光① ハンガリー聖母教会~
狭軌鉄道の駅を出て、普通の鉄道のバラトンフェンブス駅に戻ってきました。
流石にホームには数人います。が、駅員はいないため列車内で切符を買います。
ホームで待っていると貨物列車が通過していきました。
最新式の電気機関車。ジーメンス社のベクトロンです。ハンガリー国鉄もちゃんと最新式の機関車を買っているんだなぁ。
と、思ったらやけに古っぽい列車が来ました。これが私たちが乗る10時33分発ケストヘイ行きです。
2両編成なのですが、車両同士で移動できないため、車両ごとに車掌がいます。人員の使い方が贅沢ですなぁ。
車内は4人掛けのボックス席が並んでおり意外にも快適。下手したら行きの寒すぎた急行よりも快適かも?
10時54分にBalatonszentgyörgy駅に到着。ここから北西に伸びる支線に入ります。
16分間停車するので外で写真を撮っていると、運転手から声を掛けられました。
「おい!そこの日本人!!」←身振りからの意訳
な、なんだ!?
「そんなに鉄道好きなら写真でも撮る!?」
お!……いいのか?
ハンガリー語なので意味は分からないけれど、撮らせてくれるようなので撮る。
おお。
うーむ。
運転台はともかく、配電盤は全く分からんwwwww
撮り終わったので、運転手にKöszönöm(クゥスヌム・ハンガリー語でありがとうの意)と言ってホームに戻ります。海外だと鉄道に興味を示す人は少ないせいか、こういう風に声を掛けられることは結構あります。大体は好意的なのでほっこりする場面。
(ちなみに、唯一ほっこりしなかったのが北朝鮮でした。鉄道は軍事機密にもなるので、写真に対して厳格な国もまだまだあります。あれは怖かった・・・・・・。)
列車も撮り終わってボケッとしているとまたまた貨物列車が通りました。
今回の機関車はレトロな感じ。非常に力強い轟音を立てて通過していきます。
しかし、この貨物列車……、、ホームにはみ出してないか??
貨物列車の通過後、定刻で発車して定刻でケストヘイに到着。
結構近代的な駅ですね。
この駅からヘーヴィーズ湖へのバスはありますが、私たちはケストヘイ市街も観光するのでパス。
エゲルにもあったような公園を抜け、
市街地を通って街の中心へ行きます。エゲルよりも近代的な感じ。
駅から10分ほどで街の中心広場に到着。
中央に聳えるのはハンガリー聖母教会です。
非常に直線的な後期ゴシック建築です。本体は1390年頃の完成。壁から出ているゴツいバットレスが如何にも中世建築感を出していますね!渋い!!
ちなみに、オスマン帝国時代は要塞として利用されていたようです。
上の写真は現地掲示板より。教会をモスクに改築ではなく、要塞にするとは。
そして、オスマン帝国が去った後の1878年に鐘楼が建設されました。写真を見ると鐘楼だけ新しいのがなんとなく分かると思います。
ただし、現地掲示板によると薔薇窓は14世紀のオリジナルのものを使っているそう。
教会の前にあるのはラツクフィー・イシュトバーンの銅像です。ラヨシュ1世のナポリ遠征に帯同したハンガリー騎士で「パラディン」と呼ばれたらしい。
正直あまり情報が無い人です。ちなみに、教会の中に墓があったらしいのですが、気付いたのは帰国後でした。残念。
さて、中に入ってみますか。
内部は非常にシンプルなリブ・ヴォールトの天井となっています。
が、手前と奥で明らかに古さが違う。
実はこの教会は奥の祭壇付近にだけ、中世当時の絵画が残っているのです。
非常に荘厳な雰囲気を醸し出すステンドグラス。
パキッとした色彩が中世っぽい。
ただ、このステンドグラスは当時のものかは不明です。
真に古いのはこのフレスコ画です。14世期の創建当初からあるフレスコ画は、1974年に修理のため漆喰を取り払ったところ偶然発見されたものです。
非常に渋い魅力がある画ですが、私の知識ではそれ以上なんとも表現しようがありません。なお、ハンガリー国内で最も古いフレスコ画だそうです。
やはりこの教会は奥の荘厳な雰囲気と、
祭壇から入口を撮影した時の雰囲気が全く違いますね。
地方都市の中規模の聖堂と言った雰囲気ですが、こういう場所に深い歴史が眠っているのがヨーロッパのいい所です。
さて、次はケストヘイのシンボルでもあるフェシュテティッチ宮殿に行きます。
つづく
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