転がる五円玉

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冬のハンガリー温泉旅 その5 ~バラトンフェンブス狭軌鉄道~

お~ん……ねみぃ……。

ハンガリー2日目の朝は5時に起床。本日もブダペストを離れて地方を観光します。本日向かうはバラトンフェンブス狭軌鉄道ケストヘイヘーヴィーズ湖の三か所。まずはバラトンフェンブスに向かいます。

 

朝6時前のブダペスト地下鉄はガラガラ。昨晩は結構混んでいたと記憶していましたが……まぁ、12月30日の早朝に働いている人はそうそういないという事でしょう。

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15分ほどでブダペスト南駅に到着。ここからはハンガリー西部・南部への国内線が発着しています。国際線が出る西駅と東駅よりはやや小さめの印象。大きなドームも無く、日本の駅っぽいですね。
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6時35分発ナジカニジャ行きに乗ります。西部にある都市ですね。
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う~ん、暗い……。それに寒い。外ほどではないにせよ、10℃前後くらいです。ほんのちょっぴり温かい程度。
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暗い客車内に10人ほどの乗客を乗せて発車しました。一応西部への幹線なのにこんなにガラガラでいいのか?

20分おきくらいで停車しながら列車は西へひた走ります。

途中、7時半すぎから車窓にはバラトン湖が広がり始めました。
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バラトン湖は東西に細長い形をしたハンガリー最大の湖です。というか東欧でも最大級だと思います。バカンス先として有名で、夏場には湖水浴客やヨット、セーリングなどで非常に賑わうようです。
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が、現在は全てが凍てついた12月。湖には人っ子一人いません。

ブダペストを出て2時間後の8時42分にバラトンフェンブス駅に着きました。バラトン湖南岸の小都市です。
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ここも保養地として有名ですが、相変わらず殆ど人はいません。それに非常に寒い。siriによると気温は1℃です……。結構堪える寒さだ。
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このように、季節によって観光客の数が変動するというのは日本人からすると中々奇妙です。ヨーロッパ人は長い休みを夏場に取り、日本人は短い休みを小刻みに取るからでしょうか。この違いは陽の長さによって生まれたと思います。

ヨーロッパの冬は昼が短すぎるから遊ぶ気になれず仕事に熱中し、夏は遊ぶ。日本は冬でもヨーロッパほど短くならないため、冬でもある程度の休暇を取る。まぁなんにせよ、これの良し悪しを論じるのは大変不毛です……。

 

さて、バラトンフェンブス駅から5分ほど歩くと、本日最初の目的地であるバラトンフェンブス狭軌鉄道に到着しました。(正確にはバラトンフェンブスGV駅。)f:id:harimayatokubei:20200910081759j:image

この鉄道は、鉄道ではあるのですが、普通の鉄道と大きな違いがあります。それはレール幅。通常の鉄道(新幹線も)は1435㎜ですが、ここは760㎜という非常に狭いレール幅の鉄道なのです。
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この760㎜はボスニア軌間と呼ばれており、オーストリア=ハンガリー帝国の旧領土内にしか存在しない非常に特殊なレール幅です(ちなみに、日本には762㎜の鉄道が存在する)。

しかもこのバラトンフェンブス狭軌鉄道はハンガリー国鉄直営なのです。このため、買おうと思えば日本からでも切符を購入できます。昔はハンガリーにも何本もの狭軌鉄道があったようなのですが、日本と同じように次々に廃止となってしまいました。そんな中、唯一2020年まで残ったのがこの鉄道です。
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オーストリア=ハンガリー帝国が残したレール幅をハンガリーで最後まで守り続ける鉄道だと思うと凄いような気がしてきませんか?まぁ、オーストリアやルーマニアにもボスニア軌間はあるにはありますが……。

 

現在では、14㎞の距離を35分かけて終点のソモギステンパル駅まで運行されています。平均時速はなんと24km/h!実にのんびりした鉄道です。1日4往復運行されており、私たちが乗る8時55分発は下りの始発列車です。

 

駅員に切符を求めようとしたら列車内で買うように、と言われたので早速乗車します。

中には巨大なストーブが設置してある他は木の堅い椅子があるのみです。意外と清潔な感じ。
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車両の壁には鉄道の案内や、野鳥に関するパネルが展示してあります。f:id:harimayatokubei:20200914234722j:image

まぁハンガリー語なので意味は分かりませんが、地図くらいは分かります。

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例によって無茶苦茶寒いので車内で震えながら待っていると、乗務員がやってきてストーブを点火してくれました。
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これがまぁ~~めちゃくちゃ温かい。点火して2分後には上着を脱ぐくらいに温かくなりました。

そしてこの乗務員から切符を購入。片道223フォリント(≒90円)。相変わらず安い。
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8時55分の定刻に出発しました。乗客は我々3人のみ。機関車の運転手と、客車の車掌の2人て運行しているようです。

沿線は普通の田舎町なので、ひたすら畑と林が広がります。
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一つ目のImremajor駅に到着。
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乗客は誰もおらずすぐに出発です。待合室とホームがあるだけの非常に簡素な駅ですが、意外にも駅としての体裁は整っていますね。
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4年前にウズベキスタンの鉄道でホームも何もない所で降ろされたのが個人的なトラウマになっているようです……(笑)

 

相変わらず車窓は田園風景ばっかり。
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ちょうど自転車くらいの速度でガタンゴトンとのんびり走行しています。速度がのんびりだからか、あまり揺れません。
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ちょっとだけ家々が増えてきたと思ったら……

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出発から35分きっかりで、終点のソモギステンパルに到着しました。
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ここもホームと屋根だけの待合室がある簡素な駅です。

到着したし外に出るか……と思っていたら、ガチャン!という音と共に機関車が離れていきました。
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そのまま終端まで行ってからポイントを切り替えて……
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逆方向に走って客車の逆方向に回り込みます。
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5分ほどで機回し作業完了。バラトンフェンブス方面に機関車が移動しました。
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実は、20年ほど前まで東京駅でも夜行列車の発車時に同じことをやっていました。混雑するホームを機関車だけが通過するのは中々シュールだったのを覚えています。

連結部分をよく見ると、輪っかがあってそこに棒を刺すという極端に単純な構造です。よくこれで動くなぁ。

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ここでソモスギテンパル駅の設備を見てみましょう。駅にはホームが存在する他、
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2つのベンチと屋根付きの待合(?)があります。

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ソモスギテンパル駅の設備 ~完~

こりゃなんというか駅というより停留所ですな。鉄道の最もシンプルな形という感じです。

 

結構色々書きましたが、実は終点での滞在は5分だけ。機関車がつけ変わったらすぐに出ます。

やけに素朴な踏切の看板を見ながらソモギステンパルを出発。
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相変わらず車内は我々だけ。この路線の存在意義が問われる……。
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と思ったら、一つ目のPálmajor駅でお爺さんが乗ってきました。かなり驚きです。
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それに、Imremajor駅でも親子が乗ってきて車内は乗客6人と乗員1人になりました。思ったよりも賑わっています。
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まぁ考えてみれば朝は下りよりも上りの方が混むのは当然ですね。乗車率は2割くらいでしょうか。

10時10分に定刻でバラトンフェンブス駅に到着。
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1時間ちょっとの鉄道旅はハンガリーのディープな部分にちょっとだけ触れたような牧歌的な雰囲気でした。どうやら夏場はトロッコ客車が連結されたりと、観光客で賑わうようです。アクセスも悪くないので、ハンガリー西部に行くなら是非とも訪れて欲しいスポットでした。

 

さて、狭軌鉄道は乗り終えたので、バラトン湖の西にあるケストヘイという街まで鉄道で向かいます。

 

つづく

harimayatokubei.hatenablog.com

 

バラトンフェンブス狭軌鉄道について

ハンガリー国鉄が運行する最後の狭軌鉄道。1日に4往復程度運行されている。

ハンガリー国鉄直営なので、公式HPから運行ダイヤと運賃を以下の手順で確認できる。

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Somogyszentpálは終点の駅名。GoogleMapからコピペ。

日付を指定すれば、当然その日のダイヤが表示される。下の画像はブダペストからの一例。

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プルダウンすると乗り換え時刻も表示される。

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列車番号をクリックすると途中駅の発着時刻も分かる。

 

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駅名をクリックするとその日の時刻表も分かる。

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このようにバラトンフェンブス狭軌鉄道は非常に利用しやすい。乗務員も確実にいるため、切符は現地で買うのが良いと思う。

時間があれば、1本逃して終点を散策するのもアリかもしれない。