転がる五円玉 ~旅と城と山~

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ナミビア でレンタカー旅行 その13 ~スケルトンコースト前編・オットセイのコロニーへ~

今回の旅行は全部で20日ほど。スワコップムントは全行程のほぼ中間地点に位置しています。このため、2泊して予備日として丸1日暇な日を作ってあります。車の整備とかやることがあったのですが、ですが、誘惑に負けてスカイダイビングを敢行!!

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Googlemapで「Skydiving」という文字を見つけてしまったんですなぁ。結構楽しいですよ。おすすめです。ジェットコースターよりも怖くないし爽快感がありました。

 

ダイブしてフラフラになってからは市内のスーパーで買い出し。

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寿司が売られていてしげしげを眺めていたら、売り場のあんちゃんに「写真撮ってくれよ!」と言われたのでパシャリ。スワコップムントはご存じの通り港町なので魚介類が豊富です。寿司も新鮮なのでしょう(高かったので食べず)。

ちなみに、彼の背後を見ると個包装された野菜が並んでいます。この通り、ナミビアはアフリカとは言ってもかなり近代的な雰囲気です。衛生レベルもかなり高い様子です。

 

買い出しをすませたら宿で車の掃除。
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砂漠を延々と走ったせいで砂まみれです。宿の主人から掃除機を借りて旅の後半戦に備えてpカピカにしました。

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そんなこんなで唯一の休日(?)はそこそこ動き回って終了しました。

車での移動は「○時までに着かなきゃ」という感じのプレッシャーを常に感じているので意外と疲労感が溜まります。それに余裕がない運転は事故の遠因となるので、こうした予備日はナミビア旅行では必須でしょう。

 

さて、日付が変わってスワコップムント3日目の朝を迎えました。本日は大西洋岸のスケルトンコースト(骸骨海岸)を北上します。

気合いを入れて出発!!とはならず、宿が快適すぎるので10時くらいまでダラダラ~~。10時半頃にようやく出発しました。

まず向かったのはスワコップムント駅。リューデリッツ駅が立派だったので、どんなものかと思い来てみましたが・・・・・・
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あ、あれ、線路が無い。ホームはあるので確かに鉄道駅だと思うのですが。周囲を散策してみたかったのですが、若者がたむろっておりイヤ~な雰囲気。危険地帯の臭いがプンプンしたのですぐに退散しました。

 

まぁ、駅にはたいして期待していなかったので別にいい。本命はこっち。町郊外の踏切です。どうやらナミビアの首都ウィントフックとスワコップムント間には1日1便列車がはしっているらしく、それの撮影に来たのです。

10時45分にスワコップムント着なので定刻通りならもうすぐ。ですが、ここはアフリカなので時間通りに来るとは限りません。30分待って来なかったらさっさと北上するつもりです。

 

踏切で待つこと10分・・・・・・遠くからゴゴンゴゴンという重低音が聞こえてきました。
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さっそくカメラを手にして撮影。全部で20両程度でしょうか?思ったよりも短い。
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ディーゼル機関車重連です。すごい迫力。よく見ると運転士がこっちを見ていますね。

実はこの列車、全て貨物ではなく1両だけ人を積んでいます。
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首都のウィントフックからウォルビスベイまで12時間とのこと。一回くらいは乗ってみたいような気もしますが、駅周辺の治安の悪さを考えると難しいか。

 

さて、スワコップムントでやる事は全てやったので一路北へ向かいます。
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この旅行中は基本的に晴れていたのに今日は曇りっぱなしです。砂漠の風景も相まって鬱っぽい感じ。

 

大西洋に沿った道を走る事40分。骸骨海岸名物の難破船が見えてきました。
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2008年に難破した、Zeila Shipwreck です。茶色の海、灰色の空も相まって実に陰鬱な雰囲気。適度に朽ち果てており絵になります。

上に書いた通り、骸骨海岸は非常に難破船が非常に多い地域です。というのも、冷たい海流に乗って海霧が発生しやすく、陸と海の境界が曖昧になって座礁するらしい。この曇った天気を見ると実感します。

20世紀には貨物船やら漁船やらが何隻も難破しました。GPSが発達した現在でも時々発生しており、直近では2018年に日本の漁船が難破しています(!)。

 

いや~しかし、ナミブ砂漠のパキッとした色彩と全然違いますねぇ。草木が無いのは同じなのですが、

 

さて、そんな難破船を尻目に更に進むこと30分、ある意味で本日の目玉であるケープ・クロスに到着。ここは自然保護区になっており、一人80NADの入場料を払います。

ケープ・クロスの目玉といえば、オットセイ。駐車場に入ると何匹もいる様子が分かります。かわいい~~!

しかし、のんきでいられたのもこの瞬間まででした。遊歩道を歩こうと車のドアを開けた瞬間!!くっっっっさ!?臭い!!!

めちゃめちゃ臭い!!動物園の100倍は臭い!!!!
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冷静に考えると野性の動物が何匹もいるので当然臭いのですが、ここまでとは予想外でした。余裕で人生一番の臭さです。

しかも動物園的なフンの臭さではなく、妙に甘ったるいような独特の臭いなのです。これは辛い。

 

ここにいるオットセイたちは駐車場内にも関わらずグデングデンと横たわっています。

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本当なら人間が記念写真でも撮るであろう石碑もこの通り。

上の写真にある通り、触れようと思えば触れられるレベルの距離感まで近づけます。オットセイは危機感があまり無いらしく、近づいてもちょっと鳴く程度です。
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駐車場を出て遊歩道を歩くのですが、道中もオットセイだらけ。人間用の東屋もこの通り占拠されています。
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遊歩道の端っこからは海岸が望めるのですが、あまりの光景に唖然としました。見渡す限りオットセイだらけ。
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この写真の左側にも延々オットセイがいるのです。おそらく軽く万はいるはず。この愛量のオットセイが激臭を生み出しているのです。

通路に横たわっているオットセイもいます。観光客がまたいでいるのですが、一切動じず。
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よく見ると、子供のオットセイが結構いることが分かります。中には死体のように動かない個体もいますね。
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いやはや……これだけオットセイがいると壮観といえば壮観ですが、臭いがとにかく辛い!中国人観光客も「Oh……」という感じの表情をしています。気持ちはよく分かる。
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臭いさえなければかわいいんですがね。実際写真だと愛くるしいのです。しかし、現地にいた時は全くそんなこと思えなかった……。
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さて、そんなオットセイの激臭が漂うケープ・クロスは歴史が深い場所でもあります。
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ケープ・クロス(十字架)の由来は駐車場の脇に建っているこの柱です。中央にあるこの紋章、なんだか見覚えがありませんか?

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5つの盾が並ぶのはポルトガルの紋章です。

大航海時代の1486年にポルトガル人の航海者がこの地に辿り着いた証として、この十字架の柱を建てたのです。要するに領有を宣言した訳ですね。

しかし、ご存じの通りこの土地はあまりに不毛すぎました。それから400年もの間無視されてきたのですが、1884年ドイツ帝国が今のナミビア全土を植民地化します。

その後、1893年にドイツの軍人が「ポルトガルの証があるのはおかしい!」として、この柱を引っこ抜いてベルリンに持ち帰ってしまいました。これは現在もベルリンのドイツ歴史博物館に展示してあります。

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その後レプリカの十字架が置かれ、今私たちが目にしているのはそれです。

下にあるのは石碑。右に大航海時代のキャラベル船が描かれています。Civでおなじみ。
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この辺の顛末はwikipediaに詳しいので興味がある方は読んでみて下さい。

しかしまぁ、オットセイしかいない無限の荒野に400年間も十字架が立ち続けたというのもロマンを感じる話です。

 

実際はオットセイの臭いでそんな感傷に浸れなかったのですがね!!!

 

さて、30分ほど滞在してさらに北へ進みます。服に臭いがつかないか心配でしたが、窓を全開にして5分ほど走ったら取れました……。

 

つづく

 

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今回の行程