ナミビアの空を飛ぶ ~ナミブ砂漠でスカイダイビング体験~
南アフリカからレンタカーで北上し、ついに大西洋沿岸の街スワコップムント(人口2万)に着いた我々。
観光地があまり無い街ですが、道中で最も大きい街なので2泊3日で休憩します。そのため1日だけ暇になるのですが、流石に暇すぎるだろう、と思いGoogleMapで面白そうなスポットを探していると……ありました。「GoSkydive4Fun - Swakopmund Skydiving Club」。どうやらスカイダイビングができるらしい。
まぁ、海外ではこういう時に「実はもうやってない」「会員限定」という事も多いので、確認を兼ねて事務所に突撃してみます。
スワコップムント市内から車でわずか5分程度で空港にある事務所到着しました。たまたま人がいたので「明日スカイダイビングできる~?」と聞いたら「OK」との返事が。
・・・・・・マジ?
(えっ、マジ?できるの??飛べちゃうの?しまった……もう少し覚悟完了してから来れば良かった。でもここで断ると「はー、やっぱりジャパニーズはチキンだな」なんて思われかねないし。うーん、それに折角のナミビアだし、暇だし、何か一つエキサイティングなこともしてみるか。)
OK。やります。
と、2秒後に返事をしてしまいました。
ここからは淡々と事務処理です。注意事項の説明とプランの解説。どうやら飛び立つ高さと写真・動画のセットで値段が変わるらしい。最もポピュラーな10000ft(3000m)からの飛び立ちで、写真と動画撮影で35000ナミビアドル。日本円で28000円。日本だと50000円以上はするので格安!その場でサクッとクレカで支払って申込を完了しました。
「明日は朝10時に来てね~」と見送られ宿に戻ります。うわ~、勢いで申し込んじまったよ~。
そして翌日。
10時ぴったりに事務所に到着しました。
天候は晴れ!これ以上無いほどのスカイダイビング日和。
11時頃にこの日飛ぶ4人が呼ばれてレクチャーを受けます。主な注意点は2点。一つ目は落下直後はエビ反りになること。英語では「Banana」と言っていました。姿勢を安定させるために必要なのでしょう。
二つ目に着地前は足を上げて、インストラクターから着地すること。結構な衝撃があるらしいので、気を付けたい。
今回は背中にインストラクターが張り付く「タンデム」という形式なので、注意点も二つほどで良いらしいのです。レクチャー後にハーネスを付けて待機。
先に白人の2人が飛び立ちます。
飛んだなぁ~と思ったら30分後には余裕の表情で帰ってきました。次は俺の番だと思うと若干緊張してきた……。
しかし、ここからが待った。待てど待てど全然声がかかる気配が無い。14時を回り緊張も解けた頃合いで「さぁ行くぞ!」と言われ、セスナに乗り込みました。
ここから先の写真は全部インストラクターの撮影です。セスナ機内は座席など無く、運動マットが敷いてあるだけ。体育座りをしたら離陸しました。ちなみにドアは開けっ放しです。
旅客機とは違い、セスナは軽いのでみるみる高度を上げていきます。約15分で10000ftに到着しました。眼下に広がるのは広大なナミビアの大地。
この辺りでゴーグルを装着します。が、なまじ頭が……もとい脳みそが大きいのでゴーグルが顔面に密着して右目が釣り上がってしまいます。既に細い目が更に細く……。しかし今更ゴーグルは変えられぬのです。
いよいよ飛び立つので後ろのインストラクターと密着します。この密着感たるや相当なもので、骨盤同士が完全にくっつくくらいです。もしインストラクターが女性だったらエラい事になっていました。インストラクター側も客が女性だったら大変だろう、いやむしろどうすればタンデム飛行ができるインストラクターになれるんだ……!?
なんて事を考えているとそのままズリズリを扉の前まで行き、扉から足を垂らして待機。レクチャー通り海老反りになっています。
この辺では達観しすぎて「空が青いなぁ」とか思っていました。
飛行機の外にいるので横風が凄まじい!姿勢がしっかりしている事を確認したらインストラクターが体をちょっと後ろに引き、そのままダイブ!!
うおおおおおおお落ちる!!凄まじい加速度。ジェットコースターのような胸がヒュンってする感覚が全身を襲います。前後左右上下が無茶苦茶になり、茶色の大地と青空が視界の中でぐるんぐるん回っています。
しかし、ものの1秒もすると姿勢が安定しました。
インストラクターに肩を叩かれたので、足はそのままで腕だけ広げます。
うーむ、これは……超気持ちいい!!ジェットコースターのような落ちている感覚は既にありません。下から猛烈な風を浴びつつ、空中を「飛んで」います。25年の人生の中で最も位置エネルギーを消費している……!自転車で坂道を下る快感の上位互換な感じ。
すると目の前を飛んでいるカメラマンが手足をバタバタさせ始めました。
ん……?何事だ?? あぁ〜ポーズしてくれ!って事か。
日本人らしいポーズとして「座禅」が思い浮かんだものの体勢的に当然無理。次に志村けんの「アイーン」が思い浮かんだものの流石に古いし右手のディテールが分からん。むむむ、そうこうしている間にどんどん落ちていく!ならばこれだ!!
合掌🙏。ツイッターでお馴染みです。
今思うと合掌波は日本的というかアジア的だし、かめはめ波の方が良かったかとも思いますが後の祭である。
合掌をしながら大地を眺めて「泊ってるのはあの辺りか……」とか思うほど余裕が出てきたら急減速しました。
グンッ!という衝撃があってから上を見るとパラシュートが開いています。どうやら自由落下は終わったらしい。
割と風を感じる程度の速さで地上へ降りていきます。ここからは15分間の空中遊泳とのことでしたが、インストラクターが「早く降りるぜ!」とか言ってパラシュートをすぼめて(!)急降下しはじめました。
ひえええええええ!!!(本当にこんな声出た)と叫びながら落ちると、地面はすぐそこ。既に10階建てのビルくらいまで降りています。地面にいる人もしっかり見える。
このまま下っていき、
着地!
1mくらい上から飛び降りた様な衝撃でした。地面に降りたらハーネスが外されて、スカイダイブ終了。おぉ、地面がふわふわする…。
私が事務所まで戻ると次は友人の番です。特に感想を伝える間もなく行ってしまいました。
同じようにセスナは離陸していき、ジャンプ……したらしい。うーむ、遠すぎて全く見えない!
しばらくするとパラシュートを開いて降りてくる姿が見えました。私の時と同じように結構な速さで下っています。
そして無事に着地。なんとか2人とも無事に還ってきました。
この後はハーネスとゴーグルを返却して、写真と映像をUPしてあるGoogleDriveのアドレスを渡されて解散です。
ふらふらしながら昼食のKFCスワコップムント店へ。余裕だと思っていたのに意外と食欲が無い。やっぱり体に結構負担がかかっていたと実感しました。
スカイダイビングは思ったよりも余裕でした。としまえんのジェットコースターの方が遥かに怖い。というのも胸がヒュンッとなる感覚が殆ど無いからです。「ナミビアでやると安全性は大丈夫なの?」とよく聞かれますが、問題無いと思います。というのも、ナミビアは意外にも経済的に先進的な地域なのです。住民は少ないけれど、数少ない住民は立派な家に住んでいます。物価も高い。料金が日本より安いのは空港使用料が0円に近いからでしょう。
まぁそんな訳でナミビアでスカイダイビングはかなりオススメです。人生観が変わる!とかではなく純粋に快感。楽しい。ただ、時間が読めないのでその点は注意が必要でした。
おわり