転がる五円玉 ~旅と城と山~

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9月中旬 月山登山 ~月山八合目から~

日時:2019年9月15日

CT:9時八合目駐車場<->10時仏生池小屋<->11時20分 山頂 11時45分<->12時30分仏生池小屋<->13時30分八合目駐車場

 

鳥海山登山で体がバキバキになった我々は、日の出とともに起床して月山へ向かったのであった。庄内平野の北に鳥海山、南に月山があるので、庄内平野を縦断して向かう格好になります。

通りがかったので城輪柵址に寄ってみました。奈良時代末期に出羽国国府として建設されたと言われる古代政庁跡です。

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草原の中に佇む門が絶妙な寂寥感を醸し出してる良い場所です。本当に空が広い。1300年前に平城京から赴任してきた役人はどういう気分だったんだろうか……。税金で門を復元することを決めた役人もどういう気分だったんだろうか……。

城の裏手からは鳥海山を望めます。ザ秋という感じの天気。

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公園なので入場無料だし庄内に来たら訪れてもいいんじゃないでしょうか。穴場スポットです。

 

そんなこんなで9時に月山八合目駐車場に到着。なんと駐車場が埋まっており路肩駐車待ったなしかと思いきや、タイミングよく車が出たので駐車できました。確実に停めたいなら日の出くらいには来ないといけない模様。今回は運が良かった。

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眼下には庄内平野が一望できます。地図通りの形をしていて結構感動です。
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さて登山開始。月山は標高差500mくらいなのであまり辛くは無い、と思っています。
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初めは弥陀ヶ原という湿原を歩きます。木道もきちんと整備されていますね。もう9月なので蒸し暑くもなく快適です。
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湿原を抜けると普通の登山道になります。いきなり森林限界を超えているので見晴らしが良い。
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と思ったら鬱蒼とした藪に囲まれたりもします。離合困難なほど狭いのでかなりペースダウン。
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尾根がはっきりしてきたあたりから岩が大きくなり、より登山らしくなります。
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雲の中に入りそうで入らない絶妙な天気。
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んーしかし、仏生池小屋のあたりからガスりました。残念。小屋には10時丁度に到着。
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小屋から20分ほど歩くと行者返しという急坂に差し掛かります。このコース唯一の難所。とはいえ鎖があるほどではないので1分ほどで通過。
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ここを超えると尾根線に登るので景色が一気に良くなります。
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名もなき1909m峰です。この辺りから完全に尾根上に乗ります。晴れてきてgoodな感じ。
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しんどい登りはもうありません。尾根上の木道をのんびりと進みます。前半はちょっと辛い箇所もあるけれど、最後はごほうびを与えてくれる懐の深い山です。
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快適に歩いていると頂上が見えてきました。
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11時に月山の三角点に到着!2時間でこれました。
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実は月山三角点(1979m)と月山最高点(1984m)は30mほど離れています。最高点は月山神社の境内にあるのでそちらへ向かいます。

神社近くで行者の集団に出会いました。信仰の山らしい遭遇。
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月山神社に着きました。拝観料は500円。月山の最高点は境内にあるので500円払わないと山頂には行けません。
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折角なので参拝しました。中では行者が祈祷をしており何事かと思いましたが、どうやら今日は閉山祭だったらしい。もうそんな時期かぁ。東北の山は閉まるのが早い。

ちなみに境内は撮影禁止なので写真はありません。

 

境内を出て昼飯を食べてたら一瞬だけ晴れました。新海アニメにありそうな風景。
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神社のすぐ横には八紘一宇の石碑がドドンと立っています。お察しの通り戦時中の建立です。
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11時45分に下山開始。山頂周辺の斜面は岩が草原に転がる特徴的な景観です。
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時々日差しが差していましたがこの辺りから完全にガスりました。
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特に見るものも無いので淡々と下ります。13時10分に最初の湿原まで戻ってきました。見ての通り混雑気味。
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登山口に帰還……ではなく、この建物は御田原参籠所です。ここから登山口は10分くらい。
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13時30分に八合目駐車場に到着。まぁまぁ疲れたかな、という感じ。前日に鳥海山登っていなかったら余裕だったでしょう。

月山はその名の通り穏やかな山でした。八合目からのルートは緩い登りが続くので初心者向けと言えます。草原が続く景観は一見の価値あり。

 

さて、ここまで来たらついでに羽黒山観光もしておきます。
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有名な羽黒山五重塔室町時代創建で国宝です。
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神社の境内は杉の大木が立ち並んでおり、普通の森とは完全に違います。流石は神域。
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入口から10分ほど歩くと五重塔に着きました。
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杉に紛れて存在している姿はかなり独特です。そもそも五重塔は遠くからでも拝めるようにするための建築なので森の中にあるのは本末転倒気味な感じですが、だからこそ強烈な個性が生まれています。

一般的な五重塔と違い塗装が無いので全体的には地味です。
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しかし、屋根の逓減率が大きく相輪も短めであるから安定感と重厚感が生まれています。600年前からここに立っているのも納得。

なにやら内部の特別拝観をしているようなので、ついでに見てみます。
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五重塔の屋根をこの近さから見られるのもそうそうない機会です。部材が正確無比に組み上げられているのが分かります。
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内部拝観とはいえ、2階の窓から上を覗き込めるだけです。2階の床から上は天井がなく、心柱の先端まで無数の材木が組まれている様子を確認できます。眺望を得るため、など役割などは無く、「そこに立つこと」だけが目的の建築であると改めて感じました。天守閣やミナレットとは根本的に違う。ちなみに撮影禁止。

内部拝観を終え改めて前景を眺めます。
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いややっぱり独特ですね……。そもそも建物は森を切り開いて建てられるものなので、こういう森の中にある建物自体見慣れていないからでしょうか。

 

実はこのあと山形で一泊して16日は蔵王山に行こうとしたのですが、土砂降りなのでキャンセル。でも庄内の名峰を2座登れたので満足です。どちらの山も最短ルートから高速で登ることは可能ですが、是非とも古来の遥拝道を使った方が楽しめると思います。東京から距離があるのでそうホイホイ来れないですし。

 

おわり