転がる五円玉 ~旅と城と山~

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令和の大嘗宮に行ってみた

 皇位継承時にしか実施されない特別な儀式「大嘗祭」。その舞台となる大嘗宮はわざわざこの儀式のためだけに作られ、取り壊されます。既に令和の大嘗祭は終わっていますが、宮内庁の粋な計らいにより一般市民でも大嘗宮を見学できるようになったので見に行ってみました。

 実際に行ってみると思ったよりスムーズでした。軽い注意点は以下。

  • 待ち時間は宮内庁HPにリアルタイムで記載あり
  • 入城から退城まで45分前後(待ち時間無)
  • 事前に関連資料を見ておくべき

 ネットには大嘗宮の地図や前回との比較図、施工した清水建設のコメントなどありますので、目を通しておくことをお勧めします。博物館ではないので、建物自体に案内など全くありません。おおよその建物の名は頭に叩き込んでおきましょう。

 

と、言う訳でレポートします。日曜の午後2時くらいに皇居外苑に到着。大勢の人が砂利道を歩いています。

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結構な人数がいるように思えますが、この日の待ち時間は0分でした。

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警察による手荷物検査を経ていざ入城。

今回の入口である坂下門は一般参賀などの特別なタイミングでしか通れないのでやや興奮します。

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宮内庁庁舎を間近で見られることもそうそうありません。昭和初期の建物らしく直線的で質実剛健な感じの建築です。

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江戸城のシンボルである富士見櫓の下を通り東御苑に向かいます。富士見櫓も間近で見る機会はあまりないのでこの時点でちょっとうれしい。
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ここから先は普段から入れる東御苑です。長い坂を越えると、向こうに白木造の建物群が見えてきました。あれが大嘗宮です。
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今回の見学は南→西→北と三方向を眺める形になります。ちなみに人だかりができている場所には議員らが参列した幄舎がありましたが、解体済みです。
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まず見えるのは膳屋です。神饌を調理した建物です。結構大きいが、脇役なので地味な存在。ちなみにプレハブ造りだったりします。
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次に見えるのは小忌幄舎です。男性皇族が参列した建物です。皇族数の減少により前回の大嘗祭よりも大分縮小されています。
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皇族の建物であっても意外と細い木材を使っているのが印象的です。

ここからは柴垣と白木屋根の風俗歌国栖古風幄(ふぞくうたくずのいにしえぶりのあく)が見えます。楽師が演奏をした建物です。皇族が控える小忌幄舎と比べて、小壁が無い、屋根の傾斜が強いなどの違いがあります。
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いよいよ中心まで近づいてきました。が、やっぱり人が多い。写真撮っても誰も動かないし中々に治安が悪いですねぇ。

手前にある壁も無い東屋は庭燎舎という庭火を焚いた建物です。その左奥にある同じような東屋は衛門幄という武官が着座した建物です。なんとなく武士の立場の低さを感じますな。
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ちなみに鳥居は東西南北にあり、庭燎舎と衛門幄も東西南北にあります。

黒木灯篭が各所に立っています。ただの灯篭なのに、皮付きなので独特で素朴な存在感を醸しています。
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ついに正面まで来ました。黒木造りの鳥居が見えます。左奥にある千木が飛び出た建物は主基殿です。大嘗祭のメインの片方ですね。
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前方に行くのは諦めて後方から撮ります。
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殿外小忌幄舎や雨儀御廊下などが中にはあるのですが、遠いので正直よく分からない。人が多いので女性は辛そうでした。

ちなみに柴垣の近くには消火器も用意されていますが、この通りカモフラージュされています。
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西側に回りました。西の鳥居と主基殿が近くに見えます。古代の建物とビルが同時に見える光景は東京ならではです。
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北西の辺りからは主基殿・悠紀殿の他に廻立殿(一番左)が見えます。
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廻立殿は奥の中心にあるのでメインっぽく思えるのですが、天皇皇后両陛下がお召し替えをなさった場所にすぎません。やはりメインは東西の主基殿・悠紀殿なのです。

北から廻立殿を眺めます。階段の木までが皮付きで恐ろしく重厚な雰囲気です。
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続いて東側に行きたかったのですが、電源設備などがあり途中までしか行けませんでした。それでも木々の間から悠紀殿が見えます。
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これで大嘗宮の見学は終了です。大手門は大混雑なので平川門から退場。
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こうした神殿を間近で見られる機会は中々無いので行ってよかったです。こうした建物を一回限りで使うのが非常に日本的で私は好みです。令和の御代において大嘗宮が作られることは二度とないにで、行く価値はあると思います。東京の真ん中だからアクセスも良いですし。

 

おわり