転がる五円玉 ~旅と城と山~

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2019年ローマ旅行:街歩き ~トレヴィの泉と浴場をリフォームした教会へ

円柱の少し南を歩いていると、謎の円柱群を見つけました。これはアドリアーノ神殿というらしいです。その名の通りハドリアヌス帝に捧げられた神殿ですが、見ての通り円柱と壁しかありません。

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昔はパルテノン神殿のような屋根付きの神殿だったのですが、長い年月で側壁のみが残り、後世の建物に吸収されてしまったのです。そのため、横から見ても現代の建物しかありません。

こういう遺跡が突然出てくるあたりは流石ローマですね!

 

さて、小径を通って東へ進んでいくととてつもなく人が多い広場に出ます。

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はい、見ての通りトレヴィの泉ですね。やけに仰々しい彫像たちは例によってベルニーニのデザインです。

コインを投げ入れたいのですが、はちゃめちゃに混んでおりそれどころではない。大柄の外国人だらけでオルスタのライブよりも辛い!!!しかも、こんなスリだらけの所で財布を出したらどうなるかは一目瞭然なので、コイン投げは断念しました。

 

トレヴィの泉から南東に坂を上るとクイリナーレ宮に面したクイリナーレ広場に出ます。ここにはクイリナーレのオベリスクが鎮座しています。

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左右にいる彫像はふたご座のカストルとポルックスです。この地にあったコンスタンティヌスの浴場のものをここで再利用しています。

クイリナーレ広場はローマの七丘で最も北にあり、最も高いクイリナーレの丘の頂点にあります。高い場所なので眺めはすこぶる良い。

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……この写真を見返すと左端のアラブ人?がこっちを睨んでますね。こえ~。

 

いい加減日も落ちてきたので宿方面に歩き出します。

すると、レンガ造りの大きな建物が見えてきました。

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これはサンタ・マリア・デランジェリ・エ・デイ・マルティーリ教会です。

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実はこの建物はディオクレティアヌスの浴場の廃墟をミケランジェロがリフォームしたものです。ブラタモリでもやっていましたね。入場無料なので入ってみます。

入口の玄関部分はパンテオンのようなドームの間です。

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ディオクレティアヌスの浴場は306年に完成したので、パンテオンの200年ほど後のものです。我々は古代ローマと一括りにしがちですが200年も差があると、江戸時代と現代くらいの差があります。ディオクレティアヌスの浴場は実質大江戸温泉物語だった……!?

玄関を通ると身廊に出るのですが、これがまた凄まじい大きさです。巨大さで言ったらサンピエトロ大聖堂とタメ張れるのではないでしょうか。

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いや~それにしても屋根の交差ヴォールトが大変見事ですねぇ。教科書に載せたいくらいだ。

肉眼では見えにくいような場所までこれでもかと装飾がなされています。

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柱一つ取っても無茶苦茶な大きさがよく分かります。

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このワインレッドの柱はローマ時代のものをそのまま使っています。エジプト産で、私が見る限りは一枚岩ですね……。こんな大きさの一枚岩をエジプトから持ってくるとは。流石は皇帝の名前を冠した浴場です。

浴場時代は身廊はもっと長かったのですが、今は短くなっており端っこはバロック時代の設計です。緑色片岩の柱がいいアクセントになっていますね。

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元々の浴場が自然光をふんだんに取り入れる設計だったので、この教会も窓が大きめになっています。が、既に日暮れなので全体的に薄暗い雰囲気に。これはこれで荘厳な雰囲気ですが、昼間にも来たかったなぁ。

外から眺めるとこの教会の継ぎはぎ具合がよく分かります。とても一つの教会だとは思えない!

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この教会は古代ローマ、ルネサンス、バロックの各様式が組み合わさっており、一か所で三度おいしい場所と言えるのではないでしょうか。地味ですが必見。

 

宿はここから徒歩で3分くらいの距離です。日没と同時に帰宅。ようやく帰ってこれた~!今日一日で20㎞は歩きました。ローマを本気で観光するには体力がいります。

明日はコロッセオ方面に行く予定。しっかりと夕食を食べて寝ました。

 

つづく

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今回訪れた場所

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