転がる五円玉 ~旅と城と山~

旅行や登山の記録を書いていきます。不定期更新 同人誌通販はこちら! https://korogaru5coin.booth.pm/

2019年2月イスタンブール旅行記:地下宮殿とモザイク博物館

イスタンブール最後の日!!

今日は15時25分発の飛行機でローマまで飛ぶので昼前にはイスタンブールを出なければなりません。しかも、空港がLCC御用達のサビハギョクチェン空港なのでバスで行く必要があります。地下鉄なんてものは無い?

嘆いてもしょうがないので、午前中にスルタンアフメット地区の観光地を巡ります。

まずは朝食。

f:id:harimayatokubei:20190829073503j:image

昨日と同じ焼きトウモロコシです。朝日を浴びながら食べるトウモロコシは美味い!

f:id:harimayatokubei:20190829073435j:image

手は相変わらずべちゃべちゃになりましたが噴水の水で洗いました。

朝もまだ早いのでアヤソフィア前の広場も閑散としています。まだ開いてませんが、東から太陽が差し込むアヤソフィア内部はさぞ美しいでしょう。一度入ってみたいものです。
f:id:harimayatokubei:20190829073450j:image

 

首都の貯水槽 ~地下宮殿

まずは地下宮殿へ行きます。スルタンアフメット地区の地下にあるため、入り口は地味で分かりにくいです。そのため、初めは「たいしたことないんじゃないか?」と思っていましたが、いざ入ってみて大変驚きました。

広い!!!
f:id:harimayatokubei:20190829073518j:image

体育館1個分くらいかと思いきや、サッカー場くらいあるようです。広すぎて先が見えない……。写真で写っている範囲の5倍くらいは広いです。

元々は貯水槽だったので、今でも下には水が溜まっており、静かで静謐な雰囲気です。RPGでよくある「地下水道」っぽい。意外にも空気は悪くありません。

最奥地には有名なメドゥーサの彫像があります。
f:id:harimayatokubei:20190829073443j:image

この地下宮殿を作った時代には、既にギリシアの神々への信仰は失われていたのでしょうか。それとも単に石材不足だったからかもしれません。城の転用石を同じような感じですかね。

参考

転用石 - Wikipedia

 

完全にスルーしていましたが、結構入り口側に「涙の柱」がありました。
f:id:harimayatokubei:20190829073421j:image

「奴隷たちが流した涙を彫った」とか言われていますが、これはヘラクレスのこん棒ですね。どうもエフェソスのアルテミス神殿から持ってきたものらしい(真偽不明)。

テオドシウスの広場にも同じ模様の残骸がありました。やはり、石材不足の時は太古の遺物を転用していたようです。

その他の柱についても柱頭の様式がバラバラで統一感がありません。まぁ人目につかない場所なので当然ですが。
f:id:harimayatokubei:20190829073507j:image

しかし、クレーンも無かった時代に石の一本柱を切り出してコンスタンティノープルまで運ぶのは相当コストが掛かったと想像できます。そうまでして貯水槽を作ったことから、ローマ文明が「水」を非常に重視していた事が伺えます。
f:id:harimayatokubei:20190829073410j:image

貯水槽という場所なので、地下宮殿の様相はユスティニアヌスの時代から全く変化していないと思われます。ある意味では最も濃厚にビザンツを感じられる場所かもしれません。

そうでなくとも薄暗い空間に柱がズラッと並ぶ光景は一見の価値ありです。有名なのも納得。

 

大宮殿の跡地 ~モザイク博物館

次はモザイク博物館へ行きます。ブルーモスクの裏手という滅茶苦茶分かりにくい場所にあるのですが、所々に「MOSAIC MUSEUM」という看板があったので意外とあっさり着きました。

人が多いブルーモスク前と比較して閑散としています。私以外に観光客はいません。
f:id:harimayatokubei:20190829073428j:image

この博物館にあったモザイク画はコンスタンティノープル大宮殿にあったものです。そのため、教会のモザイクとは違って俗っぽいモチーフが多いです。

基本的には中央の床に発掘当時のままのモザイクがあり、壁にも一部のモザイクが飾られています。

入口すぐにあるのはこれ、ラクダに乗る子供と奴隷」です。
f:id:harimayatokubei:20190829073511j:image

いきなりラクダとはパンチが効いた動物が出てきました。ローマ帝国メソポタミアまで版図だったので、ラクダも当然いたのでしょう。描写がリアルです。

奴隷の頭がもじゃもじゃでちょっと笑えます。よく考えると、ローマ人はどうやって髪を切っていたのでしょうか?謎だ……。
f:id:harimayatokubei:20190829073514j:image

 

謎の遊びをする子供です。車輪を棒で転がしていますね。車輪を早く転がした人が勝ち、とかでしょうか。
f:id:harimayatokubei:20190829073413j:image

狩りをする男性のモザイクです。躍動感が凄い。
f:id:harimayatokubei:20190829073432j:image

 

床には鹿を食べるヒョウとトカゲを食べるキメラ?のモザイクがあります。流れる血に妙なリアリティがあります。非常に血なまぐさいモチーフです。ヨーロッパにいない動物をわざわざ描くのは領土の広さを誇示しているからでしょうか。
f:id:harimayatokubei:20190829073424j:image

 

アブラヤシの実を取る奴隷です。身長を見るにまだ子供でしょう。この画は人・鳥・木の描写がリアルで、奴隷が棒を動かしている様子が目に浮かぶようです。
f:id:harimayatokubei:20190829073447j:image

 

ライオンを絞め殺すゾウです。これまたリアルで、このモザイクを作った絵師が本物のゾウとライオンを見たことがあることが伺えます。
f:id:harimayatokubei:20190829073440j:image

 

これらのモザイクをよく見ると草の形を表現するために細い石まで使っていることが分かります。一体どれだけの石が使われているのでしょう。気が遠くなる。
f:id:harimayatokubei:20190829073417j:image

 

最後にあったのは植物に囲まれた男の顔です。なんだかジュゼッペ・アルチンボルドの絵を思い出します。なんだか現代にもありそう。
f:id:harimayatokubei:20190829073458j:image

20分ほどもあれば全部見ることができました。教会のモザイクと違い、深い感動を呼び起こすような絵ではありませんが、当時の社会の雰囲気が良く伝わってきました。まぁ、ここは時間があればおすすめです。

 

さて、そろそろ時間が無くなってきましたが、最後にトプカプ宮殿へ行きます。

 

つづく

harimayatokubei.hatenablog.com

本日訪れたところ

goo.gl

goo.gl

 

今回はブルーモスク裏の商店街にいた猫です。朝日を浴びて眩しそう。まぁ、私が露出をミスったせいですが。

f:id:harimayatokubei:20190829073453j:image