転がる五円玉 ~旅と城と山~

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2019年2月イスタンブール旅行記:華やかなミフリマー・スルタン・モスクとエディルネ門

女性に捧げられたモスク

教会から西に少し歩くと大通りとちょっとした広場に出ました。ここはイスタンブール第六の丘の頂点で、エディルネ門があります。

その第六の丘に建っているのがミフリマー・スルタン・モスクです。1562年から1565年までにミマール・シナンによって建設されました。スレイマン・モスクよりも少し後ですね。

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このモスクはスレイマン一世の娘にして大宰相リュステム・パシャの妻であるミフリマー・スルタンに捧げられた建物です。なんでもシナンはこの皇帝の娘に密かに恋していたとかなんとか。ロマンティックですが、シナンも既婚者であったことを鑑みると……どなんですかね?

それはさておき、城壁沿いはごみごみした市街地が続いていたので、こうしたモスクがあるのは意外に感じます。
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側面に副ドームが無いのですっきりとしたシンプルな様相を呈していしています。上部のカクカクしたバットレスが非常に洗練された雰囲気です。

この建物に限らずシナンの建築は柱上部のムカルナスも近代的なシンプルさがあります。
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外部はシンプルでしたが、中に入ると大変驚きました。

明るい……!!とても明るいです。大きい窓が多く配置されており、壁というよりは殆ど窓になっています。
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この明るさはミフリマー・スルタンの性格を反映させていると考えられています。

大ドームの窓やミフラーブ裏の窓にはカラフルなステンドグラスが導入されており、華やかな雰囲気に一役買っています。
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いいですね……このモスク。スレイマンモスクのような威圧感はありませんが、洗練さと華やかさを兼ね備えており建物と光に包み込まれるような雰囲気は圧巻です。

シナンが非常に気合を入れて制作したことがなんとなく分かります。前述の恋話が生まれたのも納得の素晴らしいモスクでした。

 

征服王の入城

さて、モスクを見たら城壁の外に行きます。下の写真は内側から見た大城壁のエディルネ門です。ビザンツ帝国時代はカリシウス門と呼ばれていました。
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無理やり道路として使用しているせいで車同士がお見合いしていますが、この門は1453年にコンスタンティノープルを陥落させたメフメト2世が入城したことで有名です。このあとメフメト2世はアヤソフィアに赴き、神に勝利を感謝しました。
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そのような偉大な門にも関わらず外から見ると意外にも小さいです。門の見栄えよりも防御力を重視している事が伺えます。門に行こうとすると、正面と左右の3方向から集中砲火を受ける構造になっています。これは日本の城郭にも採用されている基本的な防御構成ですね。

歴史的に非常に深いためか門周辺の城壁は綺麗に整備されています(左の旗がある塔あたりが門です)。
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う~んしかし、綺麗に整備されて公園化されるとちょっとチープな感じもしてしまいますね。

引き続き城壁沿いを南下していきます。

 

つづく

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