転がる五円玉

新米社会人のみたままを書こうと思います。旅行・アイマスなど

秋の長崎旅行 2018 2日目 長崎造船所と針尾送信所、平戸城

10時間強制的に寝たらかなり体調は良くなりました。やっぱり風邪は寝て治すに限る。

 

本日最初の行き先は長崎造船所です。最近の工場のご多聞にもれずここも一般公開をしています。

www.mhi.com

ただし公開しているとはいえ、海上自衛隊の新鋭艦を建造したりしている工場なので、見学できる場所は「史料館」という建物内です。また、ふらっと訪れられる訳ではなく電話予約が必要です。

 

私たちは朝8時40分長崎駅発の初回で見学しました。駅前にマイクロバスがやってきたので見学料800円を支払って乗り込みます。

他にも客が来るかと思いきや私たち2人だけでした!一応日曜日なのに……。

 

駅から10分くらいで造船所の敷地内に入ります。ガントリークレーンやLNG船の建造現場が目の前から見えますが機密保持のため撮影禁止です。ちょっと残念ですがしょうがない。

「史料館」に着きました。この建物は木型場と呼ばれており、長崎造船所最古の工場建屋で、世界遺産にもなっています。

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ロマネスク建築のような重厚感を感じる建築です。

 

中はずらりと様々な展示品が置かれています。手入れの入念さからそんじょそこらの企業とは違う歴史を感じます。
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本当に色々置かれているので、本気でじっくり見ると2時間くらいはかかりそうですが長崎駅からバスで来ている都合上50分しか見学の時間がありません。

そのためか案内員さんが超スピードで解説してくれます。この解説についていければ50分ぴったりで全ての展示物を見れます。

 

入口にはものすごく偉そうな(実際偉い)岩崎弥太郎銅像が置いてあります。リーダーシップの塊みたいな人ですねぇ。現代の経営者からは感じられない覇気があります。
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背後にある写真は歴代の長崎造船所長です。これまたそこら辺の工場とは違う歴史と風格を既に感じます。

 

はじめに目にする巨大な銅鐸のようなものは江戸時代後期の「泳気鐘」という潜水道具です。鐘ごと人を沈めて、底から海中を観察するという超原始的な方法で海底調査をしていました。
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実際に中を覗き込めるのですが、ほぼ真っ暗です。これで調査していたという事がにわかには信じがたい物品でした。

 

これは明治期に英国から輸入したクレーンの銘板です。ぬめっとした鋼鉄独特の鈍い光沢を放っています。部屋のインテリアに欲しい一品。

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長崎造船所は戦前戦後にかけて軍艦も建造しているので、それらに関連する物品も数多くあります。

中でも注目度の高い逸品がこちら。f:id:harimayatokubei:20190121212150j:image

「艦号第二」ってなんだよ、と思うかもしれません。実はこれ戦艦「武蔵」の進水式で使用された支縄切断斧です。当時は「武蔵」の建造は国家機密だったため艦名を隠しています。

支縄とは船とドックを繋ぐ最後の縄で、これを切ることで船が進水します。「船の誕生」を意味する儀式なのでこの縄を切る役目は伝統的に女性が担います。

↓現代の支縄切断式はこちらの記事が参考になります。

ameblo.jp


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そしてこれが斧で割った時の台で、よく見ると中央やや右に切り傷がついています。これは断斧を担当した女性が緊張して手が震えたためだと言われています。世界一の巨大戦艦ですから無理もないですね。なお、ミリオタならすぐ分かるでしょうが写真の船は同型艦戦艦大和です。

 

こちらは鶴見発電所のタービンです。細かい羽根の一つ一つが職人によって溶接されています。
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メタメタにひしゃげているタービンは「スペイン向けタービンローター破裂事故」のものです。f:id:harimayatokubei:20190121212051j:image

事故の詳細は失敗百選に詳しいです。

www.shippai.org

要は試運転中のタービンが突如破裂、破片が飛散し4人が死亡したという事故です。11トンの破片は1.5kmも飛んだらしい(!)

実際に触ってみるとひしゃげている羽根ですら1cm近い厚さがあるんですよね。これが破裂するとは……。重工系の会社はカッコいイメージがあるのですが、こういう危険とも隣り合わせである事は心に留めておかねばなりませんね。

この他にも巨大タービンや超巨大岩崎家家系図など面白展示物が沢山あります。ミリオタはもちろんエンジン好きでも充分楽しめるでしょう。800円でこれは安い!

 

マイクロバスで長崎駅に戻ってから造船所の対岸に来ました。ザ港町という景観です。それも週一回しか船が来ないようななんちゃって港町じゃなくて毎日数万トン級の船が来航する港町です。いいですねぇ長崎。観光には最高です。坂が多すぎるので住みたいとは思いませんが……。
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ちなみに左の船は排水量13万トンを誇る「MSCスプレンディダ」です。奥に泊まっているイージス艦の14倍の大きさです!ただひたすらデカい。一度は乗ってみたいですなぁ。

 

レンタカーを借りて佐世保方面へ行きます。

途中で立ち寄ったところがこちらの「長崎工業高校」です。知ってる人は知っているでしょうが、かの有名な福山雅治の母校です。
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この日はちょうど文化祭をやってて中に(合法的に)入れました。まぁ福山雅治の母校とはいえ中は普通です。

 

長崎市を出て国道206号をゆるゆると北上します。次の目的地は針尾送信所です。長崎の珍スポットとして一部界隈で有名なの場所ですね。

長崎市から1時間ほど、西海橋に差し掛かったら全方左手に謎の柱が3本見えてきました。
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天を衝くように建っているあれこそが針尾送信所の巨大電波塔です。2階建の民家しかない田園地帯に忽然と建っており違和感が凄まじい。

 

橋を渡ってみかん畑を車で進む事5分で麓に着きました。f:id:harimayatokubei:20190121212202j:image

!!これはデカい!ヤバい!実際に根元から見上げると「でけぇ……」という感想しか出てきません。

ビルや大仏と違って捉えどころのない形をしているためある種の不気味ささえ感じます。

高さ135mなので東京駅前の鉄鋼ビルとほぼ同じ大きさです。都会に建っていても違和感はないけれど田舎に建っているためギャップがすごい。すごすぎる。

 

3本あるうちの1本は中に入ることもできます。これまたすごい眺めです。
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高さ135mもの吹き抜け空間は中々お目にかかれません。小窓から入る光も相まって近未来的な様相を呈しています。

電波塔が現役だった頃は3本の頂上を電線で結んでいたようです。

 

3本の電波塔の中央には現役の送信施設がある他に戦前の電信室もあります。

電信室は中に入れませんが近くまで行けます。蔦が絡んでおり古代遺跡のようですね……。背後の電波塔も相まって独特すぎる景観を成しています。
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見学受付は石造りで中世初期の教会のような素朴な雰囲気です。昼間はボランティアの方がこちらにいるのでタイミングが合えば案内してくれます。(私たちが行った時は昼休憩をしていました)。
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針尾送信所は正直かなり良いです。

長崎〜佐世保の途中にありますし国道からも近いし、長崎県を観光する際には寄るべき場所だと思います。見学に必要な時間もせいぜい10分ほどですので是非どうぞ。

 

送信所を出てハウステンボス佐世保市を横切って平戸へ向かいます。途中で昼飯を食べました。
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やっぱり九州は豚骨ですよね。普通に美味い。それに安い。

 

佐世保から車を走らせること1時間、平戸大橋を渡って平戸市に入ります。まず行くのは平戸城です。

平戸城は平戸湾の東側にある高台に位置しています。平戸市街地と交通の要衝である平戸瀬戸を一望でき、三方を海に囲まれているため防御も容易いでしょう。城の立地のお手本のような城です。

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二の丸の西側にある駐車場に車を停めて登城します。まずは三重の乾櫓が見えてきま。往年は平戸城で最も大きく象徴的な櫓だったようです。昭和に復元されました。下見板がやや赤っぽい感じがします。

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平戸城は小さめの城ですが、現存の櫓と門があります。こちらは狸櫓で現存の平櫓です。
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規模はあまり大きくなく城の櫓っぽくありません。

狸櫓の隣には石狭間がある塀があります。狭間は普通は壁に開けるのですが、こうした石積に開ける事は非常に珍しいですね。
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 おそらく本丸下を狙っているのでしょうが、塀の外が雑木林なのでよく分からない…。

急な坂を登って本丸に至ります。こちらの門は復元です。
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 ちなみに平戸城は1707年に再建された城です。石垣技術の最盛期であった慶長年間(1610年くらい)から100年近く経っているせいか石垣は全体的に未熟な感じがします。例えばこの門の石垣も石が小さいし算木積みが甘くなっています。

 

二の丸と比べてかなり狭い本丸に平戸城天守閣が建っています。ただ、江戸時代はこちらの天守閣があった場所には普通の二重櫓が建っていたようです。
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二重櫓用の小さい石垣の上に無理やり建てたため、外からは3重、内からは4重に見えるといういびつな構造になっています(写真は横からの様子)。

中は平戸藩主松浦氏ゆかりの品が展示してありますが興味深いものが無かったので割愛。

最上階からは平戸城下町が望めます。

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反対からは平戸瀬戸がバッチリ見えます。平戸城が建てられた理由がこの眺めで分かります。
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見えている櫓は見奏櫓と懐柔櫓です(どちらも復元)。懐柔櫓とは大変珍しい名前ですがどう言った由来なのでしょうか……?

本丸と二の丸(左上)を見下ろします。本丸の塀がやけにカクカクしており山鹿流らしい感じです。そういえば同じ山鹿流で設計された赤穂城も同じようにカクカクしていました。

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天守閣を降りて城を出ます。狸櫓の隣には現存門である北虎口門があります。窓の配置が面白いですね。
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左右の塀の狭間がかまぼこ型と細長い台形をしています。この城は狭間も特徴的で面白い!

北虎口門の横には地蔵櫓(復元)があります。このあたりは高めの石垣が続いており城っぽい景観です。


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城を下って平戸城下町から城を眺めます。天守閣が非常に目立ちますね!一方、三重の乾櫓は木々に隠れて殆ど見えません。
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こういう光景から天守閣のシンボリックさがよく分かります。模擬だろうとなんだろうと天守閣を建てる、という平戸市の判断は間違っていなかったと思います。模擬天守は城オタク的には微妙な気もしますがww

平戸城は全体的に木が生い茂っており、捉えどころがない城でした。正直言って構造はかなり分かりにくいです。また、復元された櫓や天守は多いものの、考証が雑な印象も受けました。

とはいえ現存の櫓と門がありますし、何より天守閣からの眺めが大変良いので平戸に来たら登っておくべきでしょう。

 

平戸は明治以降大きく発展しなかったおかげで昔ながらの街並みがよく残っています。
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個人的にはかなり好みですが立地のせいであまり観光客は来ていない印象です。頑張れ。

また一時期は日本の対オランダ貿易の玄関口になったため、オランダ関連の史跡がいくつかあります。

これはオランダ塀。この下にあったオランダ商館を覗かれないように築かれました。
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これはオランダ井戸。オランダ商館で使われていた井戸です。
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こちらはオランダ埠頭。ここで荷物の積み下ろしをしていました。
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こういう細かい遺跡は歴史を直に感じられて良いですね。ちなみにオランダ商館は倉庫が復元されています。今は史料館になっているのですが時間が無いので今回はスルーしました。

 

町からは平戸ザビエル記念教会が望めました。ちなみに手前には寺があります。日本人は宗教の対立という事象に疎いのですが、ここ長崎では一筋縄ではいかない展開があった事が想像できます。
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夕陽が綺麗そうなので平戸島の北西にある生月島へ行きます。

生月島の西海岸は断崖絶壁が続いており豪快な景色になっています。これは御崎柱状節理です。切り立った崖に柱のような石が連なっています。なかなか不思議な光景です。
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柱状節理から車で5分ほどで本日の最終目的地である大バエ灯台に着きました。
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若干ずんぐり気味ですがシンプルな灯台です。夕方なのでレンズが灯っています。やっぱり灯台は光っている方がそれっぽいですね。

また灯台にベランダが付いており、レンズの間近まで行けます。こういう灯台は非常に珍しいですね。レンズの前に観光客が立ったら光が見えにくくなってしまうと思うのですが大丈夫なのでしょうか。

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灯台だけあって眺めは最高です。こいつはいい夕陽が見れそうだ。
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……と思ったら微妙に曇っているせいで中途半端な夕陽になってしまいました。だるま夕陽も狙えそうだったんですが、残念!
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この日は佐世保郊外に宿を取っているため1時間かけて戻りました。体調は回復したと思いきや今度はなぜか咳が止まりません!死ぬほど咳き込みながら眠りにつきました。でも咳が止まらないから寝れねぇ……。

harimayatokubei.hatenablog.com


つづく