転がる五円玉 ~旅と城と山~

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廃止間近の三江線乗車② 江津→三次 2018年2月

江津本町駅に着きました。

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わずか一駅でこの秘境感。流石は三江線です。

待合室の中は至って普通の感じ。

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駅寝はしやすそうですね。ただ、掲示板には注意書きが書かれていました。

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もの凄く静かな駅です。ホームに立ちながら江の川の流れを眺めていると、時の流れがゆっくりという言葉を実感できます。

20分ほど駅に佇んでいると列車が来ました。431D浜原行きです。

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意外にも二両編成。鉄オタでいっぱいかと思いきや一車輌に5人程度いるだけでした。やはり浜原から先が不通だからでしょう。

 

江の川沿いを走行していきます。

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しかし、速度が出ない。先頭から車窓を見ているとよく分かるのですが、30km/h制限区間が多すぎて全く本来の性能を出せていない感じ。どうやらこの徐行は名前まで付いているようですね。

必殺徐行とは (ヒッサツジョコウとは) [単語記事] - ニコニコ大百科

また、線路際の草木が繁茂しすぎているせいで、割と頻繁にバチバチッ!と派手な音を立てて草木の枝と接触します。正直言って結構驚きます。

 

この区間三江線でも最も古い区間であるためか、本当に川沿いをクネクネ進んでいきます。しかし、平行する道路の車に余裕で抜かされているのが悲しい。

 

だんだん霧が濃くなってきました。川すら見えず車窓も単調です。

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淡々を駅を眺めているうちに石見川本駅に到着しました。地元客と見受けられる乗客が数人下車していきました。

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江津から初めての列車交換駅なので対向を待ちます。5分程度なので途中下車はできませんが、しばし撮影タイム。

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列車交換駅だけあって若干の賑わいがあります。それでも一日の乗降人数は22人なのですよね・・・・・・。

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廃線時独特の幕もあります。

 

対向が来たのですぐに出発します。相変わらず速度は出ませんが、淡々と東へ進みます。ちなみに、ここから先は地元客は一人もおらず全員終点まで乗りました。

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途中でいくつもの駅を過ぎてから、

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終点である浜原駅に着きました。

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時刻は既に午後7時前。完全に真っ暗ですね。

 

駅の待合室は10m四方くらいで乗降客数と比較して大きい印象です。三江線は浜原で乗り継ぎとなる列車が多く存在しているからでしょう。

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駅前広場には自動販売機が煌々と光を放っていました。

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家々からは全く光が見えませんが人は住んでいるのでしょうか・・・?ちなみに、駅前の人気の無さに反して車は時々通りかかります。

 

なんだかんだで30分程度は暇なので駅やその周りをウロウロしていました。

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定刻より10分程度遅れて代行バスが到着しました。

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浜原からの乗客は全部で7人。満席です。2人が潮駅、私が宇都井駅で他は三次まで行くようです。

 

潮~石見都賀間は国道375を通ることもあってか、とてつもない速度でブッ飛ばしていいます。遅れを取り戻さなければならないこともあってかとにかく速い!!!

 

と、いう訳でほぼ定刻で宇都井駅に到着しました。

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乗る人もおらずすぐに発車していきました。

 さて、宇都井駅ですが、これはすごい。

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写真ですと凄さが中々分かりにくいですが、とにかく凄い。単純な高さではなくて、過疎地帯にこのような巨大な建築物が聳え立っていることが凄い。真っ暗な山中を走行していてこの建物が突然見えると本当に驚きます。この周辺だけ異次元というか亜空間というか明らかにここ数時間の田舎とは異なった雰囲気です。

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宇都井駅からすぐの民泊である「うづい通信部」からは駅が非常によく見えます。ライトアップも思ったより本格的でした。

 

民泊は素泊まり4000円、夕食1000円、朝食500円です。1人でも2人でも受け付けているようですので、三江線に来たときは是非ともいかがでしょうか。

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ちと見苦しいですが部屋の写真も。明日は朝6時29分発の三次行きに乗るので10時には就寝して5時半に起床しました。

 

朝食を食べて駅に向かいます。50mくらいの距離なのですぐに着きました。よく考えたら昨晩に駅を上っていなかったため10分くらいしか時間はありませんが、今登ります。116段、急げッ!

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普段から登山しているためか1分程度で着きました。ゼェハァ

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明かりが灯るホームには小雪が舞い散ります。駅の周囲を眺めても民泊の明かりしか見えません。本当に山奥の駅です。

待合室は普通ですね。もっとも列車の本数は極端に少ないですが。

階段を大急ぎで下りている途中で、「お客様にご連絡します。代行バスは地上の駅前広場に到着します。ホームにはやってきませんのでご注意下さい。」という放送が流れてきました。どうやら、宇都井のような駅も拠点駅からちゃんと監視しているようです。

 

ほぼ定刻に代行バスがやってきました。

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どうやらこの便の代行バスは国道を速達で走る中型バスと、細い道にも入れるバンの2台体制で運行しているようです。確かに地図を見ると、三江線が国道からちょくちょく外れるせいで、自動車では結構非効率的なルートになってしまいます。

 

口羽駅で中型バスに乗り換えました。乗客の移動は以下の通り

  • 中型バス→バン 鉄オタっぽい男性
  • バン→中型バス 地元客のおばあさん・私

中型バスは口羽→三次ノンストップ直通です。下手したら三江線よりもよっぽど使い勝手が良い・・・。

国道から車窓を眺めていると良く分かりますが、三江線沿いの方が家並みがありますね。明らかに島根側より発展(?)している印象です。

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無事に定刻よりも10分早く三次駅に到着しました。駅前にアパートもあるし明らかに今までの駅とは違う発展度です。

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これにて、ほぼ三江線完乗達成です。やはりと言うかなんと言うか、本当に鉄道である意味がない地域にある路線だな・・・・・・という感想。代行バスに乗ってよく分かりましたが、バスの方が100倍便利でした。

また、宇都井駅を見て思ったのですが、あの立派な駅は一体どれだけの利益を稼ぎ出したのでしょうか・・・・・・。そう思うと暗澹たる気持ちになります。

終点駅がもうちょっと都会であてば観光列車を走らせることも出来たのでしょうが、あらゆる意味でアクセスが悪いため不可能となってしまったようです。木次線が観光列車を走らせる余裕があるのは、松江と出雲という都市の近くから伸びているからでしょうね。他の路線もギリギリの状況ですが、なんとか頑張って欲しいところです。

 

おわり