転がる五円玉 ~旅と城と山~

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女満別空港から西女満別駅へは歩いていけるか?

地方空港は市街地から離れた農村地帯にあることが多いので、普通は車でアクセスする。

しかし、そんな常識に風穴を開けるかもしれない空港がある。それが女満別空港だ。

下の写真を見て欲しい。空港ターミナルから鉄道の線路までは最短地点で400mほど、最寄駅までも2km弱の距離しかない。2kmならば十分に歩ける距離ではないか?

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という訳で、実際に歩いてみた。

女満別に降り立ったのは9月の上旬。東京は残暑で連日30℃超えだが、女満別空港は23℃という快適極まりない気温だった。

JALの便は羽田空港12:20発・女満別空港14:00着なので、15:41に西女満別を出る列車には余裕をもって乗れる。空港で昼飯を食べてから14時30分に出発。

空港ターミナルビルの前には網走駅行きのバス停が設置されているが、当然のように無視して駅へ歩き出す。

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ターミナル周辺は人が多かったが、徒歩30秒ほどであたりは静寂に包まれた。周りの人と違う方向に歩いているので冒険が始まる感すらある。

駐車場の脇まで来ると北海道らしい爽快な風景が広がってきた。

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 あぁ~気持ちいい。風がさわやかすぎる。

歩くこと5分程度で空港の敷地内を出た。左が西女満別駅方面なのだが、標識などはない。

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のんびりと道道64号を南に向かって歩く。歩道はないものの交通量は少ないため危険は少ない。

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ターミナルから徒歩10分くらいの位置にあるT字路を目安に右に曲がる。相変わらず農村風景が広がる。割とサクサク歩いているが、風が爽快すぎるのであまり汗をかいていない。

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途中で高規格道路を越える。網走~美幌の幹線道路だからか交通量は多い。

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いままでは平坦な農地だったが、道路を越えると下りが始まる。周囲には鬱蒼とした森が広がるようになった。

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下り坂の途中に跨線橋がある。

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橋からは目的地である西女満別駅が見えた。うーむ、秘境駅っぽい感じ。

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森を抜けると開けた場所に出た。ここでV字に曲がる。

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森へと続く砂利道がある。一瞬だけ躊躇するが、確かに「西女満別駅」と記された看板が設置されているので、自信を持って進んでみる。

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砂利道を進むと小さい小屋があった。これが西女満別駅。結局、空港ターミナルからは徒歩22分かかった。

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ホームは最近修築されたようで、大変綺麗。

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ホームに屋根は無いが、待合室はちゃんとある。ただ、4人入れば満員になりそうなくらい小さい。

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駅周辺に自販機などは無いが、携帯の電波は通じた。

網走行きが来るまで40分ほどあるのでホームで時間をつぶす。

晩夏の涼しい風が吹き抜けて気持ちいい。軽く汗をかいた体が徐々にクールダウンしていく。森に囲まれているため展望はないが、木々がざわめく音がはっきりと聞こえてきてこれはこれで良い雰囲気だ。

 

しばらくするとディーゼルエンジンの音と共に網走行きのキハ40が定刻で滑り込んできた。

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結局、この便に乗り込んだのは私一人だった。つまり羽田からの便で西女満別駅を使ったのは私一人ということになる。

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そして西女満別から23分で網走駅に到着。

 

まとめ

  • 空港から駅までは25分弱
  • 十分に歩ける。道に問題はない
  • 駅が低い場所にあるため、空港→駅は下り坂なので楽だが、逆は上り坂なので辛い
  • 駅の雰囲気はなかなか良い感じだが、待合室は小さい
  • 飛行機と鉄道のアクセスは考慮されていない

空港から駅は余裕で歩ける距離感でした。ただ、駅付近の道は砂利道なので雨や雪が降るとドロドロになると思われます。

なお、駅の雰囲気はとても良いです。自然の中にあるため、ローカルな北海道をほんの少しだけですが体感できます。

以上のことを踏まえると、

①夏で

②晴れている

この2点の条件が揃えば西女満別駅は十分利用できます。

最近はJR北海道の経営状態も怪しいので、応援する意味も込めてバスではなく鉄道を使うのも(ちょっと不便ですが)良いのではないでしょうか。

晩秋の浅間山 ~ついに解禁された前掛山まで~ 2018年10月20日

さる2018年8月30日、登山界隈に激震走るーーーー

浅間山噴火警戒レベル引き下げにつき、前掛山までの登山が解禁!!

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うおおおおおお!やった!!ついに解禁された!

浅間山はここ3年くらいの間、噴火警戒レベルが2だったため外輪山まで行くことはできませんでした。それが解禁されたとなれば、これはもう行くしかあるまい。

9月は私用でガーナへ行っていたため、浅間登山決行は10月20日となりました。既に頂上付近は初雪が降ったようですが、アイゼンなどは特に必要なさそうなので、夏山装備と防寒具のみで突撃します。

 

例によって午前0時頃には登山道入口がある車坂峠の駐車場に到着。気温はおそらく0度を軽く下回っています。

特に目覚ましをかけなかったため、とっくに日が昇っている午前6時半に起床。フロントガラスは見事に凍結しています。

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午前0時にはまだガラガラだった駐車場は満車になっていました。

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朝飯を食べて準備をします。トイレに行くと男子用の大便器が1つしかないため大渋滞となっています。私は幸いにも便意はなかったが、登山前に何分も並ぶのは実に辛そうです。

 

 

7時4分に出発。まずは外輪山まで登ります。

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マークもあるし、植生もはっきりとしていて歩きやすい道ですね。

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ほんのちょっと登っただけで雲海と八ヶ岳が見えます。樹林帯とはいえ落葉が進んでいて明るいですねぇ。

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本当に気持ちが良い道。峠は寒かったけれど既に体はポカポカです。

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霜が降りているものの、積雪はないため、滑ることは全くありません。

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登り始めて1時間で槍ヶ鞘という外輪山のピークに到着しました。浅間山の眺望がすごい!!なだらかな山容が如何にも火山ですね!!

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槍ヶ鞘から10分でトーミの頭に到着。登山客で大変賑わっています。浅間山をよく見ると、左側の影になっている部分に登山道が筋になって見えますね。凍結が心配ですが、まぁなんとかなるでしょう。

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また、外輪山の眺めが素晴らしいの一言。この景観はアルプスでは中々見られませんね。

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休憩もそこそこに出発。ここからは外輪山を一気に下ります。

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通称草すべり。つづら折の道を200m近く下ります。

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下っても下っても全然終わらないwww。しかも陽にあたった部分の霜が解けて注意しないとすぐに滑ってしまいます。傾斜が傾斜なので、一度滑ると止まりそうにもありません。かなり集中力が必要なポイントです。

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しばらく下ってから上を眺めるとトーミの頭がよく見えます。確かに頭っぽいですね。

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だいぶ下って樹林帯まで降りてきました。ここまでくれば急斜面も終わり、もとの穏やかな道になります。f:id:harimayatokubei:20181103214352j:plain

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見上げる外輪山も中々よい。紅葉はちょっと遅れましたねー。残念!

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湯の平口という浅間山荘へからのルートの合流地は通り過ぎ、賽の河原分岐点まできました。トーミの頭から1時間かかりました。

前掛山へのルートはここから分岐します。ということは8月に解禁されたのはここから先ということになります。

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分岐からちょっと登ると森林限界を超えます。

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前掛山への登山道がだんだん傾斜が強くなるタイプなので、少しづつ息が上がっていきます。また、案の定凍結した雪によってごく小規模の滑りが自分に限らず頻発します。

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むむむ、これは結構辛い!滑らないように慎重に登るためどうしてもスピードが出ず、混雑も相まって予想時刻から少しづつ遅れ始めてしまいます。相変わらず快晴で全く焦る必要は無いとはいえ、ちょっと焦ります。

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渋滞を抜けた後半はスピードを上げて、分岐から50分でシェルターに到着しました。ここは火口に囲まれているため、風がほとんどありません。

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ここからはウィニングランです。標高差50mほどをゆるゆると登って頂上である前掛山へ行きます。

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午前10時8分。前掛山登頂!

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頂上は意外にもスペースはそこそこあり、20人程度ならば滞留できそうです。

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下から眺めると雄雄しかった外輪山も上から眺めるとなだらか雰囲気ですね。

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頂上からは四阿山草津白根山八ヶ岳などみえたものの、全体的に霞んでおり富士山や北アルプスの山嶺は殆ど見えませんでした。

下界を眺めつつ昼食を食べます。風がちょっと吹いているものの、太陽がよく照っており快適そのもの。ただ、岩がゴツゴツしているためバーナーの使用はちょっと辛そうです。

 

30分ほどで昼食を食べて下山します。なお、山頂のポールでの撮影は20人以上並んでいました。そこまでして撮りたいものかね?

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下りは人が少なくなってきたため、サクサク下山します。分岐点からは来た方向とは逆である鋸山方面へ向かいます。

途中で見える浅間山はシンメトリーで雄大な趣です。

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この辺は荒涼とした道です。全くの平坦で特に歩きにくい箇所はありません。

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さて、これから登る外輪山である鋸山のふもとまで来ました。相変わらずゴツゴツしています。ここからの道は先ほどの草すべりとは違って岩山を斜めに登るため、落石頻発の危険地帯となっています。

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そんな鋸山なので休憩なしで一気に登りきりました。麓からの標高差は100mほどなのでさほど辛くはありません。

外輪山はトーミの頭や黒斑山がある南半分は樹木が多いですが、鋸山や仙人岳がある北半分はゴリゴリの岩山です。

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岩の稜線を進んで仙人岳まで来ました。浅間山が相変わらず雄大です。岩山と浅間山の対比が大変素晴らしい!ここが今回の登山で最も良い景色でした。

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蛇骨岳を境に岩の稜線から普通の樹林帯の道になります。しかし、これがまた雪がすっかり解けて完全にグッチャグチャです。

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あーあー…ここまで殆ど汚れなかったのですが、一気にドロドロに。ちょっとこれは予想外ですね。

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13時前くらいに黒斑山に到着。若干雲が出てきたため急いで下山します。

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しかし!前掛山まで行かず、黒斑山まで往復する老人グループがいるためか、ここから凄まじい混雑に!!

老人のノロノロした動きに合わせて降りていきます。本当は最短ルートを通りたかったのですが、激しく混雑しているため、10分ほど遠回りですが行きと同じ槍ヶ鞘を通るルートで下山します。

 

14時10分に車坂峠に着いて下山完了!最後の樹林帯でドロドロになったりしたものの、終始素晴らしい展望が楽しめました。火山から岩山まで堪能できるのもいいですね。1回で2度美味しい山でした。

 

下山後は駐車場から10分くらいの場所にある高峰温泉へ。運上の露天風呂と看板があるものの、そこは宿泊客専用で日帰り客は別の小さい風呂にしか行けませんでしたwww

2畳ほどの小さい風呂に浅間山の下山客が殺到しており、体を洗うのもままならない!これは別の温泉に行けばよかった……。

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ちなみに帰りはいつも通り渋滞している関越はスルーして北関東道東北道を使いました。東北道も渋滞するとはいえ、関越や中央よりはだいぶマシですね……。本当にあの渋滞はなんとかして欲しい。